奥入瀬日和@星野リゾート

🍂毎日投稿継続中🍂 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルで渓流コンシェルジュ(ネイチャーガイ…

奥入瀬日和@星野リゾート

🍂毎日投稿継続中🍂 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルで渓流コンシェルジュ(ネイチャーガイド)として働いています。 日々の奥入瀬渓流で出逢う面白いこと、不思議に思ったことなどを私の目線、感性で切り取ってご紹介します。 ※投稿内容は個人的な意見です。

記事一覧

固定された記事

【自己紹介】奥入瀬日和です。

こんにちは。はじめまして。 このnoteでは、奥入瀬渓流の自然をこよなく愛する私が普段見ている風景や、そこから感じること、森の中で見つけて嬉しかったものや不思議に感…

森の明太子 【蔦の森 24/6/14】

誰だっ! こんな所に明太子ぶちまけていったヤツはっ! なんて言いたくなっちゃうビジュアル。 もちろん明太子ではありません。 これは粘菌(変形菌)と呼ばれる 摩訶不思…

トンボの婚活 【蔦の森 24/6/13】

昼下がりの蔦の森を散策していたら、 オレンジ色の翅に水色の身体のトンボが ひらひらと目の前を横切っていきました。 ニホンカワトンボのようです。 陽に透けたオレンジ…

紅い魔物 【八甲田 24/6/13】

少し前のホットサンド会の記事で モウセンゴケという食虫植物を紹介しましたが、 満足に撮影することができていなかったので、 改めて撮影しに行ってきました(^^) モウセ…

竜の草 【蔦の森 24/6/12】

薄暗い森の足元、怪しげな雰囲気を纏う 真っ白なナニカがガサガサと… キャアーーー!!! なんてね。 怪談の類は私あんまり得意じゃないです笑 さて、この白いナニカ…

森のオブジェ 【奥入瀬 24/6/11】

奥入瀬渓流の森の中にはそこかしこに 苔むした巨岩があり、そのどれもに シダや草花、樹木が生育しています。 長い年月をかけて森が作り上げた芸術作品で、 なかなかに個…

今日の奥入瀬渓流 24/6/10

ホテルからのアクセスの都合で、 中流域での撮影が割と多いのですが、 今日は上流域まで足を運んできました。 奥入瀬渓流に存在する14本の滝の中で、 唯一、本流に掛かる…

ホットサンド会in田代平湿原

数日前に八甲田山中にある田代平湿原という所で 優雅にホットサンドを楽しんできました。 春から新しく加わってくれた仲間の ガイドデビュー祝いのイベントでした(^^) 青…

ヤグルマソウ…? 【奥入瀬 24/6/8】

今日は、4日前の記事に出てきたオシダ五兄弟の 写真に写り込んでいたお花が主役。 草丈が高く(約1m)よく目立つので、ツアー中に 必ず名前を聞かれるお花のひとつです。 …

苔からにょっきり! 【奥入瀬 24/6/5】

昨日の記事で私の推しゴケその2、 コツボゴケを紹介しましたが、 冒頭の写真の中に赤いきのこらしきものが ボンヤリと写り込んでいたことに お気付きでしたでしょうか。 …

私の推しゴケ② コツボゴケ

以前の記事で私の推し苔と題して、 オオバチョウチンゴケを紹介しましたが、 今日は推し苔シリーズ第2弾。 今回はコツボゴケという苔が主役です。 この苔は3つの形態を使…

カツラの雫 【奥入瀬 24/6/4】

ヤマセの森で出逢ったカツラの葉が 美し過ぎたので、おかわりしてきました(^^) 水滴が球形になっていることから、 その撥水性の高さがわかります。 肉眼では見えない微細…

しっとり奥入瀬さんぽ 24/6/2

しっとりヤマセの奥入瀬渓流。 記事執筆中の6/4現在も継続中。 明日でようやく落ち着くかな? この日は足を運ぶことが少ないエリアへ お友達と一緒にお出かけしてきました…

蒙霧升降 【蔦の森 24/6/1】

う〜ん! 読めないっ!笑 蒙霧升降【ふかききりまとう】と読みます。 七十二候の中の第三十九侯であり、時期としては 八月下旬頃にあたるので、今じゃないけれど… 霧を…

ヤマセの贈り物 【八甲田 24/6/1】

ここ数日の奥入瀬渓流はとても涼しい。 いや、涼しいを通り越してちょっと寒い。 関東や関西からお越しになっている方には 「やっぱり北国って涼しいのね〜!」 という印…

蛇の花 【奥入瀬 24/5/31】

一風変わったデザインの花が 森のあちこちで目立つようになりました。 その名もマムシグサ※。 花の部分が蛇の頭を思わせますが、 名前の由来として広く知られているのは…

