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【結果を出しても文化にならない!?】 24歳Jリーガーに、サッカーが “オワコン” にならないためにはどうすればいいのか聞いてみた!

━━━━━━ あの “バズ” を深掘る!!

「“優勝すること(=結果を出すこと)” は、“サッカーが文化になること” には必ずしも繋がらない」

そう語るのは、Jリーガー下澤悠太さん

昨年夏、選手でありながらビジネス的な視点を持った記事を書かれたことで “バズ”  を起こした下澤さんに、その本意について徹底的に深掘らせていただきました!

ぜひ、お楽しみください!!

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※笑いありの楽しいインタビューになりました!
※最下部の【おまけ記事】までお見逃しなく!

◎インタビュー/編集:八田 凌雅

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【たとえ優勝しても、いつまでもサッカーが地域に根付かないのはなぜ?】


◎八田:
下澤さん、よろしくお願いします!


◉下澤さん:
よろしくお願いします!


◎八田:
早速ですが、数ヶ月前にJクラブの取締役をされているえとみほさんが下澤さんについて取り上げられており、物凄く反響がありましたね!

▷えとみほさんツイート↓↓

▷該当note↓↓

改めて、noteの記事ではどんなことを書かれたのか、そしてなぜこのような記事を書こうと思ったのか、そのあたり詳しくお聞かせください!


◉下澤さん:
記事のタイトルにあるように、シンプルに「サッカーはオワコンかもしれない」と思うようになってきたからです。笑
もう少し深掘ると、サッカーが文化として日常の一部に溶け込んでいる国や地域だと話は変わりますが、まだまだサッカーが文化として根付いているとは言い難い日本に関しては、「このままだとマズイんじゃないか?」と素直に思ったからこそ、この記事を書きましたね。


◎八田:
どのような点で、“マズイ” と思われたんですか?


◉下澤さん:
サッカーって、あくまで一つのエンターテイメントであり娯楽ですよね。
世の中には、サッカーの他にも「水族館、テーマパーク、映画館、Netflix、居酒屋…」などのたくさんの娯楽があります。
ましてやサッカーの試合が行われる週末には、好きな人とのデートの予定が入っているかもしれない。
そんな状況下でも「サッカーが選ばれる理由ってなんだろうか?」と。

この観点を、選手を含め、Jリーグや日本サッカー界全体で考えていかないと、他の勢いがある業界にどんどん追い越されてしまい、日本サッカー界が大きくなることはないんじゃないかと感じたんです。


◎八田:
「サッカーが選ばれる理由」・・・
たしかに、そう言われてみると何なんでしょうね…

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◉下澤さん:
日本でサッカーを普及させて拡大させていくには、サッカーに興味がある層はもちろんですが、それと同じくらい「サッカーに興味がない層」にいかに届けていくかの視点が必要になると思っています。

そうなると、「サッカーに興味がない層」に対して、サッカーを「サッカー」で売っても届かないんじゃないかと。


◎八田:
「サッカーをサッカーで売っても届かない」
→ ここの部分、詳しくお聞かせください!


◉下澤さん:
すでにサッカーに興味があって、サッカーのことを理解している層にアプローチするのであれば、「面白いサッカーをすること」や「大会で優勝すること」などができれば、サッカーの注目度はどんどん拡がっていく可能性は高いと思います。

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◉下澤さん:
ただ、サッカーに興味ない層にアプローチをするのであれば、話は変わってくるんじゃないかなと思っています。

たとえるなら、もし仮に、自分の地元にあるまったく興味のないスポーツのチームが大きな大会で優勝したからといって、そのスポーツがいきなり次の日から地域で有名になって普及されるわけではないじゃないですか?

