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総合診療医とは何者か

皆さんこんにちは、にゃんでもにゃ医です😇😇😇
今回は大人気にゃんでもにゃ医note第4弾ということで、こちらのタイトルでやっていきたいと思います😇😇😇
総合診療医が一体何者を指しているのか、認識がバラバラなのが現状です😇なんなら総合診療医を名乗っている人たちの中でもバラバラです😇オワタ😇😇😇
そのために総合診療医について理解が進まず、誤解すら生まれる要因の一つとなっています😇
そこで今回は、総合診療医とは何者かというのをもやっと提示することを目指します😇そのために、いろいろな情報源から総合診療医とは何者なのかというものを抽出することをまず始めます😇
また、よく話題になる総合診療医と総合内科医は何が違うのか、そもそも違うのかといった話題にも触れます😇
最後にそれらを統合してにゃんでもにゃ医なりの総合診療医を提示する…かもしれないです😇😇できないかもしれません😇😇
なので今回はいつにもましてダラダラとした記述になっています😇😇
最後までお付き合いいただけたらありがたいです😇
時間のない方は「総合診療医と総合内科医についてのまとめ」あたりから読んでもらっても構いませんが、総合診療医についてよく知らない方は最初から読まれたほうが理解しやすいと思います。
なお、過去の二つのnoteを合わせて読んでもらうとさらに理解が進みますよ😇😇
😇



総合診療医といえばアレでしょ!

一般の人たちを含めて、総合診療医と聞いてまず思い浮かべるのはこれしかないでしょう😇😇
そう、総合診療医ドクターGですね😇😇😇

こちらは病歴で診断に迫る謎解きの面白さを伝えるエンタメ番組で、NHKで2017年まで放送されていました。結構人気だったみたいですね😇この番組によって、総合診療医とは難しい?疾患を診断するのが主な仕事のような印象が世間に植え付けられたのでした😇😇
しかし総合診療界隈からは「総合診療医の実態とは違う印象を視聴者に植え付けている!」という批判?苦情?も少なくありませんでした😇😇
それを受けて、番組の監修をされていた生坂政臣先生も「そういう声は多数聞いている」といった発言をどこかの学会でされていましたね😇😇

専門医機構と各学会の見解


まずは総合診療医を牛耳っている専門医機構の意見を聞いてみましょう😇😇

専門医機構の見解

https://jbgm.org/wp/wp-content/uploads/2023/07/pamphlet_230720.pdf

機構のホームページに総合診療への勧誘を目的としたパンフレットがあるんですね😇そこにある総合診療医のアイデンティティを列挙してみます😇

❶どんな症状にも、何歳でも診察し、必要であれば専門医を紹介してくれる医師
❷ 日常的に頻度が高く幅広い領域の病気とケガに対応できる医師
❸ 臓器を診るのではなく患者を一人の人として診る医師
❹ 患者個人の治療だけでなく、その生活を支える家族もまるごと診てくれる医師 ❺ どんな相談にも耳を傾け、向き合う医師
❻ 病気の治療だけでなく予防から終末期まで継続的に診てくれる医師
❼ 地域全体の健康を考えてくれる医師
❽ 看護師・薬剤師等の多職種や行政と連携し、住み慣れた地域での暮らしを支えるチームの核となる医師

ふむふむ、なんかよさそうですね😇😇

日本・プライマリケア連合学会(JPCA)の見解

さてさて、次に総合診療関連学会の見解を見ていきましょう😇まずはJPCAですね😇
JPCAにも総合診療の啓発を目的とした?特設ページがあります😇

…過度に臓器別に専門分化してしまった医療に
総合という文字を加えなくてはなりません。
それが総合診療専門医です。
ただ、総合診療の意味するものは、幅広く診療をするだけではありません。
医師における総合性とは何か、医療における総合性とは何か、
私たちは、医療における人間性の回復を信じ、
全世界の同じ思いの医師たちと学び続けています。

