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大いなるリズム

民家の塀の上にびっしりと隙間なく水を入れたペットボトルが並べてあった。猫よけだろうか。昔流行ったらしいが、最近では効果はないとされている印象だ。だが、これだけ並べれば物理的に猫は歩けないだろうから、猫よけになっていると言えなくもない。もはやペットボトルである必要はないが。

ペットボトルは全て2リットルのものでキャップが白と水色の2種類があった。惜しいのはキャップの色の並びが無作為であることだ。せっかく几帳面にびっしりとペットボトルを並べているのだから、白は白、水色は水色でまとめるとか、白と水色を交互に並べるくらいのことはやってほしかった。偉そうなことを言うようだが、少々詰めが甘いと感じた。

「並びが無作為?ハハハ、確かに素人にはそう見えるのかもしれませんね……。可哀想に、あなたには理解できませんか?この大いなる法則に基づいた美しきリズムが……ハハハハハハ……」

もしかしたら、この家に住む数学の達人みたいな人がこんなことを思っているのかもしれないけど、文系の僕に言われても困る。

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