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リタイアメント後、どうする?


ここ数年前から、
自分の行きつけスナックの飲み友だちが続々と定年退職を迎えている。


自分の仲が良い友人Tさんは幸い再雇用制度で
あと3年は働けると聞いていた。

それも去年退職になり、
「なにかやりたいことは?」と聞くと特に何もないという。

とても真面目で仕事熱心で人望も厚く優秀な管理職だった。

再雇用後は肩書きもなく日数も少ないパートのようなシフトで働いていた。

それでも仕事にでかければ、人との関わりがある。

退職する前に、何か趣味でも見つけておいた方がいいよ、
と冗談めかして話していたのだが、
Tさんは仕事以外の楽しみと言えばお酒を飲むことぐらいっだったのだ。


再雇用が終わり、いよいよ何もする事がなくなた。

週1くらいで飲みに行っていたのも足が遠のいていった。

家にこもる日々が続いた。

出歩くことが極端に少なくなり、時折一緒に飲みに出かける程度だ。

折しも大谷翔平くんがメジャーで活躍していて、
Tさんは毎日それは熱心に大谷君の試合を見ていた。

日によっては夜中2時からとか、朝の4時からでも
試合時間に合わせて生活していたようだ。


そんなTさんは、およそ1年半ほどなにもせず
大谷ウォッチの他にこれといった何かをするでもなく過ごしていた。

口癖は「もう働きたくない」だった。

そんな彼が突然仕事をすると言ったのだ。

なにが彼に起きたのか?どういう心境の変化なのか?

それはTさんにしか分からない事だが、
元職場関係の繋がりからたまたま好条件で仕事の依頼が回ってきたのだ。

端で見ても分かるほどTさんはとても意欲的になった。

今まで服装にも持ち物にもあまり関心がなかったのに、
仕事に行くからと自ら進んでバッグや服を買ったり、
「初めは断ったんだけどさ-」とか言いつつOB会の幹事を引き受けたり、よく喋るようになったりとそれこそ180度転換くらい変わったのだ。

自分から飲みに誘ったり、
会のまとめ役をしたりなど現役の頃にもなかった。


家で過ごしているうち、「外界と切れている」と感じたのだそうだ。

何日も誰とも喋らない日もあった。

何事もなくずっと平和でいられるが「孤独」だという。

この先まだあと何年何十年生きるか分からないが、
このままではダメだと思ったという。

人と話すことが面倒であっても何もないよりいいという。

そして出来事を共有できる友人や仲間が大事だ
と云うことに気づいたとも云っていた。


本当にそうだ。

80歳代まで生きるのが普通になった今、
リタイアメント後のプランは必要だと強く思った。

辞めてから考えるんじゃ遅いのだと思う。

やっと好きに使える時間があってもノープランでは萎える一方だ。

定年なんてまだまだ先などとは考えず、
社会人になったら何をする?と同じくらい、
リタイアメントしたら何をする?って
考えておくのもこれからは大切な事だと思った。

  

                       おわり


今日も読んでくれた方ありがとうございます。

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