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小説&音楽「おはよう、私」

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小説と音楽が編むように重なる新しい作品の形。
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「おはよう、私」④(短編連作小説 & 音楽)音楽編

「おはよう、私」④(短編連作小説 & 音楽)音楽編

短編連作『おはよう、私』をお読みいただき、ありがとうございました。

この3つの物語には、根底を貫いて流れる一曲の音楽があります。

第3話で青磁の背中をやさしく押した、この曲です。


 作詞・作曲・演奏すべてが Jaga さんの手による、この素敵な楽曲。
 もともとは、歌詞のないピアノ曲でした。

 その優しくうたうようなメロディーからインスピレーションを得て、小説『おはよう、私』は生まれま

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「おはよう、私」③(短編連作小説 & 音楽)第3話

「おはよう、私」③(短編連作小説 & 音楽)第3話

第3話・青磁

 朝。
 スマホのアラームで目が覚める。
 カーテン越しに伝わる外の世界はまだ薄暗く、僕は小さくうめく。

 うう、なんだかいい夢を見てたのに。
 なんでこんな薄暗い時間にアラームが鳴るんだ。

 さらさらと崩れていく夢のしっぽを追いかけてもう一度寝てしまおうと思った刹那、今日が春休み明けの一日目であることを思い出す。

 スマホは7時を知らせていた。
 耳を澄ますとかすかに雨の音

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「おはよう、私」②(短編連作小説 & 音楽)第2話

「おはよう、私」②(短編連作小説 & 音楽)第2話

前回のお話しはこちら ↓

第2話・葵

 朝。
 アラームの音が意識に届く。

 細く開いたカーテンの隙間から、細い光がこぼれている。
 ああよかった今日はいい天気なんだなと、まだ半分眠りの中にいる頭で反射的に考える。

* * * *

 昨日の朝は雨だった。

 雨の日は、子どもを保育園に送るのにいつもより時間がかかる。
 レインコートを着こみ、自転車の後ろに乗せた子どもに椅子ごとすっぽり

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「おはよう、私」①(短編連作小説 & 音楽)第1話

「おはよう、私」①(短編連作小説 & 音楽)第1話

第1話・瑠璃
 朝。
 遠く聞こえるアラームの音が意識をたたく。

 細く開いたカーテンの隙間から、細い光がこぼれている。
 ああよかった今日はいい天気なんだなと、ぼんやりした頭で反射的に考える。

 「よかった」と思ったのは仕事で人に会いに行く予定があるからで、晴れていれば移動がらくだからだ。雨ならば広がってしまう細いくせ毛も、今日はきっと大人しく、肩で揺れてくれるだろう。

 ほとんど無意識に

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