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#0127 『夜と霧』フランクル流の心の自己防衛術

今日は5月3日に書いたフランクルの『夜と霧』についての続きになります。

『夜と霧』は、フランクルがナチスの強制収容所での体験をもとにして書いた著書であり、極限状態下での心理的な対処法などが書かれています。

今日は、その中で彼が紹介した「トリック」にフォーカスを当てます。

このトリックとは、自己の他者化であり、自らを客観的に観察することで苦難を相対化し、心の平静を保つものです。このトリックがどのような効果をもたらすのか、荒木博行さんのVoicyとともに探っていきます(1296文字)


○自己他者化:自分の感情を描写する

フランクルが明かした自己他者化の効用は、極限状態下での心の安定に寄与することです。

フランクルは、自己他者化を「トリック」といい、極限まで追い込まれている自分を「客観視」し、その様子を描写しながら、フランクルが演台の上で研究報告として講演している自分を想像すると、苦しい状況が相対化されて、学問という一段高いところから観察されると言っています。

現実の自分から浮遊させて、もう一人の自分を作る感覚。

このように、自分を他者化することが、自分の精神をプロテクトすることになります。 また、ある種の没入状態・執着から自分を救い出すという効用もあるのではないでしょうか。

感情に精神が支配されることがあるなか、脳が感情にハイジャックされることを回避するには、自分の感情を描写することが大事。

そういう意味では、noteは非常に有益なツールかもしれないですね。

○未来からの客観視点

辛い状況を未来から見ることは、希望や前向きな気持ちを持つ上で重要です。フランクルは、収容所での苦難を経験した後、その経験を未来から振り返り、成長と学びを得ました。

時間が経つにつれて、辛い出来事も笑い話になるかもしれません。この視点は、過去の自分が他人になるためだと思います。こうした想像を訓練することで、現在の辛い状況が永遠に続くものではないことを理解し、希望を持つことができるのではないかと思います。

○感情と論理的思考

感情と論理的思考のバランスは、健全な心の状態を保つ上で重要です。

フランクルは感情によって支配されることなく、自己他者化を通じて感情を客観的に観察しました。感情に没入することなく、自己を客観的に見つめることで、内省と成長が可能になります。

私たちは、論理的思考が大事と言っておきながら、めっちゃ感情で生きています笑

だからこそ、このバランスが人間の心を安定させ、成長へと導くのだと思いますし、お互いに気持ちよく過ごせる社会を作ることにも繋がっていくのではないかと思います。

○まとめ

『夜と霧』から学んだ、心の自己防衛術は、現実の辛い状況に立ち向かうための有力な手段であり、感情に没入しそうになる自分を救い出す手段でもあります。

自己他者化を通じて、感情を客観的に観察し、未来からの視点を持つことで、心の平静を保ち、成長することができます。

現代を生きる私たちとフランクルの生きた時代はくらべものにならないくらい違いますが、フランクルの残してくれた教えを活用し乗り越え、より良い未来を築いていきたいと思います。

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