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小淵へのよくある質問まとめ

この記事では、2年とちょっとの間、Twitterやブログで投資に関することを発信してきた中で、私がよく受けた質問とその回答をまとめています。

何か聞きたいことがあればTwitterやマシュマロでいつでも受け付けています。(すべてに明確にお答えできるとは約束できませんが、それでもよければどうぞ)

1.なぜ投資信託ではなくETFのVTIに投資しているんですか?

私は今、投資信託とETF、両方でVTIに投資しています。

95%がETFのVTIです

投資信託は、つみたてNISAで毎月定額を買付し(定期定額)、ETFの方は、余裕資金がある程度貯まったとき不定期でスポット買いしています(不定期不定額)。保有比率は圧倒的にETFの方が大きいです。

投資を初めたときになんとなくこのスタイルにし、それをそのまま継続しているだけで、ETFを買うことに強いこだわりがあるわけではありません。いずれスポット買いを投資信託にしてもいいと思っています。

ですのでご質問の答えは「特に理由はありません」です。

――一般的に、投資対象が同じ指数であれば、投資信託でもETFでも、パフォーマンスに大差ありません。(投資信託のコストには気をつけなければいけませんが)

どちらにすべきかと問われれば、「どっちでもいい。あえて言えば運用のしやすさの観点で投資信託の方が便利だろう」と答えます。

信託報酬は、「楽天VTI」は0.162%、「ETFのVTI」は0.030%です。投資信託の方は信託報酬がやや高い代わりに、分配金をファンド内部で再投資してくれたり、100円単位で投資に回したりできるなど、運用上のメリットがあります。

この点から、普通の個人投資家は、投資信託でいいと思います。

いっぽうETFは、指値注文できたり市場開場時に好きなタイミングで売買できたりします。しかし資産形成を目的とするならこの点はさほどメリットとはいえません。売買タイミングを見計って買付時期をずらすことは、パフォーマンスを下げることになりかねないからです。

実際、私はETFのVTIを買うとき、成行注文しかしません。

また、ETFのほうは毎年確定申告で外国税額控除をやって、2国で二重に課税された税金の一部を取り返す作業が発生します。

補足)この行為は必須ではありません。税金を取り返す権利を行使するかどうかは任意です。投資家の判断で棄権することもできます。なお、投資信託は二重課税調整制度があるため、外国税額控除の申請行為が不要です。

以上の点から、運用しやすさの観点で投資信託に軍配が上がると思います。

それでも私がVTIに投資し続ける理由は、「なんとなく」です。無理やり理由を絞り出すとすれば、Vanguard社に支払うのはいいが証券会社に信託報酬を支払いたくないから、という思いと、買付手数料が無料だからお得感がある、という安直な考えがあるからです。

補足)VTIは今(本記事投稿時)、主要なネット証券で買付手数料無料キャンペーンをやっています。私はこれまでETFのVTIを1,350万円ほど買っており、買付手数料としてだいたい40,000円くらいが節約できています。
買付手数料無料 海外ETF | 海外ETF | 外国株式・海外ETF | 楽天証券
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2.VTでもVOOでもなくVTIを選んだ理由はなんですか?

全世界株式でもS&P500でもなくなぜ全米株式インデックスを選んだか? ということですね。それは、資産形成を勉強した初めの段階でこの本に出会ったからです。

私が投資を始めるにあたって(正確には再開)、全米のすべての株を持つというアイディアを得たのがこの本です。

これがVTでもVOOでもなくVTIを選んだ理由のほぼすべてです。消極的な判断ですみません。

しかしその判断は間違っていなかったと今では思っています。

現代の投資環境で、個人投資家が取りうるもっとも効率の良い(シャープ・レシオのよ良い)投資手法は、全世界株式インデックスをただ持つことですが、全米株式インデックスファンドでもほぼ同じ効果が得られます。

補足)全世界株式と全米株式の両インデックスの相関係数は0.97くらいと、ほとんど同じように値動きするため。

VTIで私の資産形成がスタートしたことと、全世界株式インデックスに投資するのとの差が軽微であることから、今でもVTI(全米)への投資を続けているというわけです。

補足)また、これは個人的な理由なので他の投資家の参考にはなりませんが、私が全米に絞っているのは、全世界株式インデックスの中に、感情的に「投資したくない国」がいくつか含まれているからです。経済合理的な判断ではないので良くはないですが、感情のことなのでしかたありません。

3.一括投資と時間分散購入(ドルコスト平均法など)、どちらがいいですか?

