おまけ【君はなにを目指してるの?】
ジュラシックアカデミーに通い出してから、周囲から、特にトレーニーから「なにを目指してるの?」と聞かれる率が半端じゃなくなった。
私自身、肉体的な指標以上に精神性限界チャレンジみたいな要素が色濃くなっているため、目標を聞かれると返答に困る。
ある男性は「一回行って心折れた。大会で結果を出すなどの目標があるわけでもなく、何度も行こうと思えるのが理解できない」と言っていた。
たしかに過酷といえば過酷だが、単純にこれ以上に面白いことが日常にない。普通に生きてると心はどんどん鈍麻し、感情が弱まり、生きている意識すら薄くなっていく。木澤さんに言わせると「有酸素やらせてるだけ」のレベルだとしても、生死の境をさまようことで、やっと生きてる実感を思い出すから行ってる。身体は死ぬが、心は息を吹き返す。身体はまじで死ぬ。
大人になるということは、素の感情を押し殺してその場その場の役割を演じることだと思っている。心は永遠にガキのままなのに、演技と嘘で塗り固めて、社会の一部として存在するためのなんか別の変な生き物として生きている違和感がずっとある。
そういうしがらみから一時解放されて、トレーニングのことだけ考える、逆にそれ以外を考える余地がなくなるという機会が得られるから通っている。もちろんエロいボディにはなりたいし、それを目指してはいるけど、それ以前に人間になりたい。それが目標といえば目標かもしれない。
でも、「なんでジュラシックアカデミー通ってるんですか?」に対して「人間になりたいから」と返したら完全に頭がおかしいやつだと思われるので、今後は相応の答えとして「木澤さんを尊敬しているからです」と答えることにしようと思う。
これも全然本当だし、ジュラシック木澤選手のことは金輪際現れない完璧で究極のアイドルとして大好きだし、パーソナルトレーナー木澤大祐さんのことは畏怖を込めて敬愛している。素の木澤さんに関しては触れたことがないのでわからん。
多分、御本人にも「こいつ何で通ってんだろう」と思われてる気がするけど、考えた理由も実際は全部あとづけで、「やりたいからやってる」に尽きる。でも、そういう単純な動機こそ長い人生を乗り切る上で必要だと思う。
今現在、これも「たすけてくれ」としか言いようがない状況に追い込まれているので書いています。絶望的な作業量を前に、呆然と立ち尽くしているゆえの逃避行動。逃げたい。すごい可愛い生き物と、非課税の莫大な現金が目の前に現れてほしい。
嘆いても誰も助けてくれないし小人も出現しないので、週末のはじめて生で見る日本選手権を楽しみになんとか生き延びようと思います。
さあ、やりましょう。
おしまい
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