見出し画像

「VCRGTA」で見たハイタニさんのおもしろさと格ゲー界隈とストリーマーについて

「俺はボイチャの範囲を広げないことで自分を守るという選択をするぜ」

「VCRGTA」より

この言葉は昨日始まった「VCRGTA」で格闘ゲーマーのハイタニさんが車に轢かれ死の寸前で放ったフレーズである。

毎回大体見る人は決まっていて、釈迦さん、ロレ、k4senさん、とろろちゃん、かるび、ハセシン、恭ちゃん、とかを見ているのだけど、前回のARKでハイタニさんがでっけえ亀と戦っていて「画面端」というオープンワールドでは絶対使わないワードが聞こえたときに、この人めちゃめちゃおもしろいかもしれないと思い、今回見たら毎秒おもしろすぎて結局最後まで見てしまった。あまりにもストリーマーが持つべき資質のようなものを持ちすぎているので、noteに書いていこうと思う。ちなみに僕はスト6初心者でプラチナ1くらいです。格ゲーマーがおもしろすぎるのは知っていたので、格ゲーマー人狼とか、おじリーグ、とかを普段は見まくっていて、ストリートファイターという「ゲーム」より、格闘ゲーマーという「人間」の方に多少知識があります。


馴染む立川、立ち尽くすハイタニ

僕がハイタニさんの配信を見た時、ハイタニさんは地面に顔をこすり付けるように匍匐前進の体勢をとっていて、30m先にいる若者達の会話を盗み聞きしていた。
ぷるるちゃんの声だけが聞こえていて、話し掛けたいのだがどれがぷるるちゃんかは分からないという状態だった。どうしようか悩んでいる間に目の前を誰よりも目立つピンクの恐竜が通過していくんだけど、それがぷるるちゃんであったことにハイタニさんは気付く由もなかった。

それから少しずつ若者の集団に近い付いていき5m前までたどり着くことができたのだが、そこで立ち止まってしまう。同期と盛り上がっている時に「話しかけられ待ち」をしている上司そのものだった。コメント欄が「話しかけるんだ!」「いけいけ」とか好きな男子を目の前にした時の女子の友達がやる応援スタンスなのがおもしろかった。集団の中から「立川さん連絡先交換しましょうよ!」と聞こえ固まるハイタニさん。目の前で馴染んでいる後輩を横目にその場を立ち去りゆっくりとどこかへと歩いている最中も、遠くから立川さんの笑い声が聞こえてくる。切なすぎて爆笑した。
「あの野郎馴染みやがって」とかボヤいている間にあばだんごさんと遭遇。やっと話せる相手がきたと盛り上がるコメント欄。会話が開始して30秒くらいのところで、とんでもないスピードを出した車に轢かれ高架下みたいなところに吹き飛ばされる。「立川に轢かれた」となんの根拠もなく断定。
その後あばだんごさんはボイチャで助けを求め救助される。「俺はボイチャの範囲を広げないことで自分を守るという選択をするぜ」と発言し、死ぬ直前のところでしゃるさんが救助してくれてなんとか一命を取りとめる。

ボブ兄との出会い、そして闇バイトへ

病院の前に人が集まっていたので話しかけようとすると、BobSappAim君が「仕事があるんですけどどうですか?」と声をかけてくれ彼の車に乗るハイタニさん。
車中で話を聞いていくと、強盗をするので人質役をしてほしいという完全なる闇バイトで、突然悪の道を進むことになってしまう。「お兄さんは普段からこうゆうことをされているんですか?」とBobSappAim君をお兄さんと呼ぶのがなんかおもしろかったし、やり取りが本当に闇バイトに巻き込まれていく人だったのもよかった。最終的にハイタニさんは「ボブ兄」と呼ぶことになる。

人質役を全うしている時に駆け付けた警察がしんじさん、おぼさん、というハイタニさんとは面識がありすぎるコンビ。コメント欄も盛り上がる。しんじさんがその後、車屋さんまで連れてってくれてハチロクのような車を買う。ここでもひと悶着あっておもろかった。