一括投資です。

資金をリスク資産の状態でできるだけ長く保有することが、市場成長の恩恵をより多く受けることになります。

投資できる資金がありながらすぐにそれをせず、リスク資産を買うタイミングを先延ばしにするドルコスト平均法などのいわゆる「時間分散投資」は、一括投資に比べて劣る結果になる可能性が高いです。

一度に資金を投入する"怖さ"を回避するのは、買付タイミングを意図的にずらずことではなく、資産配分(自身のリスク許容度に合わせて、資金を無リスク資産とリスク資産に分けてリスクを管理する)で行うべきです。

こちらの記事も参考にご覧になってください。

4.VTIをどのタイミングで買えばいいかわかりません!  高くて買えません!

「タイミングがわかりません」

1つ前の質問と重複しますが、合理的な行動は、余裕資金があるなら常にそのとき買う、です。株価は気にしません。常に「今買う」です。

とはいえお気持ちもわからなくないです。

想像するに、「買った後に下がったらどうしよう。高いところで買ってしまうのは損だ」などと考えているのではないでしょうか。

どんな銘柄もファンドも、価格の推移を事前に予測することはできません。

将来の株価を予測することで市場平均を越えようと頑張っている投資家の多くが、プロ・アマ関係なく、市場平均に負けています。つまり、下落を避けようとか、低い所で買おうとする行為が、投資のパフォーマンスを下げるのです。

これに対抗する優れた戦略は、単純に「タイミングを読まずに買う」「価格を気にせず買う」ということです。(パッシブ運用とはそういうものです)

給料が入るたびでも思い出したときでもいいです。定期定額でも不定期不定額でもなんでもいいです。いつもその時の株価を気にせず買うと、あるときは安く買えて、あるときは高く買ってしまうことになります。

長期投資なら、購入回数が生涯で何十回、何百回にのぼるはずです。すると、安く買えた回数と高く買った回数は平均化されていきます。(そんな分類すら私は意味がないと思っていますが)

結局、ちょうどいい価格で毎回買ったこととほとんど同じになるわけです。厳密に正しい説明とは言えませんが、まあそう考えて差し支えないでしょう。

このように、市場平均をトレースする方法は、実はお手軽で、貴重な自分の時間や脳ミソのリソースを浪費せずに済むのです。

「高くて買えません」

過去を気にし過ぎです。

おそらく、過去のどこかの時点の株価だったり、自分が購入したときの株価だったり、平均取得単価に対して「高い」とお思いなのではないでしょうか。

株式投資において、過去の価格と比べることに意味はありません。あなたが見た過去の価格と、これから投じようとするお金との間には何ら関係がありません。

そりゃあ、過去に安く買えものは、これから先多くの投資パフォーマンスをもたらしてくれるでしょう。でもそれは、(株価が高くなった今)あなたがこれから投資に回そうとしているお金とは別の話です。

人間は、過去に見た数字にとらわれすぎる傾向があります(「アンカリング効果」等でググってみてください)。そうではなく、これから先、未来のことを考えなければいけないのです。常に「今と未来」を比較して投資判断するべきです。

そう考えると、「高すぎる」という感想が出ることが、過去を気にし過ぎているせいだということに気づくと思います。

過去は過去。未来を見ましょう。これから先、値上がりしていくと思うから買うんでしょう? 値上がりを期待している投資先が、自分に都合よくいっときだけ下落してほしいと願うなんて、自分の中で矛盾が起こっていませんか。

5.VTIを買うとき円貨決済していますか? ドル決済していますか?

