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心を整えてくれるは大げさではない | 「喜嶋先生の静かな世界」(著者:森博嗣)

心を整えてくれるは大げさではない | 「喜嶋先生の静かな世界」(著者:森博嗣)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

最近、平日はいわゆるビジネス本的なもの、土日は小説などを中心に純粋に楽しめるもの、という形で読書をしている。そんな中、“心を整えてくれる小説 これまでも、これからも何度も読み返す本です”という帯に書かれた言葉に惹かれて読んだのが「喜嶋先生の静かな世界」。森博嗣さんの名前は映画「スカイ・クロラ」を観たときに知ってはいたが、著作を読んだことはなかった。が、読み

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40代のおっさんもハマる絵本 | 「いらないねこ」(著者:ヒグチユウコ)

40代のおっさんもハマる絵本 | 「いらないねこ」(著者:ヒグチユウコ)

ヒグチユウコさんの絵本を一度読むとその世界観と絵の可愛さの虜になってしまいます。そろそろ読んでない他の作品をと思って選んだのが「いらないねこ」。さっそく届いたその夜、4歳の娘に読み聞かせしたのですが、いつも読んでいる本よりも少し長めだったせいか、娘はいつのまにか寝てしまいました。そして、自分はそんな娘を放っておいて、最後まで読んでしまった次第です。

ぬいぐるみのニャンコが子猫を育てるわけですが、

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彼の存在感の秘密が垣間見える | 「ミニシミテ」(著者:田中泯)

彼の存在感の秘密が垣間見える | 「ミニシミテ」(著者:田中泯)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

本屋で平積みとなっている本の中でシンプルながら目立っているものがあって、何かと思って手を取ったのが田中泯さんの「ミニシミテ」であった。映像の中で圧倒的な存在感を出す俳優であること、世界的ダンサーであることは知っているぐらいで一体どんな人なのだろうかと気になって読んでみた次第である。

自分の目で観たものや考えていることを文章にすることが非常にうまい印象を受

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リアルで切実な経営者の記録がフィクションのように面白い | 「経営中毒 社長はつらい、だから楽しい」(著者:徳谷智史)

リアルで切実な経営者の記録がフィクションのように面白い | 「経営中毒 社長はつらい、だから楽しい」(著者:徳谷智史)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

SNSで紹介されているのを見てずっと気になっていたのが「経営中毒」。書店で見かけてすぐに購入して読み終えたのですが、いろいろ自分自身でも消化することも多々あり、投稿が遅くなってしまった…

経営に携わる人はもちろんのこと、ベンチャーを含む中小企業のマネージャー以上の方にも是非読んで欲しい本である。

「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」…どのフェー

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"休む"は現代人必須のスキル | 「休むヒント。」(著者:群像編集部)

"休む"は現代人必須のスキル | 「休むヒント。」(著者:群像編集部)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

自分自身は"休む"ことが大好きである。そもそも"休む"ことが嫌いな人は少ないと思いますが。自分は普段からいかに"休む"のかということを意識しているので、なるべく長い時間休めるように最短でやることや効率化等を意識している。そんな中、本屋で「休むヒント。」を見かけて、これは読むしかないと思った次第である。

今のご時世は“休む”ということも重要なスキルの一つと

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この物語に巡り合えたことに感謝 | 「spring」(著者:恩田陸)

この物語に巡り合えたことに感謝 | 「spring」(著者:恩田陸)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

恥ずかしながら今まで恩田陸さんの小説を読んだことがなかった。「蜜蜂と遠雷」とか気になる作品はあったのだが、ここまで評価されて売れていると今更読むのも・・・となぜか躊躇してしまっていた。だが「spring」は、娘に習わせたいと思っていた「バレエ」がテーマということもあって、すごく興味が惹かれた。そして、法事で石川へ行かないといけなくなったため、新幹線の中で読

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荒療治にはぴったり | 「老いと創造 朦朧人生相談」(著者:横尾忠則)

荒療治にはぴったり | 「老いと創造 朦朧人生相談」(著者:横尾忠則)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

定期的に本屋でぶらっと回って気になった本を買うのですが、表紙に書かれた"異次元なのに腑に落ちる唯一無二の人生相談!"が頭から離れずに選んだのが「老いと創造 朦朧人生相談」。家で早速読んでみるとあまりの面白さに一気に読んでしまった。

寄せられた人生相談に対して、回答をしていくだけのものなのですが、その考え方や言葉が斜め上を行くというかもはや異次元レベル。で

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電通の企業秘密が流出!?と思うぐらいの内容 | 「ビジネス会食 完全攻略マニュアル」(著者:yuuu)