たぶん興味のない人からすると、「へぇー優勝したんだ。」とか「地元にこんなチームがあったんだ。」と、そこで初めて知るぐらいの状況だったりすると思います。


◎八田:
それ、僕も思い当たる節があります!
昔、地元の愛知県で中日ドラゴンズが優勝したとしても、正直野球に対して1ミリも心動きませんでしたね…笑

※中日ファンの皆さん、ごめんなさい🙇🏻‍♂️


◉下澤さん:
まさにそれなんですよね!
もちろん「優勝」って結果は “キッカケ” にはなるけど、短期的な効果しかないんじゃないかと。
それこそ、10年前になでしこジャパンが優勝した後や、数年前のラグビーW杯の開催後をみてもわかると思います。

もっと本質的に「普及ってなんだろうか?」ってことを考える必要があると思うんですよね。


【 “サッカーに興味がない人” にサッカーを届けるにはこれだ!】


◎八田:
その上で、下澤さんは「サッカーに興味がない層にサッカーを届ける(=普及)」にあたって、大事になるポイントってどんなことであるとお考えですか?


◉下澤さん:
それは「人」であると思っています。


◎八田:
「人」、、ですか!?!?


◉下澤さん:
要するに、「サッカーを観にいく」のではなく「〇〇選手を観にいく」という観点を持つことが、僕は日本でサッカーを広げていくために必要なことなんじゃないかと思うんです。
それこそ、「地元の友達がいるから」とか「大学時代の仲間がいるから」とか「友達の彼氏がいるから」とか、なんでもいいと思うんです。
大事なのは、「サッカー選手」で止まるのではなく、「推しの〇〇選手を見に行く!」というようにわざわざ会場に足を運ぶ動機となる”誰か”になることが大事なんじゃないかと思うんですよね。

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◎八田:
それ、めちゃくちゃ共感できることがあります。
OFF THE PITCH の運営母体であるFiCのコミュニティメンバーの吉澤幸村(以下:ユッキー)が分析官兼アシスタントコーチとして活動する『クリアソン新宿(以下:クリアソン)』というチームがありまして。


◉下澤さん:
知ってます!
先日、JFLの昇格も決めましたし、今勢いのあるチームですよね?


◎八田:
そうなんです!
FiCメンバー総勢で応援しているチームなんですけど、ふと「なぜFiCはクリアソンを応援してるんだっけ?」と思って。

これ、結論「ユッキーがいるから」なんですよね。
メンバーであるユッキーが所属しているチームだから、僕らも応援したいという!


◉下澤さん:
それです!その感覚です!!


◎八田:
僕自身、新宿には週5くらいで行くんですが、たぶんユッキーが分析官としていなかったらクリアソンにここまで注目していなくて。
いくらおもしろくて良いサッカーをしていたり、優勝したりしたとしても、本当に申し訳ないんですがたぶん「ふ〜んそうなんだ」くらいにしか思っていなかったです…笑(超素直


◉下澤さん:
笑笑

でもまさにそうだと思うんですよね。
しかも、八田さんとは違ってサッカーに全く興味ない層を取り込んでいくのであれば尚更そうであると。

これって、逆の立場になった時を考えるとすぐにわかりますよね。
自分が全く興味のないスポーツに触れるキッカケって、「友達の〇〇がやっているから!」ぐらいしかなくないですか?笑
自分のSNSで全く興味のないスポーツの情報が流れてくるわけでもないですし。

だからこそ、「人」の観点を持って、人との接点を大事にしていけるかどうか、それがサッカーをより普及させて、サッカーが “オワコン” にならないために大事なことの一つなんじゃないかと、僕は考えています。

▼下部に、おまけ記事があります!!

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<ゲスト紹介>

◉ 下澤悠太(しもざわゆうた)氏
1997年9月4日生まれ。東京都出身。170cm/68kg。
小学6年生の時に「一流のサッカー選手になるには、 人としても一流でなければいけない」という言葉に出会い、サッカー以外のことに目を向けるようになる。中学で基礎と感謝すること、柏レイソルU-18では言語化の大切さを肌で感じ、誰よりも考えて行動することの大切さを実感。
法政大学では、 総理大臣杯・インカレの優勝を経験した傍らで、 社会問題を学んだり、 サッカー以外からの学びがサッカー選手としての成長に繋がることを実感し、 3年間毎日ブログを書き続ける。
その後、J2ブラウブリッツ秋田に加入するが、 新型コロナウイルスの直撃。発起人としてクラウドファンディングを立ち上げ、ピッチ内外でクラブに貢献するために模索。
現在は、『思考をすることを極めて、 正しい積み重ねをすれば、 才能を理由に夢を諦めなくても良い』ということを生き様を通して伝えるべく、サッカー選手として、そして人として成長するために日々精進している。

