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レオーネちゃん制作振り返り

レオーネちゃんの制作も、静止画で目標としていた2枚を出力し終わりました。

アニメ制作はたぶん相当右往左往すると思うので、まずはここまでで一旦振り返りを行いたいと思います。

制作概要

制作期間: 8週間(金曜日を除く)
サボってた期間: リトルノアとライザのアトリエ2を遊んでた期間
ツール: Blender, Substance3DPainter, ClipStudio
※金曜日は制作しない日(制作(output)せずに勉強(input)する日)

投票によりレオーネちゃんの制作に決定しました。

モデリング

今回もデフォルトキューブから形を整えていくやり方で開始しました。

具体的な進め方は以前にNoteに書いているものと大きくは変わっていません。ただこのやり方は最終的なトポロジがおぼろげには見えている状態でないと破綻すると思います。初心者向けではない作り方です。

前回の反省を元に、口を大きく動かせるように口を中心とした放射状にトポロジを形成しているのが今回の特徴です。

実際ポーズの段階で口にボーンを仕込んで口を開閉させてみて、わりと動かしやすかったのではないかと思います。

相変わらず3DCG日和Vol2ベースとなりますが、今回は水着ということで股間にちょっと力を入れました。

それ以外は特筆するようなことはなく、まだ関節も曲げるようではなく関節の前後に切り込みを入れているだけの状態です。手足の先もついていません。

おへその追加時点でお腹周りをやり直して、ちょっとぽっこり気味にしたのも今回の改善点です。

背中も今回はさらに肩甲骨を出していくようにしました。このあたりは最初からそうしようっていうより、気になったときに都度修正をかけていってます。

mmCGさんの動画みて綺麗に作ってるなーって思って真似してみました。

が、レオーネちゃんはグローブだったので作り直し……

今回グローブだったのでたまたま指が太くなってます。握ったときにスカスカになるので指を太めにするってのをよく見かけるのですが、私は指を太くするくらいならスカスカを許容したい。

細い指っていいよね

まぁ許容ギリギリまでは太くするのですが。

足は今回のみの特別な点はありません。以前から気をつけている足の甲は思ってるより高くなるっていうイラスト技法の注意点の方に気を配ってつくりました。

他の人に比べると髪の毛に力を入れている方だろうと思います。基本的にCurveで作っていますが、作りやすいようにアドオンをガシガシ自作しているので、アドオン無しで同じことをしようとすると多分めちゃくちゃめんどくさいです。

ただ最初の形を作ってしまうまでは普通にCurveでモデリングしているだけです。つむじの集合にそこそこ気を使っているのと、球状になるように実際に球をおいてガイドにしています。

後ろ髪も最初はCurveでやろうとしてましたが、途中でスカルプトに方針変更。スカルプトの練習が目的でした。

いずれZBrushでとか思ってた時期が私にもありましたが、ZBrushが買収されてお高くなっていく雰囲気なので、記憶から消すことにしました。

横髪はCurveの髪を3重化しましたが、2重で良かったかなって。2重のCurve+メッシュの内髪くらいが編集のしやすさと見た目の比率的にちょうど良さそうです。

あとは全体的に整えて終わり。髪の毛のテールの結び目を太くしたいというのがあったのですが、結局メッシュ化したあと調整しました。Curveの状態だと調整はちょっと無理かな……

三つ編みはこちらを参考にさせてもらっています。わりと簡単で品質も結構いいのでお気に入りの作り方です。

ウェイト

ウェイトにはAutoRigProというアドオンを使っています。VRMを出そうとしたときにHumanoidでボーンを出してくれる他、普段使いではツイストとか普通に仕込まれているし、Mixamoのアニメの取り込みサポート等、補助機能がいっぱいついてます。

だいたいこのあたりがウェイト確認ポーズの定番です。

胸ボーンもしっかり仕込みます。これは胸を揺らすとかじゃなくて、呼吸時の胸の上下の動きを表現するのに使います。立ちポーズをアップで撮る時は必須のボーンとなりますので、必ず仕込むようにしてます。

……もちろん揺らすのに使ってもいいのよ?_(:3」∠)_

髪の毛の物理アドオン作成

Clothがいい感じに揺れたので髪の毛の物理にClothを使っていこうと思いました。

ただ、有名なアドオンが自分のモデルだと使えず、制限回避でモデルを作り直すよりは自分の作り方でも問題ないアドオンを作っちゃえ、と。

結構簡単に設定できて、複数の物理アニメ切り替えを可能にしておきました。

リギング

今回リグを追加したのはおしりと肘と膝。

肘と膝はCopyRotateコンストレイントを付けて割合をいじっただけです。ただ膝は位置も動いてほしい(コの字膝)のですが、今回はコンストレイントではなく手動で移動させる方針にしました。

普段そんなに曲げること、そうないじゃろ?