なんだか意味深ですねえ😇しかしこれだけではよくわかりません😇😇
何故今求められるのが 総合診療専門医なのか?という問いに対して以下のように回答しています😇

1. 患者を多角的に診る。
・多くの人が健康上の不安や課題、特性をいくつも抱えながら生きるこの時代。 患者を360度診られる 幅広い知識と視野が必要です。
・ひとつの臓器にとどまらず、 それぞれが影響する関係や原因を 推論できる高い診断力と、 他の診療科との連携を 見極める力が求められます。
2. 家族・生活背景まで診る。
・病には、背景があります。 日常生活における心理的な悩みを 抱える人も増えるなか、 家族の関係性や職場の環境など、 病の根っこにアプローチする 医療が求められています。
・患者個人の治療はもちろん、 その生活を支える家族もまるごとケア。
・良き伴走者として、 医療・福祉専門職だけでなく、 学校、職場とも連携し、患者の暮らし方に合わせコーディネートします。
3. 地域全体を診る。
・慢性疾患を抱えながら 一生を終えるひとが6割ともいわれる今、 病や障害とともに 生き抜く時代がきています。
・医療の守備範囲は、 保健や福祉、介護にとどまらず、 住宅環境や働き方、まち全体の行政計画にまで広がっているのです。
・求められるのが 住民の医療ニーズを把握し、 それを地域に反映する力。

これはどうでしょう😇COIのせいかもしれませんが、シンプルかつ具体的に総合診療というものを説明している気もします😇😇😇

日本総合診療医学会(JSHGM)の見解

続きまして、歴史的経緯からJPCAとあまり仲がよろしくない?JSHGMの見解です😇😇
JSHGMは総合診療の2階建部分として病院総合診療医の育成を行っていますが、その医師像について以下のように書かれています。

  • どのような疾患・病態の患者でも断らず、全人的医療を実践するマインドを持ち診療できる

  • 地域包括ケアの要としてコミュニティとつながり、患者やその家族の生涯やそれをとりまく地域を見据えた病院診療を実現することができる

  • 病歴、身体診察、基本手技全般、検査の解釈に⻑け、病院の外来、救急、病棟、集中治療室において標準知識に基づき診断・治療・予防・患者説明の実践と教育を遂行できる

  • 診断困難な症例では戦略的思考を駆使して最適解を追求し、マネジメント困難例では院内の各専門科、各医療職と緊密に連携して弾力性の高い医療を提供できる

  • 医療チームにおけるリーダーシップに⻑け、その能力を適切に発揮できる

  • 様々な部門や階層での組織マネジメント技術に⻑け、院内診療の最適化に貢献できる

  • 医療の限界と医療資源の有限性を理解した医療の質を重視する診療を実践し、それに準じた組織運営を行うことができる

  • 保険診療を理解した医療経営の視点を持ち、所属組織における最適なチーム運営を実践できる

  • 次世代の病院総合診療医を育成する心に溢れ、俯瞰的な視野で卒前・卒後教育を指導できる

  • アカデミックジェネラリストの視点で、臨床研究を通じ日本・世界の病院総合診療分野の発展に寄与できる

http://hgm-japan.com/system/process04/process04_2/


JPCAのと比べると、幅広い疾患に対応し、専門科と連携する、患者の家族や地域を見据える、といった点は共通してますね😇院内のマネジメントや教育、研究に言及しているのはJPCAとは違うところですね😇
ただ、これは病院総合診療医のことであって、総合診療医とは、といった記載はなさそうですね😇

日本地域医療学会の見解

最後に、2022年に爆誕した地域医療学会の見解です😇

こちらも総合診療医とはという定義はありませんが、理事長挨拶からはこんな総合診療医を育てたい、というのは伝わってきます😇

高齢化が進む日本では患者が抱える複合的な疾病を総合的に診て、地域全体で治し・支え・寄り添う医療が求められています。このような医療実現の担い手として「地域包括ケア」を実践できる総合診療専門医には大きな期待が寄せられています。
地域では、幅広い領域の疾病と多様な課題を抱える患者を継続して診療する事ができ、「病気を診る」だけでなく「地域を診る」眼を習得できる絶好の研鑽の場です。

すなわち、地域≒僻地で機能する総合診療医を育成したいんですね😇

なんで3学会もあるの、どんな関係なの?といった疑問が生じた方もいるでしょう😇そんな方はこちらをお読みください😇


Twitterで活躍する先生方の見解

さて、ここからはTwitterで活躍している総合診療医の先生方の意見を見ていきましょう😇
まずは総合診療医Andy先生です😇 Andy先生の説明は個人的にはめちゃ好きです😇

