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MBA経済学前半戦 - オハイオ州立大

2023年9月11日、経済学(Manegerial Ecnomics)4回目のクラス。全7回なので、折り返し地点である。

当初は授業が本番で主戦場と思っていた。確かに本番である。教授が問いかけ、生徒が答える。かけ合いスタイルで授業が進む。緊張感が続く。
授業から得られるバリュー。
これはすべて、アサインメント(予習:授業の準備)に対する姿勢にかかっている。そして、このアサインメントが膨大な量である。週に2クラスのアサインメントのために、クラスがない平日の夜と週末をたっぷり使っている。授業が主戦場なのであれば、アサインメントは匍匐前進であり、訓練である。アサインメントがどれだけ膨大かは、別の日、気分が乗ったときに、まとめて記録したい。
4回目の今日、3時間15分の授業の内、前半2時間は筆記テストがあり、このテストで今まで学んだ知識を定着させる。

前半で学んだことを要約

「人々は全ての選択肢を把握&比較し、ベストなものを選択する。」
これをREMモデルといい、経済学ではこの考え方をスタート地点とする。
そんなはずはないのだが、そう仮定する。変数は少ないほうが考えがブレにくい。

REMモデルを前提にすると、経済学では以下のことがいえる。

  • 需要と供給は、市場に任せて、全ての消費者と生産者が自由に競争すれば自ずとバランスが取れ、最適な取引価格と取引量が市場で決まる。この時、社会に生じる価値が最も大きくなる。(完全競争市場)

  • 独占市場では(例えば通信サービス業界、航空業界等)、独占企業が自社にとって最も好ましいと考える価格をつけ、その価格でも欲しいという消費者の需要を満たす分だけ取引が生じる。取引価格は高くなり、取引量が減るので、社会に生じる価値が小さくなる。

  • 政府等が市場に介入し、取引価格や取引量に制限を設けること等で、儲けすぎていた、もしくは儲けが少ない生産者の便益を、生産者と消費者との間で再配分することができる。一定の効果はあるが、社会に生じる価値は自由競争下と比べると小さくなる。

  • なお、公害問題のように、取引の当事者かどうかに関係なく、生産者の活動により社会がネガティブな影響を被ることがある。自由競争で決まる最適な取引量は、このような市場外における影響を考慮していない。そのため、政府による追加課税等により実質的な取引価格を引き上げることで、結果として取引量を減らすという施策を導入することがある。このような施策は社会に生じる価値を最大化させるという効果を持つ。これは、生産者の社会貢献活動等にみられるポジティブな影響にも同じことが言える。また、消費者目線でも同様で、例えば、教育を受けること(ポジティブ)や喫煙(ネガティブ)等があげられる。社会価値最大化のための施策は、課税に限らず様々である。

3回分の授業とアサインメントで学んだ内容を要約してみた。簡単に見える。本当に簡単なのだと思う。要約すると、物事は何でも簡単である。

要約したところで意味がないようにも思えてきた。実際はここまで来るのにたくさん勉強し苦戦した。そして、苦戦した分、内容が面白かった。
アサインメントでは、経済教本や関連する記事を読み、記事の内容を経済理論に当てはめて考える。そして授業でディスカッションする。
教本も記事もどれをとっても面白い。だから、ディスカッションも面白い。

授業で取り扱った記事

アメリカのとある田舎町では、住民が消防団に75ドルを前払いすることで、火事になったときに火を消しに来てくれるという仕組みになっている。住民が少ないとインフラが整備されにくいが、消防インフラは大切である。
その田舎町で、ある日火事が起こり消防車が家の前まで来たのだが、住人が75ドルを支払っていなかったため消防活動ができず、それを見た住人が怒りに震え、消防士に暴力をふるい、暴行罪で警察に捕まる、という話は、経済学とは異なる観点で印象深い。
お支払いは約束どおりに。人生の教訓になった。

イギリスのロックバンドRedioheadを扱った記事もあった。経済学との繋がりという点でも面白かったので、改めて別の日に思い出して記録しようと思う。

話をしめます

経済学といっても、アカデミックな要素は最小限になるように構成されていて、時事ニュースに経済学を当てはめて考える、ということを何度も練習した。
直観的な判断は、経済学で学んだ論理に当てはめて考えても大筋で大きくズレることはなかったが、その中でも少し引っかかる部分が出てくるので、その部分を丁寧に考え直すと、やはり何かがおかしい。

シンプルだけど使える経済学を学んだ。

前半の4回は市場を舞台にした議論であったが、後半は企業等の組織内部のマネジメントに関して議論を交わすとのことで、これもまた楽しみだ。

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