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ココナラで2年間音楽制作請負をやってみて感じたこと

Epic Vanguardとしてアーティスト活動をする傍ら、他の方から依頼を受けての音楽制作・楽曲提供もしています。

受け方は自分の公式サイトから直請もあれば、他者や企業からの紹介もあるんですが、ココナラでも受け付けています。

アカウントを作ったのが確か2022年の1月頃だったと思うんで、大体2年くらいになり、その間で5件ほど依頼を受けて全て納品完了しています。その甲斐あってか、ココナラでも上から2番目のゴールドランクになりました。

黄金聖闘士の証、ゴールドランク

やってみて色々気づいたことや感じたことがあるんで、「音楽の仕事受けたいな〜」と思ってこれを見てる誰かの役に立てばいいなと思い、記事にしてみます。

結論、「やるなら仕事だと思ってちゃんとやろう」です。


仕事はそうそう来ない

ポートフォリオやプロフィールはしっかり書く

まず、アカウント開けただけでは全く依頼なんて来ません。依頼主が辿り着くルートは基本的にココナラ内の検索が主で、ここの上位に表示されるかどうか、または検索された中で目を引く要素があるか、が大事っぽいです。

そこで最初に僕がやったのはプロフィールとポートフォリオをちゃんと書く、出す、でした。

作曲系だとアイコンがMIDIキーボードか何かの機材を写していて適当さを感じる、どんな人なのか分からない、金額だけやたら安い、といったアカウントが多かったので、まずこれらに埋もれないために最初からしっかり書き、元々顔出しして活動してるので、普段使ってるアーティスト写真をプロフィールに載せました。

また、ポートフォリオも自分のソロ作、VMLやAudiostockで出していた楽曲の中から聴きやすいものを中心に選び、出来るだけ多く載せました。(そして新しいものが出来るたびに更新してます)

これだけだと「自分のページに辿り着いてもらう」は解決できてませんが「見てもらえたらちゃんと情報は伝わって安心感は持ってもらえる」ことを主軸に充実化を図りました。

後は信頼感醸成という点では本人確認書類提出も大事だと思います。
(おそらく、プロフィール情報が充実してるかどうかがココナラ内検索に出る要素の1つになっていると思われ)

これだけ色々書いて、初めて依頼が来たのは開設後4ヶ月目あたりでした。

値段は安いほうがいいのか問題

初めての場合はサービスの値付けに悩むと思うんですが、僕の持論としては「安く出さない」です。

例えば3000円で1曲作ります、だともし作った曲がイメージと違った、と依頼主に判断された場合、「直してもらうのもめんどくさいし、もうこれで納品してもらって他で頼み直すか。3000円ならそんなに痛くないし」と思わせてしまう、要するに軽く見られてしまうことが考えられます。

それでも支払ってもらえさえすればお金はもらえますが、そんな儲け方してもいいこと何もないし、何より公開できる実績を積みたいから制作依頼を受けているのであって、納品しても使ってもらえなかったら意味ないなと思います。

なので、依頼する方もそれなりに決心しないと頼めない(成果物を粗末にできない)金額にしようと思って15000円からスタート、レギュラーランクになった時に20000円に上げて今に至ります。

ココナラ広告の効果

また、ココナラ内で自分のサービスをアピールできるココナラ広告配信というようなものがありまして、

僕も一度、5000円ほど使ってみたことがあります。
15000円の売値だとして成約すると20%弱手数料が引かれるので、手取り12000円くらい、利益率50%以上残したいので、5000円で1件取れればいいか、というどんぶり勘定で実験的に出しました。

結果、閲覧数が通常の10倍くらいになり見積り相談が3件ほど来ましたが、「とりあえず値段感を確認してみた」だったり、こちらの質問や確認に正確に答えてもらえずその方とコミュニケーションできる自信がなかったのでお断りしたり、とあまり確度の高い案件は来なかった印象がありました。

どういう表示のされ方をしてるのか確認できないことと、広告の出方をこちらでコントロールできる要素がなさすぎて、ちょっとコスパ良くないな〜…と思ってもう使ってません。

費用発生や変動する条件もきちんと書く

人から信頼を得る上で、時間と金に関する約束は絶対だと思ってるので、費用の発生条件や変動する要素もきちんと説明しました。

基本的に工数がかかるかどうかで費用発生を考えているので、

  • 曲の尺(3分超えて1分ごとに加算)