総合診療医は、自分の医療機関の医療圏に住んでいる住民達のコミュニティーの健康を守る専門医です。

なるほど、コミュニティを診る専門医と😇

総合診療医の役割は地域の住民の医療窓口となりながら(ファーストコンタクト)、必要な医療リソースと患者をつなぐ”ケアのコーディネーション”を行うことが求められます

個人に対して予防医療を勧めたり健康な生活を送るためのアドバイスをするだけでなく、集団レベルでの健康問題(喫煙率が高いなど)に取り組んだり、コミュニティー全体での検診や予防接種を推進することも含まれます。

ふむふむ、病気だけではなく集団の健康問題やコミュニティーの検診や予防接種も推進すると😇
また、総合診療医はシステム思考に基づくアプローチを用い、人間→臓器→組織→細胞といったように人間を構成する要素をバラバラにして捉える還元的思考のほかに、人間→家族→地域→社会→地球などというように人間の上位のシステムは何かと考える統合的思考を用いるとしています😇

Andy先生の記事から許可を得て転載しています😇

一方で「その病気が、個人にどのような影響を与えているのか?」と考えるのが、いわゆる「Illness(病;やまい)」の考え方です。このどちらも大事であり、両方の方向に考えを巡らすのが「生物心理社会モデル(BPSモデル)」や「患者中心の医療の方法(PCCM)」の考え方です。
さらに「病気に影響を与える要素は個人の外、つまり家族や地域などにもあるのではないか?」と考えるのが、統合的思考であり総合診療医のベースとなる考え方です。
社会医学や公衆衛生とも似ていますが、公衆衛生の対象とするのは社会や地域などの集団レベルであり個人へのアプローチを行わないことが総合診療との違いです。逆に総合診療医は、個人レベルの問題と社会の問題をつなぐ“Public Health Physician”としての役割を担っています。

総合診療医は病気だけではなく、病気が個人に与える影響にもフォーカスする、それらを統合するためにBPSモデルやPCCMといったアプローチをとる、ということですね😇そして個人レベルの問題と社会の問題をつなぐ役割もあると😇



続きましてDIO先生ですね😇
DIO先生のnoteをみれば、ワイのnoteは読まなくてもよいくらいまとまっています😇😇

どこの病院に行ったらいいの?そもそも病院に行っていいの??と悩まれることはよくあることと思います。
そんなとき、そばに寄り添える存在。
それが総合診療医(家庭医)です。
身体や心の状態だけではなく、家族のこと、地域のこと、社会のこと。すべてひっくるめて、「ひと」として総合的に判断して時には診断を、時には治療を。そして時には居場所作りをお手伝いします。
みんなが様々なライフステージがある中で、それに寄り添ってパートナーとしてその時々で様々な悩み相談に乗れる存在です。

なるほどなるほど😇一般の人にもわかりやすい説明ですね😇

家庭医(療)って何?

DIO先生の記事の中で家庭医という言葉が出てきましたね😇DIO先生は総合診療医≒家庭医としています😇

さて、突然ですが、家庭医療の本質とは行動科学だと思っています。もちろん、内科も小児科も精神科も外科も整形外科も皮膚科も診る、というのも家庭医(総合診療医)の役割だと思いますが、それは結果に付随して起こる事象であって、本質ではありません。

家庭医療の本質は行動科学であると😇
そしてその行動科学とは、

『心理学、社会学、人類学などから、「人間の対人行動に関する諸理論(対人関係、コミュニケーション、リーダーシップなど)を上手く取り、人間関係をより良くする、というのを理論立てて行おうとする学問』とここでは捉えることにします。

ふむふむふむ😇
家庭医療についてもっと詳しく知りたい人はこちらのDIO先生のツイートをご覧ください😇Andy先生のところでも出たPCCMやBPSモデルについても書かれています😇

また、日本の家庭医療を長年リードしてきた岡田唯男先生は、家庭医療学の学術的基盤における実践的理論群として以下のものを挙げています。

  • BPSモデル

  • PCCM

  • population health/Community-oriented primary care/social determinants of health

  • 多疾患併存(multimorbidity)を中心とする複雑困難事例への対応

  • 水平/垂直統合

  • 健康生成論に基づく医療

  • Narrative based medicine, 説明モデル, 意味論

まあなんのこっちゃという感じですよね😇😇😇学問体系が他の医学領域とは違いすぎて、理解されない・怪しまれるのも無理はないというか😇😇

総合診療医と総合内科医は違うのか?総合診療医=家庭医なのか?

