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「見たくない物を見ずに済む権利」などない(東京都男女平等参画推進総合計画)

ま~た「男女共同参画」事案に不穏な文面が

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現在、東京都が「東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方」についてパブリックコメントを募集している。

 第六期東京都男女平等参画審議会は、知事から諮問を受け、「東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方」について検討を進めてきました。
 この度、当審議会は「東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方(中間のまとめ)」を取りまとめましたので、お知らせするとともに、下記のとおり広く都民の皆様からのご意見を募集します。今後、いただいたご意見を踏まえ当審議会で答申をまとめていきます。

との事で、「ま~たジェンダーうんぬん事案か」と食傷気味ではあるのだが、この中に捨て置けない文章がシレっと紛れ込んでいるのを発見した方々がいる。

いやあ、これは隅々まで読んだ人じゃないと気付かないわ。なんで『東京都配偶者暴力対策基本計画関係』という、DVなどをテーマにしていると思われる物の中に『Ⅴ 性・暴力表現等への対応』なんて項目があり、それが使い古された「コテコテの表現規制ネタ」なのか。

https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/danjo/shingikai/files/0000001644/03haibou.pdf
『東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方について中間のまとめ 東京都配偶者暴力対策基本計画関係』

この異常な流れはつい最近も別件で目にした記憶がある。

そう、大阪の男女共同参画ガイドラインだ。これもつべこべと尤もらしい事を言いつつ、シレっと萌え絵・アニメコンテンツを潰そうという魂胆がダダ漏れになっている酷い内容だった。

どうやら「『男女共同参画』という単語が付いた事案は全て疑わないといけない」という事が確定したと考えるべきなのだろう。

実際の文面を抜き出して考察してみよう

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それでは、問題となる箇所の文面を抜き出しつつ、問題点を指摘していこう。まずは東京都が現状をどう認識しているか、何を課題として捉えているかについてだ。

Ⅴ 性・暴力表現等への対応
■ 現状・課題
○ 表現の自由を十分に尊重しつつ、表現される側の人権や性・暴力表現に
接しない自由、マスメディアや公共空間において不快な表現に接しない自
由にも十分な配慮を払う必要があります。

と言ったそばから、いきなり大きな問題点が飛び出してしまった。ここは特に重要なのでいきなり長文になる事をお許し願いたい。

先に結論から申し上げると「"表現の自由" と対比になるほどの "不快な表現に接しない自由" などない」。ここにはゾーニング論なども絡んでくるが、大原則としては上の通りで、何を置いてもまずは表現の自由が上位に来なければ、表現の自由の意味がないのである。

これについては3年前に無料記事を書いたので、是非ともそちらをお読みいただきたい。表現の自由の基本中の基本について、なるべく分かりやすく述べたものだ。


とはいえ、子を持つ親としては見たくない物を見ずに済ませたい気持ちも分かる。子供に見せていい物かどうかなど、価値基準は状況に応じて様々なのだから、そうしたTPOに合わせられるような状態にしておく事が望ましい。

であるからこそのゾーニングであり、避けようと思ったら避けられる状況にあるならば、それで我慢するのが知性あるオトナというものではないか。

今の日本は昭和の時代と違って、あらゆる表現作品(TV番組やメディアの報道なども含む)が業界団体・市民団体に監視され、またレーティング・年齢制限などでゾーニングされている。

これ以上の厳しさを求めるという事は、即ちさらなる法規制を増やせという話にしかならないが、果たして本当にそれが必要なのだろうか。私には到底そうは思えない。

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