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陰謀論者(17):参政党

先日、東池袋中央公園(東京都豊島区)周辺で行われたパンデミック条約反対デモにおいて参政党関係者が多数関与するなど陰謀論界隈において何かと話題となっている政党ということで取り上げてみました。ちなみに、参政党に関しては2022年参院選において取り上げたことがあります。

参政党について

参政党は2020年に神谷宗幣や政治系YouTuberのKAZUYAらが「投票したい政党がないから、自分たちでゼロから作る」というコンセプトの下で立ち上げた政治団体で2022年参院選で1議席を獲得したことで国政政党に躍り出たといえます。

ちなみに、参政党は「日本の国益を守り、世界に大調和を生む」という理念のもと、次の綱領を掲げています。

  • 先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる。

  • 日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する。

  • 日本の精神を活かし、調和社会のモデルを作る。

このように日本の伝統や精神、自立などを重きに置いており、どちらかと言えば保守寄りの立場といえます。しかし、政策をみると反ワクチン・反医療ならびに有機農法を推進する内容だけでなく、「移民受け入れより、国民の就労と所得上昇を促進!」といったような反移民ならびに反グローバリズムに基づいた内容が多いといった印象です。

以上のことから、排外主義を主体とした極右政党であるものの、有機農法などといった疑似科学を取り入れているとみられます。

支持層

政党の政治的立場から参政党の主な支持層はナショナリズムや反グローバリズムといった保守層だけでなく、既存のメディアに不信感を持つ層や反ワク・反マスク界隈、自然派などが挙げられると思います。

これらの支持層のうち、反ワク・反マスク界隈ならびに自然派は従来れいわ新選組を支持している層に重なると言われており、2022年参院選においてはその一部が参政党に流れていたことが三春さんの分析で判明しています。ただ、れいわは脱原発を掲げている一方で参政党は基本政策の10の柱のうちの「九の柱」で既存原発・化石燃料の活用を掲げているといった違いがあります。とはいえ、どちらも疑似科学的な主張をしているという共通点はあるものの、参政党は右派、れいわは左派に分類できるといえます。

イシキカイカク

現在は神谷議員が党の代表を務めているが、2022年参院選まではボードメンバーが共同で党をまとめる形をとっていました。ちなみに、結党当初のボートメンバーは現在代表を務めている神谷氏をはじめ、KAZUYAや松田学、渡瀬哲也、篠原常一郎の5名で構成されていました。しかし、神谷氏を除いた4名はすでにボードメンバーを退任し、別の人に変わっています。

とはいえ、主に神谷氏が党の結成に関わっていることや結党当初から事務局長を務めていることから実質的な党首といえます。ちなみに、党の結成にあたり神谷氏はブログでこんなことを綴っています。

いろいろなことをやってきたので、「神谷は何がしたいかわからない」とずっと言われてきましたが、

私は「日本人の意識を変えていき、世界を大きな調和に導く日本を作っていきたい」のです。

新党「参政党」の結党(神谷宗幣オフィシャルブログ)

「世界を大調和に導く日本を作りたい」というのが彼がやりたいことではあるが、そのためには日本人の意識を変えなければならない。そこで、2013年にイシキカイカク株式会社を設立するとともにYouTube上でチャンネルグランドストラテジー(CGS)という歴史や政治、経済などの様々な社会問題を取り扱うチャンネルを立ち上げるとともに2017年にはイシキカイカク大学という講座を開いたりと、学びの場を設けたとみられます。

CGSは政治や経済、歴史などの専門家をゲストに招き、彼らの話を司会の神谷氏が聞きながら進行していくという形をとっています。ちなみに、このチャンネルの視聴者だけでなく、神谷氏もCGSを通じてゲストからのいろんな知識を教えるなど勉強になったと言っています。また、CGSのゲストの中にはイシキカイカク大学の講師を務めたり、参政党に携わった人も数多く含まれており、CGSがイシキカイカク大学や参政党の土台となっているのは確かです。

つまり、参政党は神谷氏とCGSの論客によって立ち上げた政党であると同時にイシキカイカク大学や参政党のDIYスクールはCGSの論客を講師陣に招いた有料セミナーといった感じだといえます。

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