これはですね、少々ややこしいんですが、意外と大事?なので書いておこうと思います😇

総合診療医と総合内科医

まず前者の質問は総合診療界隈ではない先生方からよくあがる疑問ですね😇
一言でキレイな回答をすると、総合内科医は内科医である、総合診療医は内科医ではない、だから違うというのが模範回答になるかと思います😇
この辺は上記のお二人の先生方も詳しく書いているので引用してみます😇
まずはAndy先生の上記の記事から😇

要素還元的思考に基づいて臓器別に分化してばらばらになった各臓器別内科の知識領域を統合してできたのが総合内科です。成人の内科疾患であれば、臓器が特定されていなくても診療対象とするのが総合内科の役割です。
一方で総合診療医は上で述べたように患者と医療をつなぐ役割を担っているので、病名がつかない未分化な健康問題を解き明かし、適切な医療につなぐために臨床推論を使います。それと同時に総合診療医として重要なのはその病気によって患者がどのように困っているかという”個人のレイヤー”の問題なので、診断名がつかない状態(不定愁訴など)であっても困りごとにフォーカスして寄り添うことができるのです。

https://road.yourfamilydoctor.org/2019/10/specialty-of-generalist.html

まとめると、(理論的には)総合内科は病気(のみ)を対象にしているが、総合診療では病気でなくても患者の困っていることにフォーカスしているということですね😇
また、Andy先生の記事では総合診療の専門性について図を使って分かりやすく説明されていますが、総合診療医と総合内科医の違いを理解する上でも分かりやすいです😇

総合診療医は上図のようなものではなく、

こちらの図のように、臓器別専門医のいう専門性とは別のベクトルに総合診療医の専門性は広がっているということですね😇
このような図で考えると、総合内科医は(理論的には)その専門性を1平面で説明できるとも言えるかもですね😇


続きましてDIO先生ですが、上記のツイートの他に、こちらのAntaaスライドも分かりやすいです😇

まとめると、
・総合内科医は内科学を基盤とし、さまざまな分野の知識・技術を習得する→検査手技に優れ、診断・治療を行うことができる
・総合診療医は家庭医療学を基盤とし、さまざまな分野の知識・技術・態度を習得する→心理社会面・家族地域志向に優れた医療を行う
ということですね😇

また、上述したこちらの本にも、名郷直樹先生による興味深い記述があり、総合診療と総合内科の違いを端的に表していると思いました😇

一般的に誤解されているのは、臓器別専門医を総合したような「総合」が、総合診療医の「総合」と思われていることである。しかし、それほど的外れな意見もない。総合診療医の「総合」は、臓器別専門医を総合したものを除いてなお残っている「残渣の総合」にこそある。もちろん、総合診療医は臓器別専門医が担当する臓器別の疾患に関して、それなりの知識や技能を持つ場合が多い。しかしそれは総合診療のコアな部分ではない。それを失ってしまっても、総合診療医としての独立性が揺らぐわけではない。残りの部分にこそ、総合診療医の真骨頂があるからだ。

「総合診療医とはなにか」から引用

いやあ、名郷先生らしい?面白い記述ですねえ😇
総合内科医はここでいう臓器別専門医を総合したような「総合」を持つ医師で、上澄み部分を専門としているということですかね😇
なお、名郷先生は「残渣の総合」として、名郷先生のお師匠であった五十嵐正紘先生の「五十嵐の10の軸」を紹介しています。詳細はこちらのブログをお読みください😇上述の総合診療や家庭医療の説明と類似点が多いです😇

