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2023年3月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が3月に聴いて良いなあと思った新譜について、簡単な感想コメントとともにまとめておく記事です。

おかげさまで、学生時代も最後となってしまいました。そういうわけで卒業旅行やら送別会やらでバタバタしていてそんなに新譜を聴けてはいないのですが……。まあ継続が大事だと思って書くことにします。

良かった新譜

10,000 gecs / 100 gecs

2019年の "1000 gecs" に続く、セカンドアルバム "10,000 gecs"。バカにしてんのか?
しかしそういうふざけた態度まで含めてかなり好きな一枚です。ポップパンクとEDMの周辺を軸に、各ジャンルがそれぞれ持っていたハッピーなエッセンスをhyperpopの腕力で悪魔合体させたサイコーのアルバム。唐突に始まるスカパンクとかほんと最高。問答無用で笑顔になれます。

UGLY / slowthai

サマソニで来日も決定!ギターオリエンテッドに振り切ったサウンドなど語るべき点はたくさんある気がしますが、個人的には、執拗に選択されるリズムやフレーズの「反復」のアプローチが印象的なアルバムでした。やっぱり反復って、ダンスミュージックから宗教儀礼に至るまでみられる、根源的な高揚感に結びついたアプローチだよなって思うのと、本作ではサウンドのダーティさゆえの緊迫感・焦燥感がそれとうまく噛み合ってるなあと思います。世界をシリアスにアジテートするようなアルバム。

Less / deathcrash

ロンドンのスロウコアバンド・deathcrashの新譜。バンドサウンドのみで深淵な空間を作り出してしまうダイナミズムと録音の妙。ながら聴きだとスッと流れていってしまうくらい滑らかなサウンドですが、家でゆっくり聴いていると、彼らの音だけが響く虚空に捉われてどんどん吸い込まれていくような気分になる一枚です。世の中には家でゆっくり聴かないとわからない音楽があることを再確認。

Electric Angel / that same street

ハードコアバンド・moreruのメンバーによるサイドプロジェクト。合成音声(初音ミク)の透明さとスクリームの狂躁との強烈な違和でなんだかどうしようもなく不安な気持ちになる異常音楽。じわじわと盛り上がる「ミクゲイザー」シーンや、折り返しに入った感もあるエモリバイバルにも呼応するような、現行インターネットミュージック最右翼の一つとさえ言うべきEPです。

V / Unknown Mortal Orchestra

みんな大好きUMOの新譜。UMO流のAORというか、今までになくメロディアスでキャッチーな前半から少しずつ力を抜いていって、終盤では緩慢でメロウなサイケに着地する構成がただただ心地よい。でも個人的には前作 "Sex & Food" の麻薬的な不穏さの方が好みだったかも……

SCARING THE HOES / JPEGMAFIA

どこで見つけてきたのかもわからない日本の謎のローカルCMや坂本真綾の楽曲を含む、広大なインターネットから縦横無尽に蒐集したサンプリングソースにビートを見出して乗りこなしてしまう、混沌と狂気の衝撃作。ヒップホップには「みんなが知らないけどかっこいいネタをサンプリングしてみせる」というゲーム性がある、というのを最近読んだのですが、その意味では笑っちゃうほどぶっちぎってるアルバムだと思います。

gel / SADFRANK

NOT WONKのギターボーカル・加藤修平によるソロプロジェクト。石若駿や本村拓磨ら多方面のミュージシャンが参加していたり、ストリングスを前面に取り入れていたりと、NOT WONKのバンドサウンドとはまた違ったフィールドでエネルギーやクリエイティビティを解放している感覚がひしひしと伝わるアルバムでした。もともとの活動に対する別プロジェクトをどう位置づけるかは様々ですが、SADFRANKはやりたいことをかなりはっきり見定めて、それをしっかりやっている、という感じが聴いていて説得力ありますね。

たった一時間 / 都市レコード

先日立ち寄った中古屋で20年ほど前のCDが売られているのに出会い、いい名前だなと思って調べたらちょうど10年ぶりの新譜リリースがあった、というバンド。優しい歌モノの楽曲や詩世界の基礎には日本のフォークにルーツを持った発想が感じられますが、それがある種の深遠さを持ったノイズやスロウコア的な意匠で練り上げられているところが面白いサウンドです。というかいわゆるスロウコアバンドも海外のネイティブリスナーにはこういう聴こえ方をしているのかも?

その他(行ったライブ)

今月はArctic MonkeysとFor Tracy Hydeという、それぞれ私の高校時代と大学(院)時代を彩ってくれたバンドのライブに行くこともできました。学生生活の終わりに彼らのライブに立ち会えたことはなんだか象徴的なような気がして、勝手にエモーショナルになってしまうライブでした。

特にフォトハイは、自分が細々ながらバンドや宅録を続けられてるのも元を辿れば大学一年の冬に彼らを知って、インディシーンでも本当にこんなかっけえバンドやれるんだ、というのに感化されたからなんですよね。今回のラストライブを観て「やっぱ音楽やんなきゃ、これになりてえから……」ってなりました。頑張んなきゃ〜

おわりに

学生生活終わってしまった!いやはや。振り返ってみれば、「音楽マニア」と呼べるほど音楽漬けの生活が送れたわけではなかったなあと思いますが、UKロックとアニソンばっかり聴いてた大学入学当初からしたら多少の進歩はあったんじゃないでしょうか。あったってことにしよう。

就職先はホワイト企業と聞いている(本当だろうな?)ので、社会人生活でもまだまだ音楽聴いたり演奏したりしていけるんじゃないかと信じてるんですが、どうなるかな。とりあえず現時点ではそうありたいと思っているので、もし後の自分がこれを読み返すことがあれば、それを踏まえて生き方を考えていってくれると嬉しいです。(何?)

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。よければ来月以降の社会人編(?)もよろしくお願いします!


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