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人のミスは笑えるが、自分のミスは笑えない。|エッセイ

こんなことシステム化してくれよ・・
と思うような単調な作業を
アルバイトなので任されることがある。

「エクセルのこの列とこの列を比較して、
 一致していなかったら教えて」
などだ。

アルバイトなので「はーい」
と言われたままに対応すれば良いのだが、
関数を組めば2分くらいでわかるものを
目視で1時間かけるのはさすがにアホらしい。

そのため、アルバイト業務とされている
さまざまな単調な作業を
日々こちらで自動化してしまっている。

しかし、エクセルやスプレッドシートであれば
自動化することは容易いが、
WEBサイト上の情報更新となると、
自動化することは難しい。

正確に言うと、
RPAというシステムを導入しているので
サイトでも自動化できるのだが、
これがなんとも使えない。

RPAは、
Aの画面が出たらここを押して、
Bの画面が出たら下に2回スクロールして
など単調なことであれば記憶してくれ、
作業を代行してくれる。

だが、教えていない壁にぶち当たると
作業がストップしてしまうのだ。
メンテナンスだったり、
少し仕様が変わるだけで
作業が止まってしまう。

わざわざRPAを組むのも一苦労なのに、
完成後も中断される可能性があると思うと、
結局自分で対応した方が
マシな気がしてしまい、
RPAを構築する気になれない。

よつて現在も、
エクセル以外の単調作業はこちらで
対応するようにしている。

そして今のところ、
私が一番煩わしいと思っている業務が、
毎月1日にとあるサイトにて
各商品の在庫数を30に設定する
というものだ。

なんで全ての在庫数を30に設定するのかは
知らされていないし、深入りする気もないので
今月もただひたすら、
100商品ほどの在庫数を30に変更した。

30、30、30、30、30、30、
さんじゅう、さんじゆう、サンじゅう、
三十、サンジュウ、サンジュウ、三重、
sannjyuu………

アホになりながら
ひたすら30を入力したが、
本当にこれになんの意味があるのだろうか。。。。

そう思ったのも束の間、
数日後部署内に大パニックが巻き起こった。

「在庫がないのに、
 在庫数が30に設定されている商品があって
 お客様から30点注文が入ってしまった!」
とのことだった。

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん
私!!!!!!!!

sannjyuuなどと脳死で対応していたが、
入れてはいけないものがあったとは……
言われていたような、
言われていなかったような………。

脳みそをONで対応していたら
気づけたかもしれない。
三重などと思いながら、作業してしまって
本当にごめんなさい……

自分のせいだと軽くショックを受け
何も考えたなくなった私は
睡魔に襲われた。
そして、在宅勤務を活かし
退勤後すぐに昼寝をした。

その後、昼寝から目が覚めても
30の件が頭から離れなかった。

実は先日にもカスみたいなミスなのに
大事になってしまった件があり、
私が関与する第二の事件のため
気が気でなかったのだ。

そして、
チャットを確認すると社員さんが、
以下のようなメッセージを送っていた。
「在庫数を入れてはいけないと
 共有が漏れておりました。
 申し訳ございません。」


………。
これ、私のせいじゃなかったんだ。


そうホッとした瞬間、
不安だった気持ちがぱぁと覚めた。

人のミスだと分かった瞬間に
心が軽くなるなんて死神のようだけど、
人類のあるあるだろう。

ふーーーーー、私じゃなくて本当によかった。
ミスは死角に潜んでいるからこそ恐ろしい。
みなさんもお気をつけて!

と言いたいところだが、
気をつけられないのが、ミスなのだ。
ミスを侮るなかれ。

さはら
1997年9月生まれ
ハーフ
座右の銘は晴耕雨読
万年フリーター


🦖おしみ氏の職場事情🦖

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