衣装

特筆すべきやり方はなく、ただ黙々と形状を作りました。ウェイトが大変_:(´ཀ`」 ∠):_

体には先にウェイトを設定しているので、体からウェイトを転送しては調整って流れが基本になってます。

衣装についている色は個々にマテリアル設定じゃなくて頂点カラーで塗ってるだけです。正直色はいらない気もしますが、出来上がってる感はでるのでモチベ的にはあってよかったかな、と。

どこがマテリアルがついていないのかわからなくなるといった欠点があったのですが、あとから考えたらマテリアル作業に入るときに一旦全てのオブジェクトからカラーアトリビュート削除しちゃえばよかったんだなって。

そんなこんなで、一ヶ月ほどでキャラクタモデリングが完了しました。マテリアルはまだ仮です。

マテリアル

基本はSubstance3DPainter(以下Pt)での作業です。結局8月はPt使わなかったなぁ(月額課金なのにモッタイナイ…)

今回でobj形式のマテリアル無しで出力するワークフローを組み立てました。Blender側でマテリアルがいくらあってもPt側で1マテリアルになるので、マテリアル単位でobj出力→Ptで1枚のテクスチャに、っていう流れができました。

マテリアル単位でオブジェクトを選択するのが微妙に面倒だったので、次の作品の時は「指定マテリアルを持つオブジェクトを選択する」ってアドオン作ろう、と。

影色はPt上で作って、Blender上では影の強さで使うテクスチャを切り替えるようにしています。

セルルックマテリアル

UV展開はUVToolkitというアドオンを使用しています。こういう苦労が多くて手を抜きたくなる作業は、アドオンを入れて苦労を減らしてその分手を込める方が手戻りも少なくなってヨシッ。

あとはライトを回して確認します。テクスチャに陰影を描いたら負け(未来につながらない)だとおもっています。

いかにライトとマテリアルだけで陰影をアニメ・イラストに近づけるかが勝負。

シワ入れ

最近は積極的にスカルプト(からのNormalMap)を行うように意識しています。どうしてもシワが入り切らないところはメッシュでシワをいれることになります。

グリースペンシルでのシワ入れもテスト的にやってみたのですが、ウェイト設定が厳しくてやめました。

髪の毛のシワというか筋は、スカルプトじゃなくてプロシージャルで。

フェイシャル

フェイシャルはモーフではなくリグで行こうと今年の最初に決めたので、ボーンを仕込んでます。結局リグは使ってなかったので今回からリグにせずデフォームボーンだけで進めることにしました。

モーフの方がコントロールし易いのでモーフにすべきか?と度々思うのですが、ドラゴンボール(劇場版)のCGモデルがリグでしっかり頬を動かして飯を食べているのを見て、甘えを捨てねばと思い直しました。

まぁ顔の頂点を修正したら即破綻するモーフは心が折れる元凶ですしね。破綻を恐れて顔の修正の手が止まったらそっちが問題。顔が一番大切なのです。

工夫点としては、これも前回からなのですがまつげのボーンは上下に入れるようにしています。

出来た表情は片っ端からアセットライブラリに追加していきます。

別の.blendファイルからも簡単にアクセスできるので、ファイル分割して進めていくプロジェクトではとても便利です。

背景

今回は浜辺なのでfluidを使って波打ち際を作ってみようとしてみました。

最初全然ダメな感じだったのですが、マテリアルを調整するだけでよく見えてしまうマジックが発動。

フレネルで反射部分をEmissionで白く出して、それ以外をGlassでだしただけでいい感じになりました。

水の玉が大きいのでパーティクルのパラメータを調整したいのですが、ちょっと細かくするだけで一気に重たくなります。ある程度で諦めて、メッシュ化したあと調整することにしました。

水の発生源を調整

これをArrayモディファイアで並べます。そのまま並べると端が一致しないので、X軸反転させたものを一旦横に並べて結合しています。

距離フォグをMapRangeで追加してます。

地面の影はキャラの下にShadowCatcher(Box)をおいてデフォルトマテリアルで受け取ったものを使用しています。

貝殻やヒトデを作って、GeometryNodesで地面にちらし、ClipStudioでレンズフレアを作ってCompositでScreen合成。

レンズフレアを白単色にせずにカラーグラデをかけているあたり、今っぽいかなって。

バグ取り

ここで後頭部の髪の毛の色がおかしいことに気が付きました。原因を探っているとレンダリングがおかしいことに気が付きます。

レイトレ(Cyclesも)はレイがぶつかった地点を次のレイの出発地点とするのですが、その出発地点は0距離で完全に重なった衝突地点の取得に失敗します。
透明と不透明のポイントが重なってる地点で先に透明側を判定しちゃうと、不透明側の取得に失敗するので不透明なポイントがあるにも関わらず透明化してしまう。ということだと思います。

で、そこで気がつくわけです。なんで後頭部重なっているのかと。はい、エッジのウェイト設定ミスってました_(:3」∠)_

目のような場所は必要なので回避しようがなくて作りから変えないといけなかったのですが、後頭部は普通に重ねなくていい場所なのでウェイトを修正しました。

他にもノードのつなぎ間違いでマテリアルのAOが顔にしかかかってないとか、もろもろのバグを直しました(´・ω:;.:...

個人制作だとミスってても誰もツッコまないので、自分で気が付かないとお漏らしするのが辛いところですね。

漫符はグリースペンシルを利用

漫符表現はグリースペンシルを使いました。デフォルトだと頂点数がすごいことになるので、カクカクが見えないギリギリまで頂点数を落とすのと、プロポーショナルエディットをうまく使うのがコツですね。

太さ変えツールの使い方がわからずしばらく悩むくらいには初心者だったので、今回漫符レベルでも十分勉強になりました。

色調整をして終了

アニメ制作を目標にしてから映像の方も意識するようになって、色調整とかの話もよく見るようになってたので、今回はちゃんと色調整も行うようにしました。ほんのりですが。

ガンマで行けるかなーって思ったけど、結局馴染ませるにはトーンカーブをいじる必要がありました。

しっかりなじんでこれはいいってなったので、今後も出力結果をそのまま使わず、調整は入れるようにしていこうと思いました。


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