固定された記事

【自己紹介】奥入瀬日和です。

こんにちは。はじめまして。 このnoteでは、奥入瀬渓流の自然をこよなく愛する私が普段見ている風景や、そこから感じること、森の中で見つけて嬉しかったものや不思議に感じたことなどを紹介していきます。 私が奥入瀬渓流で過ごす日常を通じて、奥入瀬渓流に興味を持って頂ければ嬉しいです。 欲を言えば、実際に奥入瀬渓流を訪れて頂ければもっともっと嬉しいです。 初回のこの投稿では私を少し知って頂く為の自己紹介をしておきたいと思います。 私は2014年に星野リゾートに入社し、西表島ホ

森の明太子 【蔦の森 24/6/14】

誰だっ! こんな所に明太子ぶちまけていったヤツはっ! なんて言いたくなっちゃうビジュアル。 もちろん明太子ではありません。 これは粘菌(変形菌)と呼ばれる 摩訶不思議な生き物の仲間なのです。 おっと、失敬。 これは紛れもなくホンモノの明太子!笑 今回の主役はコッチ↓ クダホコリという名の粘菌です。 ね!明太子でしょ!?笑 冗談はさておき、まず粘菌ってなんぞ? という所から説明していきましょう。 粘「菌」と名前に菌が付くので 菌類かと思いきや、そうではない。 さ

トンボの婚活 【蔦の森 24/6/13】

昼下がりの蔦の森を散策していたら、 オレンジ色の翅に水色の身体のトンボが ひらひらと目の前を横切っていきました。 ニホンカワトンボのようです。 陽に透けたオレンジ色の翅がとびきり綺麗で、 ちゃんと撮影したいなぁと思っていたのです。 よくよく周りを見渡したら10匹近くの トンボが飛び回っているではありませんか。 婚活会場に迷い込んでしまったようです。 コレはラッキー! スミマセン、お邪魔します笑 美しいなぁ〜。 この間のエゾハルゼミの翅もしかり、 昆虫の翅にしかない美

紅い魔物 【八甲田 24/6/13】

少し前のホットサンド会の記事で モウセンゴケという食虫植物を紹介しましたが、 満足に撮影することができていなかったので、 改めて撮影しに行ってきました(^^) モウセンゴケは漢字にすると毛氈苔と書きます。 毛氈とは、獣の毛(羊など)を加工して 織物のように仕立てた敷物のことで、 雛人形の下に敷く紅い緋毛氈が代表的な用途。 紅い毛を持つ植物が一面に群生する様子を 毛氈に見立てたことが名前の由来です。 甘い香りの粘液で虫を妖しく誘い、 誤って触れてしまった虫を絡めとる。

竜の草 【蔦の森 24/6/12】

薄暗い森の足元、怪しげな雰囲気を纏う 真っ白なナニカがガサガサと… キャアーーー!!! なんてね。 怪談の類は私あんまり得意じゃないです笑 さて、この白いナニカは何なのか。 実はちゃんとした植物なのです。 その名も幽霊茸。 いやいや、キノコですやん! …実はこれは薄気味悪い印象から付いた俗称。 正式な名は銀竜草【ギンリョウソウ】 しかし、植物というには白すぎやしませんか!? と、皆さん思っていることでしょう。 植物は植物でも、おかしな生態を持つ植物で、 菌従属

森のオブジェ 【奥入瀬 24/6/11】

奥入瀬渓流の森の中にはそこかしこに 苔むした巨岩があり、そのどれもに シダや草花、樹木が生育しています。 長い年月をかけて森が作り上げた芸術作品で、 なかなかに個性派揃いなのですが、 今日はその中の2つをご紹介します。 まずはコチラのオブジェ。 大きく傾いたトチノキが特徴的な巨岩。 元々は真っ直ぐに上を向いていたトチノキが 何らかの原因で倒れてしまったんでしょう。 それでもなんとか持ち堪えられたようで、 今でも元気に成長を続けています。 このトチノキのストーリーだけ

今日の奥入瀬渓流 24/6/10

ホテルからのアクセスの都合で、 中流域での撮影が割と多いのですが、 今日は上流域まで足を運んできました。 奥入瀬渓流に存在する14本の滝の中で、 唯一、本流に掛かる銚子大滝。 水量が段違いで迫力満点。 太平洋から遡上してくる魚達にとって 最後に立ちはだかる大きな試練で、 別名、魚止めの滝とも呼ばれています。 火山が陥没してできたカルデラ湖であること。 銚子大滝が魚の遡上を妨げていたこと。 この2つの理由から、昔の十和田湖には 魚は生息していなかったと言われています。

ホットサンド会in田代平湿原

数日前に八甲田山中にある田代平湿原という所で 優雅にホットサンドを楽しんできました。 春から新しく加わってくれた仲間の ガイドデビュー祝いのイベントでした(^^) 青空のもと、カッコウの声を聴きながら 食べるホットサンドのウマいこと。 肝心のホットサンドの写真はない。笑 田代平湿原はホテルから絶妙に遠いので なかなか行く機会が少ないフィールドですが、 奥入瀬渓流とは全く異なる環境なので、 来る度に新鮮な気持ちで楽しめます。 日本の湿原を代表する植物のひとつ、ワタスゲ

