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初めての譲渡会(猫)④

過去の記事はこちらから。
初めての譲渡会①
初めての譲渡会②
初めての譲渡会③

「おかわりくん」は、いつ、どこで生まれたのかわかりません。
でも、2019年~2020年頃に生まれ、福島県の家で育てられました。
当時は「光一くん」と呼ばれていました。

当時の飼い主が高齢だったために飼えなくなったのか、多頭飼育崩壊があったのか、それはわかりませんが、事情により飼い主が保健所に「おかわりくん」を持ち込んだんだそうです。
保健所は、猫だけでなく、犬や鳥など、様々な動物を収容しています。
とくに病原菌対策などの処置はせず、一時預かり期間を経た後で、殺処分する施設です。
一時預かり期間中に、運よく里親が見つかれば、引き取ってもらうことができます。
保健所に持ち込まれた動物たちは、多くの場合、殺処分になると言われています。
つまり、「おかわりくん」は、飼い主の手によって、死の淵まで行ったということですね。

自分の愛猫を殺す。
そんなことが、できますか?

保健所で、どんな目にあっていたのか、どんな悪辣な環境だったのか、知る由もありません。
福島の保健所に連れてこられたのは8月19日。
あまり積極的に里親を探していない保健所なのか、一時預かり期間としては異例の短さの約2週間後、つまり8月31日には殺処分が決まっていました。
この期間、日に日に減っていく動物たちや、悲しい鳴き声を聞いたかもしれません。
人間に雑に扱われてしまったこともあるかもしれません。
猫には人間の3歳児くらいの知能があると言われています。
3歳児というと、物心つく年頃ですし、自立心も芽生える、人間の大人と同じ生活が送れるラインです。
つまり、そういった暗い記憶は、猫であっても心に深く傷を負うことは間違いないと考えられます。

「おかわりくん」はラッキーボーイです。
この時期に、たまたまこの保健所に来ていた保護主さんの「チーカワさん」と出会います。
チーカワさんは、「おかわりくん」を一目見て、

「(この子だったら、絶対に里親が見つかる…!)」

そう確信したそうです。

その場で「おかわりくん」を引き取り、チーカワさんと付き合いのある千葉県の保護動物シェルターにて保護されます。
実は、この時点で「おかわりくん」は右側の額(ひたい)に傷跡と脱毛症がありました。
また、奥歯も砕けていて、このまま放置するとそれこそ歯の病気になってしまうかもしれないとのことで、病院にて処置する運びとなりました。

右側の額(ひたい)に傷跡と脱毛症


大好きなチュールも、ご飯も、水も、口の脇からこぼしちゃう

シェルターでは、譲渡先が見つかるまでの一時引き取りに加え、積極的に譲渡会に参加したり、保護猫カフェという形で里親を探したりと、猫を救うためのいろいろな活動を行っています。

「おかわりくん」は、そのシェルターの猫ちゃんたち、ワンちゃんたちと、大型犬2匹(おそらくどちらもレトリバー)と暮らすことになりました。
シェルター内では、もちろん、猫ちゃん&ワンちゃんは全てケージに入れられています(猫同士の喧嘩を避けたり、いろいろ目的はあります)。
ただ、この大型犬2匹は、大きさ的にも、性格的にも、ケージに入れる必要が無いらしく、解放されていた子たちでした。
「おかわりくん」も、実は解放されていました。
体格、体重ともに重量級で大きかったことも要因として挙げられると思いますが、一番の要因は、この大型犬たちと仲良くできたおかげかなと思います。

不思議ですよね。
猫よりも、犬とのほうがウマが合うなんて。

大型犬2匹に囲まれても平気な「おかわりくん」

シェルターのオーナーさんが、とても気にかけてくれていたそうで、本当にありがたいなとつくづく思います。
チーカワさんと出会えたのが、本当にラッキー!
昔、サイコメトラーEIJIという漫画がありましたけど、その能力があったら「おかわりくん」の記憶を覗いてみたいです。
どんな過去があったのか…。

こうして、シェルターに入って、病院にも連れて行ってもらって、「おかわりくん」の現状の健康状態がわかるようになったのです。

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