「木こり」と「ストリーマー」という職業について

その後仕事に就こうということでハロワへと向かう。そこにも若者の集団がいて小声になるハイタニさん。集団を見つけた瞬間に毎回その場で立ち尽くしてしまう。自分の学生時代とかを思い出して胸がギュッとなる。「絶妙な間合い管理」って言われてて笑った。
周りに人がいると毎回小声になりリスナーに話しかけるのがめっちゃおもろくて、リスナー達も「俺達に聞かないで目の前の人に聞いてください」とコメントで返してんの最高だった。「聞かないでください」ってコメント初めてみた。「もう勇気だして自分で聞いてみたら?」って仕事で悩んでる友達とかに電話口とかで言うやつだから。

輪の外で立ち尽くして情報だけ盗ろうとしていると、アキロゼさんが話しかけてくれる。色々会話している最中に別の男の子がアキロゼさんに話しかけ、ハイタニさんが蚊帳の外になる。自分との話が終わったのかどうか分からないけど、ひとまずここにまだいたほうが無難かな?みたいな感じで絶妙な表情をしながら固まってしまうハイタニさん。
とにかくハイタニさんの配信は日常生活の中にある微妙な人間関係の全てがぶち込まれているのがマジでおもしろい。

ただアキロゼさんがマジで流石でその後のフォローも完璧で、自然な連作先の交換までしてくれた。こりゃ売れるわって感じだった。ウメさんも前に言っていてたけど、売れている配信者程、マジで人間がちゃんとしている。こういったスト鯖みたいなのはなにをしてもいいからこそ、人間性みたいなのが画面越しにバレちゃう。ここから売れた人は全員人間ができている。そう考えるとハイタニさんの配信に7000人近くが集まるのも納得。だってめっちゃいい人だから。

前ステと画面端

「木こり」という職業を選ぶと、そこに釈迦、かるび、ふぁん太さんが登場。うわ~ガチガチの三人だな~って俺は思った。本気の人達だわ~って感じ。釈迦さんはもちろん、かるびちゃん、ふぁん太さんは、スト鯖で伝説を作って来た人達でその成り上がりを見てたから、その二人が釈迦さんと行動してるのは結構感動した。
釈迦ちが「あハイタニさん」と声をかけてくれ、少し会話をする。ハイタニさんがいいのは、周囲の特に格ゲーやってる人達からの「すごい人」っていう視線にあんまピンと来てないってところだ。向こうから「逆に誘ったら失礼かも」っていう空気がある。途中ありけんさんとかにもあったけど、リスペクト強くてあんまガンガン来ない感じだった。だからこそハイタニさんはレオ君ばりにゲージを使い切る勢いでラッシュラッシュ前ステ前ステのコミュニケーションを取らなければいけないのに、自ら画面端を背負うから状況がどんどん狂っていく。それがめっちゃおもろい。
そこでも分からないことがあり、リスナー達に小声で質問すると「釈迦さんに聞いてみたら?」とか「混ざって!」とか言われてた。それを一切無視して「どうゆうことなんだろ?ねえ、どうゆうことだと思う?」を繰り返すハイタニさん。

釈迦一行がハイタニさんのハチロクの隣でタクシーを呼んでいるのが見える。「乗せてってあげなよ」というコメントで溢れかえる。ゆっくり近づき無言で車に乗ろうとすると、かるびちゃんが「乗せてってもらう?」と話しかけてくれる。しかしハチロクは二人乗りで乗車不能、そこから会話が盛り上がりそうなところで「じゃまた!」と言って、時速20キロで去っていくハイタニさん。赤信号で止まって「ふ~~~」って言ってた。