  • ギターとベースを生演奏するか(内容によっては練習しないといけないこともあるので)

  • 作詞(曲のテーマによってはかなり時間かかる)

この辺りは希望する方には、オプションのプラス料金として提示できるようにしました。実際にやり取りしていても「何がどこまで、いくらかかるのか」はよく聞かれるので、自分の中でルールを持っておくのは大事です。

公開募集は結構ヤバい

自分が受け身で依頼を待つ以外に、依頼主が受けてくれる相手を募集できる「公開募集」という機能もあるんですが、大変申し訳ないんですけど、ここに出てくる案件は受けたくないな〜というものが多かったです。

「6000円で1曲、フルアレンジでバズる歌ものを」とか、作業量に対してかなり安めの金額設定をされてることが多いのと、依頼の仕方として情報がなさすぎ、音楽制作のことを知らなさすぎて、ちょっと色々苦労しそうだな〜と思ってしまう方が多くて、あまり見ていません。

(募集に応募している人も、まだ1件も成果がない、プロフィール欄が埋まってない、ポートフォリオ1曲もないという人がほとんどで、なかなか頼む方も頼まれる方もしんどいな〜…という感じです)

制作の知識がある依頼者も中にはいますが、公開募集をする=こだわりがものすごく強い、ということでもあるので、自分も経験しましたがかなり苦労する案件もあります。

完成品をシェアしてもらえるかは購入者次第(そういう仕組み欲しい)

例えば歌ものを提供して納品すると、歌入れ以降の工程は依頼主側でやるわけですが、最終的な完成形を共有してもらえたり、そもそも「完成しました!」と報告をくれないケースも多いです。

こちらは納品した時点でお金をいただいてるので、それ以上何も言うことはないんですが、「作った曲がその後どうなったか」「最終的にどんな形になったか」はせめて聴きたいな〜と思います。

完成形をシェアしてもらうには、依頼主さんの善意をもとにDMをもらう、などしかないので、運営側が何らか仕組みで解決してくれたら良いな〜と思ってます。

やるべきことは「誠実に対応、納期厳守」

僕がやってきて痛感してること、そして一番気をつけるべきは「誠実に対応すること」だと思います。

ベタすぎですけど、これが出来ない出品者がめちゃくちゃ多いようです。正式にお願いしたのに「合うサンプル音源がないのでできません」と言われて途中キャンセルさせられた、みたいなケースを依頼主さんから聞いたことがあります。

音楽制作に限らず、SNS時代だと「お仕事承ります」みたいなこと出してる人が多いんですが、出してるなら責任持って対応してね、と思います。

「アマチュアに毛が生えたようなもんだから、不備があっても許してね」というエクスキューズをするくらいなら、最初から仕事の世界に入ってくるなよ、とも思います。

僕もデザイン系である人(Twitterで仕事を受け付けていた人)に発注したくて連絡したんですが、全く返事をもらえず(既読にもならず)、泣く泣く他の人を探すハメになったことがあるんで、僕は「どんな内容でも24時間以内に必ず返事します」と宣言してやってます。

プロの定義は色々ありますが、僕個人の感覚では経験や実力に関係なく「お金をいただいて曲を作ります」と宣言した瞬間からプロなので、プロ意識は持たないと、と考えて全ての連絡に対応するようにしてます。

出来ること、出来ないことははっきり言う、誤魔化したり適当に返したりしない、相手の要望をしっかり聞いて対応する。音楽的な技術が高いから仕事が来るんじゃなくて、プロの請負人としてちゃんと応対し、期待以上のアウトプットを返せるから仕事が来るんだと思います。

やるなら仕事だと思ってちゃんとやろう

ある職業作家の方からは「プロなら2万円で1曲なんて受け方しないよ。価格破壊で業界の価値下げてる」と言われたこともあり、正直そのとおりだな、と思う部分もあるのですが、

僕みたいにフリーでやっていて、後ろ盾も権威もない立場だと一般的なプロ価格で仕事を任せてくれること自体のハードルが高いので、早く実績作って一般的なプロ価格で受けられるようにならないと、と思っているのが現状です。

そんな中、僕に大事な楽曲制作を任せてくださったお客様にはとても感謝しています。だからこそプロ意識は大事だと思ってます。

というわけで、ココナラでの音楽制作請負は「ちゃんとやれば依頼は来る(ただし、やるんだったらプロ意識は持とうね)」という捉え方をしています。


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