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ひとふさひとふさ、ひとりひとり

 以前帰省したとき、親が新潟の聖籠町の伊藤農園で、ぶどうを買ってくれた。
 ぶどうの箱をキャリーバッグに入れて運ぶと言ったら、農園のおっちゃんとおばちゃんが
「この袋に入れたらいいんじゃねか」
「そんな袋いらねー」
とあーだこーだ言いながら、ひとふさひとふさ、すごく丁寧に包んでくれた。
 おかげで長時間かけてキャリーバッグで運んでも全く傷まず、美味しいぶどうを食べることができた。いや、傷まなかったことが重要なんじゃない。たった1人の客に対して、農園のおっちゃんとおばちゃんが一生懸命、ぶどうが傷まないようにあれこれ工夫してくれたことが、何よりも嬉しかったんだ。

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