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#75『前世療法2』ブライアン・ワイス  

 #44『前世療法』を読んだのは1か月前。その続編。そしてその時の感想文を読み直したのだが、なぜか批判的だった。なぜか。「すごい!すごーい」と素直に言えば良いものを(?)色々意見を言っている。可愛くない奴。まあ、読んだ時点で思ったことを書くのがこの「おじじの書棚」の趣旨なので、それはそれで良いのだけれど、1か月で自分が結構変わったんだなあと感じた。
 というのは『前世療法』は「とても良い本」というのが今の自分の評価だったからだ。読み返してみると「まあ良い本だが」という評価。このギャップ。それだけ自分が変わったのだ。良いことだ。

 前著『前世療法』(以下『1』)が、ある女性一人に話題を絞ったものであるのに対して、本書は様々なケースを傍証として引きながら、前世療法の全貌について語っていく。従って本書の方が研究的、解説的になっている。『1』で満足した人、すっかり分かってしまった人、又は輪廻転生に関する他の本を読んできた人には本書(以下『2』)は、そこまで刺激的ではない。取り上げているケースの数こそ多いものの、手っ取り早く次から次へと話が移っていくので、皮肉なことに効果としては退屈である。ただし、『1』や#48『魂の伴侶』を読んで「本当にそんなことあるの~?」と懐疑的な人や、「もっと知りたい!」という人には、とても説得力があると思う。
 思うに人には二種類ある。「一つの事例を聞けば納得する人」と「沢山聞いて納得する人」がいる。前者は『1』、後者は『2』を読むと良いと思う。

 それにしても著者の知力、判断力、分析力、総合力は本当に素晴らしい。これほど難しい話題を取り扱いながら、ここまでぶれない、そして変な方に突っ走らない人は珍しいのではないか。凄いバランス感覚である。

 本書で知った驚きの数字。アメリカでは少女の3人に1人が、幼少期に性的虐待を受けている(153頁)。何じゃそりゃ…という感じ。ちなみに少年の場合、5人に1人。
 日本の場合のことは知らない。日本ももしかしたら、意外と多いかもしれない。しかし著者も「びっくりするほど多い」と書いているので、いずれにせよ、とんでもないことである。そして本書で紹介されるケースの実に多くがセックスの問題に関係しており、その原因は幼児期の性的虐待にある。それも更に遡ると、前世に根っこがあるのだけれども。
 アメリカは現代において非常に特殊な国だと感じている。問題があり過ぎるので、解決策も集中的にそこにもたらされる。スピリチュアルにしろ、自己啓発にしろ。著者は前世療法は必ず全てに必要な訳ではないと言っている。前世療法が必要なほど傷を負って魂にとってのみ必要、という感じで、もっと多くの人には普通に瞑想で良いと考えている。私もそう思う。
 多分、アメリカには非常に複雑で苦しみに満ちた転生を重ねてきた人々が多く生まれてきていると思う。だからこそ、こうした教えや癒しが必要となるのだが、日本ではどうなのだろうか、ということを今後知ってみたい。

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