https://sasaeruiryou.jugem.jp/?eid=1582

こちらは岡田先生と同じく日本の総合診療/家庭医療をリードしてきた藤沼康樹先生のブログですが、総合診療と総合内科の違いについて、興味深いQ &Aがあります😇

【病院総合診療科と総合内科の違い】
この質問多いですね笑。診療疾患、疾患の治療・手技に本質的な差異はありません。ただし、疾患の診断治療以外の診療実践レイヤーを「マネージメントや接遇」と捉えるか、本質的かつ「診断治療と等価」であるととらえるかの違いがあるといえばあります。が、重要なのは共通性や差異を分析して自分を規定しようとするのではなく、「ワイは総合診療科の医者だ!!」といいつづけるとだんだんそれっぽくなるので、しつこく言い続けましょう笑、アイデンティティの本質とはそういうことです。

【総合診療医がやっていることと内科医がやっていることが同じ?本当に総合診療って必要?】
 ほんと、みんなこのこと気にしてるんすね笑。卓越したジェネラリスト(Expert Generalist)ならその内科医は本物の総合内科医ですよ。で、どの疾患を診るかで自分の仕事を定義すると、旧劇の碇シンジになります。どっかで総合診療とか家庭医療って面白いな、やってみたいなという感覚がなければ、むりにエヴァに乗る必要はありません。

シンジとエヴァがピンときませんが、言わんとしていることはよく伝わってきます😇😇

総合診療vs総合内科の話題の最後に、内科医である國松淳和先生の記述を取り上げましょう😇

マルチモビディティ?
私はそれをよく知りませんが、複雑なものを複雑なまま取り扱うことは、今も以前もずっと臨床医というものがやってきたことです。いやそうでないというなら、それに気づかなかっただけです。なぜなら名うての臨床家は、残念なことに、残念なくらい在野に眠っているものだからです。
それではいけない。論文を書かなければ。
そういう指摘なら、してもいいでしょう。マルチモビディティを声高に言うのは、昔EBMを持ち出してきた当時のあの現場のザワザワ感よりもたちが悪い。昔のなうての臨床医に失礼です。今のところ、宗派と思っておきます私は。

P21より引用

いや、これはパンチきいてますね😇これは総合診療界隈のことを言ってますね😇😇

こちらの本の最後にある対談から一部を改変して抜粋します😇

  • 総合内科と総合診療の垣根は人間が後付けで境界線を引いたものに過ぎない。

  • 総合内科、総合診療のどちらも違和感がなるので内科医と名乗っている

  • 「総合」ということは目標にすべきではなく、一方で結果として総合的であることは大事なことだ

  • 臨床的に重要なのは、「総合的でありたい」という思いではなくて、「今何が問題か」ということを起点にすること。

  • 本気で解決しようとしたら、一点突破できる問題はすくないので、さまざまな方面から解決を図ろうとすると、必然的に複合的な取り組みになるはず。

  • 若い"総合診療医”の先生などが余計なお世話をすることがある。ただちに聞かなくてもよい家庭の事情などについて、いきなり聞き始めることがある。まずは患者さんの訴えやニーズにしっかりと応えることが何より重要である。余計なお世話をすることを「総合」と勘違いしている人がいる。

いやはや😇😇😇なんといっていいのやら😇

総合診療医と総合内科医についてのまとめ

上記の通り、総合診療と総合内科は異なった学問体系の上に成り立っているものであり、理論的には異なったものですね😇😇
ただですね、國松先生がおっしゃるように、総合診療医でなくても総合診療的なことができる先生はたくさんいるんですよ😇それは間違いないので総合診療医の専売特許でもなんでもありません😇ただですね、総合診療では「残渣の総合」の部分を学問体系として確立し、言語化し、研究し、教育しているということですね😇そして再現性高く臨床実践しているということですね😇
そして、藤沼先生の指摘するように、自分が総合診療医だと思ったら総合診療医だし、(総合)内科医だと思ったら(総合)内科医でいいんだと思いますよ😇自分のことを総合診療医であるといっている人に「あなたは総合診療医ではない!」といっちゃったりするのは悪手かもしれないと最近は思うようになりました😇ともに高みを目指しましょう😇

総合診療医と家庭医は同じ?

