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ご加護は有るのかも知れない

天気予報の通りの晴天となった5月11日の土曜日。

いつも通り日の出頃に目が覚めたが、ここのところ腰の調子が悪く今朝も「いたたた…」と呟きながらの起床となった。

歩いていればそんなに気にならないのだが、座ったり立ったりする時がなかなか大変だ。

そんな訳で今日は部屋でのんびりしようかとも思ったのだが、天気もいいし少しだけ自転車に乗ろうと思い部屋を出た。

とは言え愛媛と違って広島は自転車天国とはお世辞にも言えない。交通量が多いのと、自転車通行帯が無さすぎて怖いのだ。

何処に向かうともなく「先週は西に行ったから今日は東に行こうか…」そんな感じで漕ぎ出した。

生来の寄り道気質が邪魔をして、なかなか距離が進まないが何となく導かれるように走り、いつの間にか父方の田舎である安芸郡坂町まで辿り着いた。

せっかくここまで来たし、祖父母の墓参と、併せて近くにある叔父の墓参もしよう。

何となくそんな気持ちで、自転車を走らせた。

叔父の墓は坂町の隣、呉市天応にある。

父の弟である叔父には幼い頃からとても可愛がってもらった。おしどり夫婦だった叔母を早くに亡くして、ずいぶんと塞ぎ込んだ姿を見るのはとても辛かったが、2年前に71歳で召された。

今頃叔母に会えているだろうなと思いながら墓に手を合わせる。叔父と叔母の若い頃の姿と声が浮かぶ。

いつかまた会える

墓参に行くのは少し苦手だ。嫌いとかではないのだが、どうしても思い出してしまい寂しさが込み上げてしまう。

誰かと一緒に来るのは嫌だから毎回1人でこっそり行く事にしている。

叔父と叔母に「またくるよ」と伝えて、今度は祖父母の墓に向けて自転車を漕ぐ。

叔父の墓から10分ほど走ると祖父母の墓がある。

その地域は同じ苗字が多い(日本でその地域しかいないのだが)から、毎度毎度何故か知らない人のお墓を拝んでしまい「あ!ここちゃうわ!」となる。

今回も全然知らない人のお墓の前で拝んでから

「あ、違うわ」

となってしまい、ようやく祖父母の墓に手を合わせた。

いい景色

墓参の時にいつも思うのだが、祖父母やもっと昔のご先祖あっての今がある。

幼い日に可愛がってもらったこと、育んでもらったこと。

それを忘れては絶対にいけないと私は思う。

そんな事を思いながら、ついでに祖父母には「皆が健康でありますように」と甘えたお願いをした。

孫としては、甘えることも孝行の一つだ。

思いがけずの墓参サイクリングになったが、帰宅すると50kmくらいの走行距離になっていた。


いい一日になったと思いのんびりしていたら突然のLINEが入った。

母方の大叔母(祖母の妹)が脳内出血で運ばれたとの事。

私は母方の祖母を脳内出血で亡くしているから、冷や汗が出た。

容体を聞くと、意識はあり出血も酷くはないらしく命に別状はないとの事。

ひとまず胸を撫で下ろす。

祖父母が墓参の時にお願いしていた孫の甘えを聞いてくれたような気がした。

ご加護というのは有るのかも知れないなと思った1日だった。

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