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読書感想まとめ

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読後ほやほやの感想を書いたnoteをまとめたマガジンです。 評論でも批評でもなく、ただただ読み終わって感じたことを綴ったものです。 高尚な考察とかはあまり期待しないでください。
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記事一覧

『kotoba』と「Langaku」に出会った読書の秋

 図書館で新たな出会いを求めて、雑誌コーナーをぶらついていた時のこと、表紙に「ゆる言語学ラジオ」の文字が目に飛び込んできた。  飛び込んできたのはいいものの、それは最新号であったので借りられず、バックナンバーを探していたら良き出会いをしてしまったのが今回の事の経緯。  というわけで、今回は言語学というか、言語学に絞らず広くコトバを取り巻く環境を取り上げているらしい雑誌、『kotoba』2022年秋号の感想を書いていこうかと思う。  月刊誌かと思ったら季刊誌なのね。月刊でも

西尾維新の伝説シリーズに手を出した。(敬称略)

 『キドナプキディング』が発売されるというドキドキ情報からの、そういえば最近MONさんの美麗イラストが表紙になっているバージョンが発売されている伝説シリーズを読んでいなかったと思い至り、読み始めた次第。    図書館で燦然と輝く伝説シリーズ。存在はずっと認知していたけれど、1巻あたり500頁くらいあるものだから中々手を伸ばせないでいた。  とはいえ、MONさんの描く表紙に描かれるキャラクターが作中どう活躍するのか気になる。凄く気になる。タイトルが悲○伝で統一されてるのも相まっ

【感想】森見登美彦『四畳半神話大系』

 アニメも観た。けれど今回の感想は小説の方が主。  というのも、やっぱり森見登美彦作品は小説で読んでこそだよなぁと思うからだ。めくるめく四畳半を中心に送られる主人公の大学生活。蛾の大群の襲来とともに締めに向かい、欄干から落下した小津が入院し、次のループへ向かう……この流れが好き。  確かにアニメのように、別世界線が複数描かれ、最後の最後で繋がった四畳半世界から蛾の大群が吹き荒れるのも楽しいが、というか怪しげな妖気を垂れ流す占い師大好きなので沢山見れて嬉しいのだけれど。やっぱり

【感想】『同志少女よ、敵を撃て』

 『同志少女よ、敵を撃て』が超ホットな話題作だったのは少し前な気がするので、今この感想noteを書いているのは周回遅れを感じるのだけれど、しょうがない。図書館で予約していて、ようやく順番が回ってきたのだからしょうがない。  感想を結論からいうと、めっちゃ面白かった。早く文庫になって欲しい。出先で読みたい。そして出先で読むには単行本はちと大きいし、鞄のスペースを圧迫しすぎだから早く文庫出して。買うから!周回したいから持ち運びやすい文庫出して!  図書館のカウンターで受け取っ

『コーリング・ユー』永原皓 読後感想

 こんにちは、華染凪人です。  『コーリング・ユー』の読後ほやほや感想です。  ネタバレを含むので、最初の方はネタバレを避けている方のために、ネタバレにならない感想を書いていきますが、まず最初にいいたいことは面白かった!そして、海に行きたい!!  以下、感想はヰ世界情緒(カバー)とダズビー(カバー)と米津玄師(本家)の「海の幽霊」を聞きながら書いています。読み終わると、聞きたくなるんですよ、潮の香りがする曲が。  小さい頃にいった水族館のこっちをしげしげと眺めてくるイルカ

【感想】篠綾子『狐の眉刷毛‐小烏神社奇譚‐』ネタバレ有

 刀剣乱舞に一文字派がどんどん実装される前、私は源氏沼に沈んでいた。  現在絶賛発売中の刀剣乱舞無双には写しと本歌の関係の二振りがいるけれど、実は源氏沼の片割れ、髭切にも写しがいて、銘を小烏という。    そう、私がこの本を手に取ったのはタイトルに見事吊り上げられたから。だけど、読み終わった今だから言える。  これは源氏沼というよりも、小狐沼(小狐丸出てこないけど)と小烏丸沼(がっつり出てくる)、そしてアニメ平家物語で重盛ロスになっている人におすすめだと!  はい。というわ

森見登美彦『夜行』を読んだ

 貯まった楽天ポイントで本を買うのがマイブームな花染です。  最近話題の呪術廻戦の0巻を買おうとしたら在庫切れ。最近話題の小説を買おうかと思ったら単行本を買うにはポイントが足りない。  そこで過去の本屋大賞関連で(どうやら本屋大賞の受賞作や候補作が私は好きらしい)なにかないかと探していたら『夜行』に出会いました。  森見登美彦作品は、読んだことはなけれど見たことはあって。  いや正直にいうと、有頂天家族の最初の方だけちらっと読んだけど返却期限がきて返してしまったので、30

『晴れ、時々くらげを呼ぶ』読後感想

 こんにちは。華染凪人です。  最近、鯨井あめさんの『晴れ、時々くらげを呼ぶ』を読みました。  なので、今回はその感想です。  作者さんの年齢が割と近いという理由で手に取りました。  読み始めたうちはこれを同世代がっ……!という思いが脳内をちらつくのですが、終盤ともなれば、そんなことはどこかに吹っ飛ぶくらい熱中してよんでいました。  めっちゃよかった。次回作を今からお待ちしています。  図書館で借りたので一冊買おうかなと思う日々ですが、ソッカの美術解剖ノートを買う予定

『medium霊媒探偵城塚翡翠』の次に『姑獲鳥の夏』を読む奇跡が起きている件について

 おはようございます。  このnoteには相沢沙呼さんの『medium霊媒探偵城塚翡翠』の結末に関する若干のネタバレを含みます。  未読の方で、ネタバレを踏まないように気を付けているかたはお気を付けください。  私が『medium霊媒探偵城塚翡翠』と出会ったのは本当に偶然でした。その時私は引きこもるための本を探しに紀伊國屋に来ていて、ラノベではなく西尾維新の本がある方面に並んでいる棚から何か買おうとぶらぶらしている途中でした。  まず始めに美麗なイラストの表紙が目に入り、つ

京極夏彦の本を1と1/3冊読んだ

 京極夏彦の本を読もうと思ったきっかけは文豪ストレイドッグスだった。  いわずと知れている、実在する文豪をモデルにしたキャラクターがバトルする、大人気漫画である。  京極夏彦が登場するのは外伝の小説とそのコミカライズなので、本編には出ていない。多分(コミックはあまり買えてないのでもしかすると出ているかもしれない)。辻村ちゃんは劇場版に出てた。可愛かったので是非お勧め。  正直、外伝を読んだときはそこまで読もうとは思っていなかった。  外伝に登場するキャラクターだと綾辻行人が