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11 『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

#11 落胆

今回、あまりにも激烈な叱咤をいただいたため、感情の整理に時間がかかった。主に、自分の不甲斐なさと能力の低さに嫌気がさして、しばらく書く気になれなかった。説明がめんどくさいのでツイートを貼る。

要は、とんでもない運動音痴
ショック受けすぎなのが見てとれる


要は、「何年やってきたかわからないけど、あなたのトレーニングはその程度なんですよ」の言葉通り、神経発達レベルから叩き直す必要があって、今やってるのはトレーニングですらないということを言われた。

「今、この状態でやっと1セット目だと思ってください」

今回、開始から50分ひたすらレッグプレスをやり続けて、表情筋も死んだあたりで言われた台詞だ。

完全にこれ


真面目な話、木澤さんが真剣に指導してくれているのに対し、相変わらずミリも応えられない自分が情けなく、自己嫌悪に陥って普通に帰ってまじで泣いた。いい大人になってから屈辱で泣いたのは初めてだと思う。旦那は「いや〜強豪校の部活やねえ〜なつかしーけど今更よくやるわ」と笑っていた。

まじで辛くて、強いてちょっと面白かった出来事といえば、パーソナル中にアップルウォッチが私の悲鳴に反応して「危険な騒音」の通知を出してたことくらいだ。しかも、それすらも「声が出ること自体がおかしい。息を止めて力を出すんだから、声出てる時点で力が抜けてる証拠」と言われている。


「僕のことを厳しいとか怖いとか言うけど、別に怒ってるんじゃなくて、真剣にどうすればよくなるかを色々考えて言ってるんですよ」


本当にその通りで、それは重々理解した上で、語気が通常の人間の声域だと完全に怒ってる人でないと出ない迫力だから、それこそ本能的に縮み上がってしまうだけだ。あとネズミが恐竜に立ち向かってるんだから、ささやきも咆哮に聴こえる。

だが、そもそも人は真剣でない人間には強く言わない。言う方が労力使うからだ。適当に流す方が断然楽だ。それが分かってるからこそ、出来ない自分が恥ずかしく、心底申し訳ない。未だに、自分ほど叱られている人間を見たことがない。

しかし、現状としてこれがどうしようもなく自分の実力で、泣こうが喚こうが限界値なので、潔く認めて粛々と出来る範囲で齧り付いていくしかない。

「プレートもう一枚しかついてないですよ。これでいいんですか」

「階段登ったり歩いたりしてるほうがまだ筋肉つかってるレベル」

「これもう有酸素ですよ」

「力入れたら上がりますよ上がらないわけない」

「遅い遅い遅い!遅いよもっと早く!」

「早く!もう膝持って押して!」

回を重ねるごとに鋭さを増していく叱責。基本、「早く」「遅い」「違う」「あと一回」「はい、まだ出来るねあと5回」しか言われてない。まじでひとつも進歩がない。

このトレーニング風景を100人が見たら95人は引いて、4人は魚みたいに痙攣してる人間に興奮を覚えるサディストで、残った1人が感銘を受けてアカデミーに入会する。木澤さんのトレーニングはそもそもそういう類だ。
知ってて入ったんだから、落ち込む暇があったら這ってでも進むべきだ。

でも、本当に情けないほど落ち込んだ。人生で、得意な分野でだけ勝負してきたツケを見事に突きつけられている。一番無様で、非力で、努力しても人の半分もいかない恥部を冷静に切り刻まれて、「これがあなたですよ」と展示されて、平静でいられる人間がいたら見てみたい。

「お前ごときが行く場所じゃない」と多方から言われてきた意味が、今ならよく分かる。でも、自分で決めたことを戦略的でもなく途中敗走するくらいなら、冗談抜きで死んだ方がマシだ。それだけはいやだ。有言したことで、やり遂げなかったことはないのだけが唯一の自慢だ。追い出されるまではやると決めてる。

なので、これを書き終わったら落ち込むのをやめる。意味ないし、なにより納期がやばい。金稼がないとパーソナルもいけない。
人によっては「そこまでしてやる意味あんの」「目的見失ってない?」「金払って怒られるって何?」と失笑するだろうが、これはボディメイク以上に自分の精神性を賭けた挑戦なので、適当にせせら笑いながら見といてほしい。

看板に偽りなさすぎる


報われるかも分からない努力にどれほど力を注げるか。とんでもない劣等ぶりに心折れるのが、私が先か恐竜が先か。もうどうでもいいからやるだけやります。頑張ります。

#12に続く



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