電通の企業秘密が流出!?と思うぐらいの内容 | 「ビジネス会食 完全攻略マニュアル」(著者:yuuu)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

昔、電通で働く先輩に声をかけられて社内イベント(飲み会)の映像作成をお手伝いしたことがある。映像の性質上、部長やリーダーの方にも絡むことになったのだが、単なる社外の若造である自分に対する心遣いや配慮、丁寧さは想像を超えるものであり、今でも良い思い出として刻み込まれている。

本書はそのDNAの一部である「会食」について細部まで落とし込んでマニュアル化された

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このまま予想通りの展開になってしまうのか? | 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」2巻(著者:魚豊)

このまま予想通りの展開になってしまうのか? | 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」2巻(著者:魚豊)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

先日、noteで紹介した「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」の2巻が発売されたので、さっそく読んでみました。

前回記事はこちら

2巻は予想通りのような展開で進んでいきつつも、「現実でもあるなぁ」という箇所が随所にあり、考えさせられます。主人公である渡辺くんに対して決して感情移入はしているわけではないのに、痛々しい気持ちにさせられます。

この気

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「だれもが自分らしくマウントを取ることができる豊かな社会」を共に目指す | 「人生が整うマウンティング大全」(著者:マウンティングポリス)

「だれもが自分らしくマウントを取ることができる豊かな社会」を共に目指す | 「人生が整うマウンティング大全」(著者:マウンティングポリス)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

最初はSNSで紹介されているのを見たときはキワ物かと思って興味本位で読んでみたのだが、意外に真面目に「マウント」について語られていて、ビジネスはもちろん自己啓発にも示唆のある本であった。

「マウント」というと学歴マウントや海外マウントが主に想起されるが、想定以上のマウントがあって、知らず知らずのうちに自分もマウントを取っていたり、取られていたりする。その

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毒舌だが食に関わる人は必読の書、関わらない人が読んでも面白い | 「食の歴史」(著者:ジャック・アタリ 訳:林昌宏)

毒舌だが食に関わる人は必読の書、関わらない人が読んでも面白い | 「食の歴史」(著者:ジャック・アタリ 訳:林昌宏)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

以前から読もうと思いながらも敷居が高そうで敬遠していた「食の歴史」ですが、改めて食に関する本を多角的見ておきたくて読んでみました。で、あまりの面白さにびっくりするとともにもっと早く読まなかったことを後悔。

「食の歴史」というタイトルに相応しく、人の誕生から現代、そして未来に向けて歴史的な背景および動向を語ったもの。おいおいそんなところまで遡るのかいってい

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現代人必見の本の一つではないだろうか | 「愛するということ」(著者:エーリッヒ・フロム 訳:鈴木晶)

現代人必見の本の一つではないだろうか | 「愛するということ」(著者:エーリッヒ・フロム 訳:鈴木晶)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

BRUTUSで紹介されたり、SNSで取り上げられたりと複数の場所で見かけて気になっていた「愛するということ」を本屋で発見。帯に書かれた“読む者の人生経験が深まるにつれて、この本は真価を発揮すると思う。(谷川俊太郎)”、“愛するということを生まれながらに出来る人なんていない。(弘中綾香)”というコメントが決め手となって、購入しました。

「愛は技術である」と

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濃い内容が凝縮されているのにわかりやすい | 「東大教授が語り合う10の未来予測」(著者:瀧口友里奈 他)

濃い内容が凝縮されているのにわかりやすい | 「東大教授が語り合う10の未来予測」(著者:瀧口友里奈 他)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

予測系の本は今まで敬遠していたのだが、X(twitter)で本書が紹介されており気になっていたのが「東大教授が語り合う10の未来予測」。書店で見かけてざっと斜め読みしたところ、かなり面白そうだったので購入した。

東大の第一線で活躍する教授たちが語り合うということで最初はどうなってしまうのかと不安はあったのだが、読んでみると発散しそうで発散せず、関連分野を

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先の読めない面白さがたまらない | 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」(著者:魚豊)

先の読めない面白さがたまらない | 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」(著者:魚豊)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

noteでは漫画の投稿はあまりしていなかったのですが、久しぶりにおっと思う漫画に出会ったので紹介できればと思います。漫画は週刊誌で読むことはほとんどなく、基本的には書店に並んだものから気になったものを購入するのですが、見かけたときから異彩を放っていたのが「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」。

冒頭から現代の日本で働く人々の現実というのが生々しく描

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