立川との再開、ビッグモーターよろしく

ハイタニさんが車の運転を現実と同じようにしているのマジでやばかった。でも無限に左車線走ってた。
「木こり」の仕事をしようと80キロ先の森に車で移動しているとき、リアルに二日くらいかかって途中で車中泊の配信とかもあるんじゃないかなってくらい安全運転で笑った。「前の車遅いよ~」って怒りながら適切な車間距離取ってて爆笑しました。
その後、森で立川さんに再開して水を売られるんだけど、その時のハイタニさんのいつも以上に返しが強い感じとかにちょっと感動。地元に帰って来た感じあったし、実際嬉しそうだった。
木の切り方が分からず「最初は木こりも斧やチェーンソーを使わず、ここから始めたんだ」って木を蹴りはじめてやばかった。
その後街路樹を切ろうとしてビッグモーターよろしくになったり、車の修理時に同期するために修理する側が一度車を蹴らなくてはいけなくなり、本当のビッグモーターを目撃したり、叶さんに「その車どうしたんですか?」って盗難を疑われちゃんと購入したことを説明しているのに片手にずっと拳銃持ってたりと毎秒おもしろかった。

「フランス映画」と格ゲー界隈について

俺が一番爆笑したのは、ブラックマーケットに行った際、誰もいない夜の荒野に車を止めてハイタニさんがトイレに行っているあいだ、コメント欄で「フランス映画かよ」って流れてきて多分視聴者全員が爆笑した。
自分はずっとFPS畑の人達の配信を見てきたから、格ゲー界隈の人達のコメントの質感を初めて見た時とても驚いた記憶がある。年齢層もあるんだろうけど、とにかくみんなちゃんとしているしなによりも優しい。そしておもろい。ウメさんが地球防衛軍やるときとかもそうだけど、格ゲー界隈の人達って普通に部屋のパスワードを配信にのせてるけど、他の界隈だとそれはマジであり得ないことで、100%視聴者が入ってきてしまう。パスワードを平気で見せることができるのは、視聴者のリテラシーが高い証だ。

ちょっと格ゲー界隈の話になっちゃうけど、ウメさん、こくさん、とかあそこら辺の人達って人として「おもろいかどうか」ってことをかなり厳しく見ている節がある。ウメさんも人間がちゃんとしてなきゃ売れないし(人間がちゃんとしているかどうかっておもろいかどうかと直結している)、プレーを見ただけでその人の人間性が分かると言っていた。だからときどさんは強いだけじゃない魅力で溢れていてある意味奇跡の人でもあると思う(ときどさんが悩んでいる時に、ウメさんがときどなら主人公になれると思って、ストリートファイターをやっているときどさんに対して「ストリートファイターをやりなよ」ってアドバイスした話深すぎて最高)。

だから若手はめっちゃ大変だと思う。おもろいかどうかをめっちゃ見られてるからそこの意識が他の界隈より強くて、結果的に格ゲー界隈って会話のやり取りとかがすごい芸人っぽいなと思う。普通の会話の中にも常に「ウケた/スベッた」みたいな正解不正解が明確にある。
スト6が流行ったのって最初のCRカップだと思うけど、その中でコーチをやった人達とか格ゲー界隈の人達がいい奴でおもろかったってのがマジでデカいと思う。
「誰かがプレーしていてそれを見ている人がいる」っていうゲーム配信のフォーマットって、ゲーセンの格ゲーそのもので、格ゲー界隈の人達はオフラインの絆もあるから横の強さを見せたときどこの界隈も敵わないと思う。
なによりも頂点に梅原大吾がいるってやっぱり素晴らしい。あの人はずっと前からこの景色が見えてたんだなって思う。

ゲーム実況ってドキュメンタリー

ハイタニさんの配信はドキュメンタリーのおもしろさに近いと思う。ハイタニさんという人間を全員が見てる。それは「ゲーム配信」というものの本質そのものだと思う。この人がどの択を取ってなにを捨てるのか、なぜそれをしたのか、その全てがハイタニさんはおもろい。毎回律義に車を路肩に止めたり、画面内のキャラクターが水を飲むとき無意識に必ず自分も水を飲んでたり。本当に最高だと思う。今日からも楽しみね。

↑ハイタニさんのチャンネル↑

↑以前書いたもの↑

↑僕のチャンネルです。芸人です。スト6初心者でプラ1とかなのでよかったら教えてください!

※ドイーラへ。ライターの仕事させてください🙇‍♂️



落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。