ヤグルマソウ…? 【奥入瀬 24/6/8】

今日は、4日前の記事に出てきたオシダ五兄弟の 写真に写り込んでいたお花が主役。 草丈が高く(約1m)よく目立つので、ツアー中に 必ず名前を聞かれるお花のひとつです。 五角形の葉のデザインが鯉のぼりの矢車に 似ることに由来しています。 「これは、ヤグルマソウというお花です!」 と、紹介すると、お客様の中の1〜2人は へぇ〜。と感心しつつも訝しげな表情。 (もしかしてガイドさん間違ってない…?) 的な疑いの眼差しを感じることがよくあります。 先に一言だけ言っておきます

苔からにょっきり! 【奥入瀬 24/6/5】

昨日の記事で私の推しゴケその2、 コツボゴケを紹介しましたが、 冒頭の写真の中に赤いきのこらしきものが ボンヤリと写り込んでいたことに お気付きでしたでしょうか。 今日はこの赤いキノコが主役。 おそらくベニカノアシタケ。 漢字にすると紅蚊脚茸。 蚊の脚!? 確かに小さくて細いけれども… 命名者は蚊に刺されながら観察してたのかな笑 冒頭の写真、よ〜く見ると傘の縁に 小さな小さな水滴が付いています。 最大までズームしてこの大きさ。 多分0.3〜0.5mmくらいかな?

私の推しゴケ② コツボゴケ

以前の記事で私の推し苔と題して、 オオバチョウチンゴケを紹介しましたが、 今日は推し苔シリーズ第2弾。 今回はコツボゴケという苔が主役です。 この苔は3つの形態を使い分けていて、 それぞれで異なるデザインを楽しめるのです。 まずは普通の葉っぱ。 這うように伸びるので匍匐茎と呼びます。 昨日のカツラの葉は表側に雫が付いていたけど、 コツボゴケは何故かほとんどが裏側。 葉っぱが薄くスケスケなので、 裏側の雫もよく見える。 続きまして、匍匐茎とは異なるタイプ。 こちら

カツラの雫 【奥入瀬 24/6/4】

ヤマセの森で出逢ったカツラの葉が 美し過ぎたので、おかわりしてきました(^^) 水滴が球形になっていることから、 その撥水性の高さがわかります。 肉眼では見えない微細な構造が 葉の表面に隠されているのでしょうか。 葉柄も水を弾くのかな? 水平に伸びた葉っぱだったので、 ぶら下がりやすいのもあったかな。 それにしても綺麗だ! 葉っぱが小さくとも撥水性は変わらない。 幹の部分をよく見ると節のような跡が 残っているので、おおよその樹齢がわかります。 なんと、少なくとも4

しっとり奥入瀬さんぽ 24/6/2

しっとりヤマセの奥入瀬渓流。 記事執筆中の6/4現在も継続中。 明日でようやく落ち着くかな? この日は足を運ぶことが少ないエリアへ お友達と一緒にお出かけしてきました。 この場所はさくさくと歩いているだけだったら、 あまり注目されることはないかも。 何の変哲もない浅瀬のような場所ですが、 森へ還ろうとしている倒木がありました。 半分くらいはすでにほぼ土に還っていて、 まだ木部が残る所には緑鮮やかな苔が 旺盛に生育していました。 倒木が醸す独特の存在感には 人の心を惹

蒙霧升降 【蔦の森 24/6/1】

う〜ん! 読めないっ!笑 蒙霧升降【ふかききりまとう】と読みます。 七十二候の中の第三十九侯であり、時期としては 八月下旬頃にあたるので、今じゃないけれど… 霧を纏う森を表現する言葉って何かないかなと 調べていたら、蒙霧升降が出てきたので、 これだ!と思いまして笑 二ヶ月ほど先取っちゃいました(^^) 蒙霧升降は、深い霧がまとわりつくように 立ち込める頃を意味するようです。 初夏〜夏にかけて、東北地方の太平洋側では ヤマセという季節風が発生するので、 霧が発生すること

ヤマセの贈り物 【八甲田 24/6/1】

ここ数日の奥入瀬渓流はとても涼しい。 いや、涼しいを通り越してちょっと寒い。 関東や関西からお越しになっている方には 「やっぱり北国って涼しいのね〜!」 という印象を強く与えていることでしょう。 しかし、この涼しさは平常運転ではありません。 ヤマセという季節風が運んでくる 冷たい空気と湿気のおかげなのです。 農作物に冷害をもたらしてしまうので、 好まれることはあまりないお天気なのですが… ヤマセの森、私は大好きなのです(^^) ブナの森にはやっぱり霧がよく似合う。

蛇の花 【奥入瀬 24/5/31】

一風変わったデザインの花が 森のあちこちで目立つようになりました。 その名もマムシグサ※。 花の部分が蛇の頭を思わせますが、 名前の由来として広く知られているのは 茎(偽茎)の部分の模様が蛇に見えるというもの。 奥入瀬渓流で本物のマムシに出くわすことは ほとんどありませんが、このマムシには 比較的いろんな場所でよく出くわします。 花のデザインとネーミングが相まって、 食虫植物のようにも思えてしまいますが、 そういうわけではありません。 花粉を運んでもらう為のお手伝い