私はお金に強欲だからインデックス投資をしています
かなり前ですが、Twitterで私と相互フォローのとある方が、こんなツイートをされていました。
とても深い含蓄を感じる一文です。そこで私は引用リツイートでこう言いました。
この思いは今も変わっていません。自分は誰よりもお金に貪欲だと思うから、アクティブな運用をせず、パッシブな運用(インデックス投資)だけをやっています。
パッシブな運用は弱いのか
Twitterでは時折、こんな意見を目にします。
インデックス投資家は、高いリターンを追求することをやめて、数%程度のリターンで"妥協"している。
アクティブな運用をするのが投資家としては望ましい姿で、パッシブな運用は、アクティブな運用ができない人(諦めた人)が採用する投資スタイルだ。
などなど。
(ほとんどのアクティブな投資家は、インデックス投資の強さをわかった上でやっていると思います。しかし、上記のような発言をするアクティブ運用投資家もまだいらっしゃいます。彼ら/彼女らはそれがまだ理解できていないようです)
そして、このような発言をする人は、残らず「生き残った投資家」です。あまり参考にはなりません。
味覚と投資は違う
グループで外食に行ってみんなが同じものを食べる場面を思い浮かべてみてください。
ほとんどが美味しいと言っているのに、誰か一人が「まずい」と言うと、美味しいと言った人の味覚が間違っているような"微妙な空気"が流れる。そんな経験ありませんか。
この場合、美味しいという感覚もまずいという感覚も、どちらも間違っていないのだと思います。一人ひとり味覚の経験値や好み、何と比較して味の優劣を評価しているか、など判断基準が異なりますから。
しかし投資の世界は違います。
アクティブ運用とパッシブ運用のどちらが優秀かは、個人の感覚や直感に基づいた判断基準を持ち出すより、歴史的事実や確立された理論がありますのでそれを用いて考えるのが望ましいと思います。
市場平均の強さ
ここで繰り返すまでもなく、市場平均に連動するパッシブな運用をする投資家の成績は、投資期間が長くなればなるほど、多くのアクティブ運用投資家を上回ります。
SPIVAなどで確認すれば一目瞭然です。歴史的事実として、10年間で、パッシブ運用している投資家の成績を上回れたアクティブ投資家は17%に過ぎません。
この傾向は、どの地域でもどの時代でもさほど変わりません。
世界に投資家が100人しかいないとすれば、パッシブ運用しているだけで、10年後には第18位の成績になるのです。(厳密な説明ではないですがまあそう理解して問題ないでしょう)
20年後には第10位、30年後には第6位くらいでしょうか? (手元にデータが無いので類推ですがまあそんなところでしょう)
インデックス投資は攻めの投資?
私は強欲なので、そこを目指しています。上位数%の投資家にランクインすることを目指すスタイルが「妥協」だとは言えないと思います。むしろ「攻めの投資」と言っていいと思います。
もちろん、アクティブ運用をやってさらに上を目指すことも可能です。しかし、下位の大多数の投資家に甘んじる可能性をはらんでもいます。それが「投資家の望ましい姿」であるとは、確定的には言えないと思います。
確実に上位数%にランクインする攻めの投資をするか、1位から100位のどこになるかわからない不確実な投資をするか。そこを考えて自分の投資スタイルを決めるのが、誰にとってもいいと思います。
特に投資の駆け出しの人は、多少儲けが出ていると、自信過剰におちいりやすいです。
最初の5年が市場平均に勝っていても、次の5年が勝てるかはわかりません。アクティブな運用で儲けが出ている人は、市場平均をアウトパフォームしている今こそ、パッシブな運用にシフトするときかもしれません。
市場平均をアウトパフォームした状態でパッシブに転向すれば、生涯にわたって市場平均をアウトパフォームすることになります。かなり優秀な投資家です。
アクティブな運用で市場平均をアンダーパフォームしている投資家は、それこそパッシブな運用にシフトするのがいいと思います。多少スタートラインが後ろに下がっただけです。
「振り出しに戻る」のマスが多いすごろくはもうやめて、「振り出しに戻る」のマスが少ないすごろくをやり直しましょう。
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