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世界の終わり(SEKAI NO OWARI)「EARTH」

2010年にインディーズからの発売。世界の終わり名義としては唯一のアルバムで、バンド初のアルバム第1作目になる。今現在のセカオワ独自の世界観(イメージ)がまだ未完成のジグソーパズル状態だったイメージ。だが全体の曲の雰囲気のピースはすでに埋まっており、未完成のパズルでも十分満足できるアルバムである。
基本サウンドをメインで聴く自分だが、セカオワはどちらかというと歌詞をメインに聴いてしまう分類のアーティストだ。

メンバー
深瀬慧・・・ボーカル、ギター
中島真一・・・ギター
藤崎沙織・・・ピアノ
LOVE・・・DJ

収録曲
1.幻の命
2.虹色の戦争
3.インスタントラジオ
4.青い太陽
5.死の魔法
6.世界平和
7.白昼の夢

幻の命
作詞 深瀬慧
作曲 藤崎沙織
シングル曲。ちょっともの悲しそうなピアノのイントロから始まるポップソング。メロディ事態はSaoriが中学時代にあったものらしく、何パターンもアレンジがあったがアルバムに収録されたバージョンが決定稿となった模様。
生まれて来れなかった子供を親の目線で歌った曲。初っ端から重いテーマだが非常に考えさせられる。もしこの歌詞の子供が無事生まれて来れたなら間違いなく幸せな家族になったかもしれないだろう。

虹色の戦争
作詞・作曲 深瀬慧
スピーディーなバンドサウンドテイストの曲。後の作品でもよく歌われる「平和」がテーマの曲。だがセカオワの平和の歌は他で歌われているようなものとは趣旨が違う。人間たちは自分たちの平和を唱えるが、では虫達や花達などの生物や植物にとっての平和とは?と問いかけるように歌っている。

インスタントラジオ
作詞 深瀬慧
作曲 深瀬慧、中島真一
シングル「幻の命」のカップリング曲。popでcuteなセカオワMelodyで、ノリノリなメロディにギターサウンドがいちいちかっこいい曲。セカオワの曲の中では割と軽妙なイメージ。歌詞はおそらく僕らの音楽を聴いてみんな笑顔になってくれたいいのにという彼等なりの健気なメッセージソングだろうか。

青い太陽
作詞 深瀬慧
作曲 深瀬慧、中島真一
ピアノの伴奏と英語詞から始まるギターのフレーズが妙に印象に残るバンドサウンド。英語詞と日本語詞半々に歌われており、おそらく終末が近い世界における太陽の事を歌った曲だろうか。もしかしたらこの太陽というのは身近にいた存在の隠喩表現とも捉えられる。

死の魔法
作詞・作曲 深瀬慧
歌詞は誰しもにいずれ訪れる死を歌った曲でこの曲の様子から曲の主人公にとって大切な人にもうすぐ死が迫っていていままで通りじゃなくなる事に対する不安を歌っているのではないかと思う。そういう意味では「青い太陽」と少し似ているのかもしれない。

世界平和
作詞・作曲 深瀬慧
世界を平和にするために「それ」を行う、唱えようとする人たちを歌っている。「虹色の戦争」とほぼ同様のテーマで、こちらはサウンドがかなり不穏な雰囲気を醸し出しており、歌詞といい、世界平和という言葉のゲシュタルト崩壊っぷりが凄い。2番目のサビの「世界平和」の言い方と、最後の台詞「神様、人類を滅ぼしてください。」と「神様、私たちの世界に平和を」を被せてる部分が印象的。

白昼の夢
作詞・作曲 深瀬慧
ギターの素朴で哀愁漂音色と全体的に落ち着いたサウンドが心地いい曲で、特に間奏の何とも言えぬ空間が好き。部屋で一人ポツンとした状態で聴きたい。タイトルは白昼だが歌詞は夜の部屋のイメージ。歌詞は誰にも縛られない自分の部屋で好きなようにしている様子を歌っているのだろうか。最後の歌詞の「もうすぐ僕の部屋に太陽が来る」の部分の歌い方だけどこかガッカリしたような物言いな感じでこの曲は終わる。
このアルバムの中では個人的に一番好きな曲。


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