見出し画像

国のあり方/逢坂誠二 #7805

【24年5月15日 その6108『逢坂誠二の徒然日記』#7805】
午前5時の都内、雲が少なく既に明るくなっています。気温は12度程度です。午後から雲が広がり夜には雨になる見込みです。日中の気温は25度、夏日になるかもしれません。今日は上弦の月です。

1972年5月15日に沖縄が本土復帰してから今日で52年目です。複雑な思いを抱えつつ今日の日を迎えています。

1)国のあり方
明治維新以降、日本では富国強兵を一つの方向として国づくりが進みました。第2次世界大戦以降は経済成長が、国づくりの基本でした。ところがこの高度経済成長が終焉した後の日本の国のあり方に対する議論は、必ずしも十分ではなかったと感じます。

1978年、大平内閣はその組閣直後に、21世紀を展望した中長期の政策ビジョンを検討立案するために、9つのグループからなる政策研究会を発足させました。この研究会の目的は、一内閣を超えて21世紀において我が国が活力ある存在であり続けるための政策ビジョンを明らかにすることだったと私は認識しています。1980年7月までに9つの研究会の全ての報告書が提出されたのですが、大平総理が亡くなったことにより、その後、この報告書が十分に生かされなかったと私は残念に思っております。

それ以来、40年以上が経過しますが、国のあり方について、地に足のついた議論は十分ではなく、目先や足元の課題に汲々としてきたのが現実ではないでしょうか。特に今だけ良ければ、自分さえ良ければ、金さえ儲かれば良い、こんな価値観が日本を席巻し、場当たり的な対応に終始してしまったのではないでしょうか。

多くの方々が、日本のこの30年は失われた30年だと指摘しております。人口減少、食料自給率向上の難しさ、教育力の低下など、日本の大きな危機です。しかし今ここでも、再度、目先の課題だけに心を奪われていたのでは、日本の未来は失われ続けるのは必然です。私は、未来を見据えた憲法議論を行うためにも、失われた30年を取り戻すためにも、今こそ党派をこえて日本の大きなあり方を考えることが必要だと確信しております。

かつて憲法調査会において「21世紀の日本のあるべき姿」についての調査を行ったことがあると承知しております。その調査は、憲法や統治機構に留まらず、教育、I T、ゲノムなど幅広く各界の識者の皆さんから話を伺うという、極めて貴重な調査だったと思われます。今その経過を振り返って見て残念に思うことがあります。それら識者の話を聞いた後に、その内容を踏まえた日本のあるべき姿に関する議論がなかったことです。もちろんその議論は百花騒乱、様々な内容になるでしょう。しかしこの議論過程を少しでも国民の皆様に共有頂き、日本のあり方を考えるよすがにして頂くことが重要だったと考えます。

この時の識者の発言は、今もなるほどと思うものが多々あります。また20年近い時を経て少し違和感のあるものもありますが、この20年前の議論からバトンを引き継いて、我々が日本のあり方を議論する先に憲法の姿も、おのずと見えてくるものと思います。

9条も同様です。自衛隊は合憲です。私たちは、この姿勢に揺るぎはありません。したがって現時点で9条を変える必要はないと考えています。しかし平和主義、専守防衛を前提としながら、主権国家としての日本の防衛をどうするかを不断に考えなければなりません。切れ間なく考えたその先に、日本のあり方が浮かび上がってくるものと私は考えています。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.5.15===
逢坂誠二への個人献金はこちらです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?