「コーヒー淹れるけど、アビアナは?」
ルース叔母さんが尋ねた。
「私、コーヒー要らない」
彼女はお気に入りらしいフリルのスカートが膨らまないよう手で押さえながら、方に届きそうになった髪を揺らして返事をした。
「そうね、子どもが飲み過ぎると良くないものね」
叔母さんは湯気を顔に帯びながら呟くように言った。アビアナは近づいて来ると、僕の服に鼻を寄せて不満げに見上げてきた。
「アシェル君、臭うよ。もう、お風呂に入ってから帰って来てっていつも言ってるじゃない」
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