起承転結やサンドイッチ構文etcの、型を使わないで書くメリット
先日の文章ワークショップで「おすすめの文章の型とかはありますか?」と言われ、詰まってしまう場面があった。
多くの学校が起承転結を文章の基本形と教えており、文章本などでは「サンドイッチ型が説得力がある」と教えているものが多い。どこかのブログセミナーでは「まず最初に結論を明示しましょう」と言っていた。
自分がやっている文章教室では、こうした型は一切ない。
自分が書きたいと思った出来事やテーマから書き出して、自分の内面にグーっと深くアクセスしていく書き方を推奨している。
起承転結のように型を決めて書く文章というのは例えると、決められたコースを走るマラソンのようなものだ。次に何を書けばいいか、ラストはどうなるかある程度わかった状態で走ることになる。
一方自分がお伝えしている型のない書き方は例えると、パラシュートを背負って高いところから大空に飛び出すような書き方である。自分でもどこに着地するか最後までわからない分、書いているうちに書き手にとって本当のテーマが浮かび上がってくることが多い。
私自身、以前発信した作品について「仁美ちゃんは、家族のことを書きたかったんだね」と他人に指摘されて初めて、自分が本当に描きたかったテーマに気づけたことがある。
文章を書くとき、幸せな体験や日常のありふれた話について書くのは難しいと言われている。一歩間違えれば自慢話になってしまうし、そもそも人は他人にそこまで興味がないものだ。
だが本当に自分が書きたいテーマが日常だったり自分の幸せだったり、読者にはあまり受けないとされるテーマだったとしても、本当に書きたいテーマなら気にせず書き始めてみれば良いと思う。
物語は「もの」を語らせてやると成仏すると言われている。暗すぎる話でも明るすぎる話でも、書き手の中に書きたいという強い想いがあるなら、きっと何か大切な意味があるのである。
書きたかったことを書くというのはある意味、長距離水泳にも近い。
テーマが自分にとって大事なものであればあるほど、その波は激しい。何度も漂流しそうになりながらも最後まで泳ぎ切って穏やかな岸辺に流れ着くと、不思議と心に凪が起こるのである。
よく自分の講座に参加してくださった方からは「たしかに文章教室ではあるけど、文章教室ではない」と言われる。
私が本当にしたいのは文章の型や文法をお伝えすることではなく、なかったことにしてきた物語を成仏するお手伝い・・のようなことなのかもしれない。
当初入れる予定はなかったのですが急遽入れました。いちおう文章教室ですので・・
自分にとって本当のテーマが浮かび上がってくる文章教室はこちら。
おかげさまで残1席となりました。今週5月4日締切です。
まずはどんなんか知りたい、という方は入門編も毎月やっています。
5月は28日(火)、6月は2日(日)に開催予定です。
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最後までお読みくださりありがとうございます。
今日もすてきな1日をお過ごしください。