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さすがはいい干し芋

スーパーでいい干し芋が2割引きで売られていたので買ってみた。いい干し芋は、買えないこともないがなかなか手が伸びづらいお値段でお馴染みだ。それが2割引きになったことによって、安くはないがまあ買ってみてもいいかなと思えるくらいのお値段になっており、勢いで購入したのだ。

繰り返すが、そもそも買えない値段ではないので決死の覚悟でカゴに入れるとかそういうことではない。100円弱の値下げで「買えなくもないけど別にいいか」から「買えなくもないから買ってみるか」のボーダーラインをちょうど越えたというだけだ。勢いで、と言ったが実際のところそこに大した勢いはない。

そんな微小な心の動きを経て購入したいい干し芋。帰宅してさっそく食べてみたところ、驚くくらい美味しかった。干し芋なんて安めの輸入物でも十分美味しいのだが、明確な差が感じられる。割引きされたとはいえ高いなあという印象があったがそれも納得の味だ。あまりの美味しさにバクバク食べてしまって、「オーブンで軽く炙って……」などと考えていたのを一切忘れてそのまま完食してしまった。

いいものはいいと言われるが、実際に体感すると説得力が増す。やはり高いものには高いなりの理由があるのだ。タレントやスポーツ選手が立ち上げたブランドの、普通の無地Tにアルファベットをプリントしただけに見える「オリジナルTシャツ」も、きっと値段なりの理由があるのだろう。ちょっと見ただけで「オシャレかどうか以前にオリジナリティのカケラもないけど買う人はどういうモチベーションなんだろう?」などと思ってはいけないのである。

当初「買うほどではないな」と思っていたいい干し芋だが、一度味わってしまった今は、定価でもまた買いたいと思うくらいすっかり好きになってしまった。一度安く買ったことでまんまとカモになった形だ。クスリの売人と同じやり方である。クスリと比べて食物繊維が豊富なので体に悪くないし、そこまでの常習性もないのが救いではあるが。

結局何が言いたいかというと、いい干し芋は高いけど美味しいということ、そして次食べるときこそはオーブンで軽く炙ってから食べるぞ〜、ということである。

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