私は常に円貨決済です。

円高をねらってドルを事前に購入しておいたり、為替交換手数料(スプレッド)を安くあげるためにスプレッドが安価な証券会社を厳選するなど、こだわってやっている方もいらっしゃるようです。

うまくいけばいいのですが、株価と同様に為替も、投資家の思うようには動いてくれません。

私は為替を読むことはできませんし、スプレッドにこだわるのも面倒なので、いつも楽天証券で円貨決済です。(スプレッドについては、それでパフォーマンスがわずかに下がるかもしれませんが、利便性優先であきらめています)

為替レートのいいタイミングをねらうために資金を温存しておくほうがもったいないと考えます。

6.VTIのように米国市場のETFを買い付けてドル運用するのと、オルカンなど国内の投資信託で円で運用、どちらがいいですか?

質問の後半部分について、もし「"為替リスクを負いたくないから"国内の投資信託を利用」しようとしているなら、決定的に間違っています。

日本国籍の投資信託でも、投資先が海外の株式なら、あなたの資産は為替の影響を受けます。

こちらの記事も参考にしてください。

単に、ETFと投資信託どちらがいいか知りたいということでしたら、質問1.をご覧ください。

7.株式市場のほとんどをインデックス投資が占めるようになったらどうなりますか?

こちらの記事にまとめました。

8.株式クラスだけでなく債券クラスも持つべきではないですか?

改めてnoteで記事を書いて回答に代えたいと思います。

私の考えとしては、基本的に資産配分のリスク試算は株式クラスだけでいいと思います。

ここに債券クラスを追加しようとしても、

  • シャープ・レシオが改善する比率を見つけるのが難しい

  • 見つけたとしてもシャープ・レシオが劇的には上がらない

  • リバランスが面倒・難しくなる(運用上の手間・懸念事項が増える)

といった点から、保有するデメリットがメリットを上回ると思います。

無リスク資産として、現金の代わりに自国の個人向け国債などを持つのはいいと思います。

9.出口戦略をどう考えていますか? 取り崩すのに抵抗はないですか?

我が家では出口戦略について何か計画だとかポリシーだとか、明確なものは策定していません。お金が必要になったときに売る。それだけです。

今は妻も私も会社員として働いており、生活費も投資への入金も2人の給与からまかなえています。早期引退予定も今のところはなく、会社員でいられるかぎりは「お金が必要になる」場面はおとずれそうにありません。

※たまの贅沢や散財をするお金は、投資に回さずに貯めることで工面しています。

「お金が必要になる」のは我が家では、労働をやめて収入がなくなったときや、大病、加害事故の賠償金、なんらかのトラブル、といったところでしょうか。

「取り崩す抵抗」は私はまったくありません。むしろ取り崩すためにVTIを買っています。

こちらの記事も参考にしてみてください。

10.一部の銘柄や投資信託はインカムゲインがなく、複利の力が効いているのか不安です。

複利の力とは、元金だけでなく利息部分にも利息がつくという意味です。

個別銘柄でも株式インデックスファンドでも、保有しているだけで複利の力の恩恵は受けられます。

含み益を利確して再度購入したり、高配当投資に傾倒したりする必要はありません。

インカムゲインを再投資することは複利の力を得る方法の一つですが、それが唯一の方法ではありません。

こちらの記事を参考にしてみてください。(旧ブログ、外部サイト)

11.保有しているインデックスファンドに含み益が出ています。このまま持っていても複利の力が働かないので、一旦売ってすぐ同じファンドを買い直すべきですよね?

質問10.同様、これもよくある勘違いです。

複利の力とは、「売却&再購入」だけで実現するものではありません。ただ持っていればいいんです。

こちらの記事をご覧ください。(旧ブログ、外部サイト)

12.VTI以外に投資する予定のものはありますか?

ありません。

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