▷Twitter↓↓
https://twitter.com/YutaShimozawa10/status/1422150750528933890?s=20
▷公式LINE↓↓
http://lin.ee/NhUdURC
▷Voicy↓↓
http://voicy.jp/channel/2133
▷note↓↓
https://note.com/yutashimozawa/

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<運営紹介>

◎ 一般社団法人FiC
「WORK WITH PRIDE 〜誇りと共に働く〜」をコンセプトに、日本サッカー界で起きている様々な問題を解決するべく、サッカー指導者が総合的に学べるコミュニティ事業を展開。10代〜40代まで幅広い年代の、サッカーや指導に想いを持つメンバーが所属する。
現在は、関東圏のみならず関西、そして全国に200名以上の会員を抱え、サッカー指導者が学べる機会や情報のほか、会員一人一人のキャリア支援や、講演会をはじめとしたイベントの企画/運営も実施している。
2021年7月に大阪支部がスタートし、第6期生として2022年2月まで募集している。

コミュニティへのお問い合わせ / 無料カウンセリングはこちら↓↓

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【おまけ記事!】 考えてプレーすることは、サッカーが上手くなるだけでなく、生きる力を与えてくれる

◎八田:
下澤さんって、noteだけに限らず、Voicyや公式LINEなど、様々な活動をされていますよね。
それらを拝見しても、本当に思考が深いなと・・・!
下澤さんはなぜこのような「深い思考力」を持たれるようになったんですか?

◉下澤さん:
元々読書が好きで、「あっ そんな考え方があるんだ!」と学ぶことが好きだったのも理由としては考えられると思います。
ただ、一番はやっぱり高校時代に「考えてサッカーをする」ということができたことが大きいです。
柏レイソルユースにいたんですが、そこで初めてサッカー観がガラッと変えられたんですよね。

◎八田:
具体的に、どんな変化があったのでしょう!?

◉下澤さん:
今はどうか分からないのですが、僕がいた当時のレイソルは、とにかくプレーの一つ一つに意味があって、細部にわたって決まり事になっているような状況でした。
例えば「相手のシステムが4-4-2でツートップなら、自分たちは4-1-4-1のアンカーの選手を落として3バックのような形を作って数的優位をつくる。そしてセンターバックがフリーになったら、今度はサイドバック高い位置を取る...」みたいなことを、いろんなシチュエーションで言語化されていて、常に考えながらプレーするように指導されていたんです。
それによって、一つ一つのプレーに意味付けをすることができるようになっていき、同時に言語化の大切さも学びました。

◎八田:
なるほど!

◉下澤さん:
それ以降、サッカーを観る際にも「なぜこの選手はこのプレーを選択したんだろう?」「なぜここに立っているんだろう?」と考えて言語化する習慣ができてきて。
それが、僕がいろんなことをちゃんと考えて言語化するようになった大きなキッカケだったなと、今振り返るとすごく思います。

◎八田:
サッカーによって、思考力と言語化力が身についたんですね。
サッカーをやることの可能性や、サッカー指導者の教育的な面も含めた重要性を、今一度考えさせられるエピソードだなと思いました!

◉下澤さん:
本当にそうですね。あの3年間がなかったら、間違いなく今の自分はいないと思います。
そう考えると、当時の指導者の方々やチームメイト、環境には本当に感謝しかないですね。

◎八田:
実は、こからが本題になるんですが・・・
そんな下澤さんに、育成年代のサッカー指導者や、プロを目指す大学生の選手たちに向けて、ぜひ何かお伝えいただけないかなと!

・・・第2章につづく!!

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◎取材/編集:八田 凌雅(OFF THE PITCH Staff)

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