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希少化するコンテキスト。これからのデジタルサービスに必要なもの【Off Topic Ep214】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するポッドキャスト「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は「#214 希少性のあるコンテキスト」から、“コンテクスト”が排除される現在のデジタルサービス、これからのAIに必要なことについてピックアップ。AIツールによるサマリは基本的に使わないと語る宮武。さて、そのワケとは? これからのサービスに求められる、コンテクストの重要性とともに紐解いていく。


情報は溢れるが、文脈が捉えにくくなる世界

宮武は、情報がとどまることなく溢れかえるなかにあって、情報そのものよりもその周辺にあるコンテキストの希少性が高まっていくと語る。

わたしたちがアクセスし収集できるデータが際限なく増えるからこそ、それらを繋げる文脈や全体像の把握、それらをいかにメタな視座やフレームの中で解釈するかが難しくなっている。これについて宮武がChatGPTに投げかけたところ、膨大にあるパズルのピースを繋げて完成させるための、箱に掲載された完成図がない、あるいはそれを描く人がいない状況にあると、興味深い例えをしたという。

コンテキストが欠けてしまっては、情報はただのノイズとなってしまう。そのために、従来ではこのコンテキストを埋める役割を各領域のエキスパートが担っていた。

アートであれば、作品や状況や作者をとりまく状況や社会的背景、なぜ、どのように書いたかなどを専門家が説明をし、文脈が与えられることで面白さを理解する。ニュースであれば、受け手に世界をより理解するために、ウクライナやイスラエル、パンデミック、シリコンバレーの状況などについて情報を選び、ニュートラルなかたちでそのコンテキストを提供することが各領域のジャーナリストの基本的な仕事である。

「ミスタービースト化」するデジタルサービス

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