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後継者をどう育てる?サクセッションプランとは

企業が中長期的に存続するためには、将来の経営者となる人材を育成する必要があります。

こうした後継者育成計画のことを、サクセッションプランと言います。

ただ、大企業と中小企業とでは同じテーマでも意味合いが少し異なります。

サクセッションプランとは何なのか?会社規模によって何が違うのか?見てみましょう。


サクセッションプランはなぜ必要?


ある日突然、あなたの会社の経営トップに不幸が起こったとします。

そのとき、どんな対応策を立てていますか?

経営トップに限らず、経営レイヤーのポストが空席になったとき、すぐに次の人材を配置できる準備は出来ているでしょうか?

その準備がない状態で経営を続けているのは、非常にリスクです。

起こってから考えているようでは、お客様や株主などなどを不安にさせてしまいます。また、不在の期間、現場の混乱は避けられないでしょう。

こうしたことが起こらないように、企業は計画的かつ持続的に、後継者候補を輩出する仕組みを整備しておかなければならないのです。


サクセッションプランは選抜研修ではない


しかし、いざその計画を立てようとしても、何をどのように進めて行けばよいか分からないものです。

結果、ありがちなのは、現場で目立つ人材をリストアップしておいたり、候補者向けに選抜研修を行ったりして、「あとはよしなに」と済ませてしまうことです。

恥ずかしながら私も「サクセッションプランって選抜研修のことでしょ?」と勘違いしてた時期があったのですが、それは大いなる間違いでした。


サクセッションプランは、具体的に何をする?


サクセッションプランでまず大事なのは、自社のミッション・ビジョン・バリューや中期経営計に照らして、今後必要になってくるポジションを明確化することです。

間違っても、「社長の後継者はこの人!」「副社長の後継者はあの人!」と、目先のポストの後継者だけのことを考えてはいけません。

中長期的に企業が成長するためにはどんなポストが必要か?と、未来を見据えて定めることが大切です。

次いで、各ポストの人材要件を明確化して、合致する人材を選ぶのです。

具体的には「経営リテラシー」「リーダーシップ」など、必要な人材要件を定め、それらをどんな基準で測るのかを考えます。

選ぶときの手段としては、アセスメントだけでなく、これまでの実績や自薦他薦、面談なども有効でしょう。


最後に、選んだ人材をどう育てていくかを考えていきます。

選抜研修はあくまでひとつの手段に過ぎません。意図的に責任あるポストに就かせたり、ジョブローテーションを通じてさまざまな経験を積んでもらったりします。

こうした登用や育成を通じて、段階的に後継者としての力を身に付けてもらいます。


このように「ポジションを明確にし、必要な人材要件を定めて選び、育てる」仕組みを作り上げることが重要です。


大企業と中小企業とで何が違う?


ここまで見てきたサクセッションプランですが、会社規模によって意味合いが若干違います。

大企業の場合、背景のひとつにあるのが「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の改定です。

これによって、特に上場企業を中心に強く要請されるようになったため、サクセッションプランの構築が求められているのです。

一方で、中小企業はまさに人材不足。要するに継いでくれる方がいないという問題です。

近年は、「興味がないから会社を継がない」という理由で、経営者のご子息の6割が会社を事業承継を断っているデータがあります。そうなると、誰も会社を継いでくれず、廃業せざるを得ないという訳です。

このように、同じサクセッションプランでもその背景が違っていることがあります。

人事としては、どういう狙いで自社が取り組まれているのか?を深く理解したいところです。


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