こちらもたまに質問がありますね😇あと、この話は界隈内でも一悶着あるところでしょうか😇
まずは上述した総合診療医と家庭医の説明のところを復習してくださいね😇
そしてですね、この辺は総合診療界隈の歴史を振り返ると見えてくるものがあります😇界隈の歴史を振り返る資料はこれしかないでしょう😇😇😇

上述した日本プライマリ・ケア連合学会JPCAはもともと家庭医療専門医を育成していたんですね😇そして専門医機構が総合診療専門医を管轄するという話になったとき、もともとは家庭医療専門医研修の内容を踏襲するという話があったんですね(合ってますかね?)😇
ところがなぜか機構が様変わりし、内科+小児科+救急科=総合診療みたいな話が出てきたんですね😇😇
その証拠に、機構が出した総合診療のテキストには家庭医療やPCCM、BPSモデルといった単語はまったく出てきません😇😇😇

総合診療界隈においてJPCA寄りの人たちは総合診療医≒家庭医、もしくは総合診療のベースは家庭医療と考えていますね😇Andy先生も、DIO先生もJPCA寄りの先生です(よね?)😇
一方で、日本病院総合診療医学会JSHGM界隈の先生方、少なくともそのお偉い先生方は、総合診療医≒家庭医とは思っていません😇これは、JSHGMはJPCAが3学会の合併により誕生したときに、合併を不服とした人たちが作った学会だからですね😇😇JSHGMの理事をされている先生方で家庭医療専門医を持っている方は(ほとんど)いないはずで、バックグラウンドが内科である先生が多いです。また、JSHGM界隈の先生方の多くは中-大規模の病院で働いている先生方が多いことも影響しているでしょう。
この辺の混乱は、諸外国と比べて総合診療界隈の医師の働くセッティングが多様であることも影響しているでしょう。
若手総合診療医の横田雄也先生は、働くセッティングやバックグラウンドの濃淡(家庭医寄りか、もしくは内科医寄りか)でfamily physician(家庭医), hospital family physician(病院家庭医), hospitalist(病院総合医もしくは総合内科医)と分けたりするけど、混乱の元だし、全部general medicine physicianでよくないか?という提案を論文にまとめられました😇

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.500

ワイも基本的にこの考えに賛成です😇なので全てgeneral medicine physician, 総合診療医ですね😇😇基本的にというのは、上図のようにグラデーションになっている通り、総合診療医は多少なりとも家庭医療学的なアプローチは持ち合わせておく必要があるのではないかということですね😇もちろん、上述のように総合診療医と呼ばれたくない人たちもいますし、その考えもわかりますね😇😇
論文中にもあるように、多少の違いはあってもお互いを尊重し、協力したいところですね😇
結論としては、総合診療医の中に家庭医がある、家庭医を総合診療医と呼んでもよい、という感じでよいでしょうか😇😇

総合診療はネガキャンの対象になりやすい…

総合診療医について考える上でここも考えておきたいんですが、これは色々原因があると思うんですよね😇😇

こちらのツイートに色々書いているんですが、まとめると
・「寄り添う」とか「人を診る」というのが胡散臭い
・家庭医療学というものがわかりにくいのでさらに胡散臭さに拍車をかける
・一部の総合診療医は人は診るけど病気は診れないというのも事実
みたいな感じですかねえ😇
まあ色々な誤解によってディスられたりすることも多いので、JPCAや筑波大学総合診療科はネガキャンに苦しむ人たちに対してQ &Aを用意しています😇😇
今までだらだらと書いてきたまとめにもなると思います😇

なお、上のツイートでは「総合診療医はプライマリ・ケアとプライマリ・ヘルス・ケアの専門家」と呼ぶのがいいのではないかという提案をしましたが、これは明らかに家庭医寄りの考えなんですよね😇
note第3弾をお読みになった方は分かると思うのですが、最近は総合診療界隈が一つにまとまることがとても重要なのではないかと思うようになりました😇
なので、上記の定義は家庭医よりではない総合診療医を捨象してしまうため、あまり良くないなと今は思っています😇😇

まとめ

もう夜中の2時になってしまったので、クロージングに入りましょう😇しかしだらだら書いてきたのでまとめるのが難しい😇

総合診療医とは、

  • 疾患の診断治療以外の要素、すなわち「残渣の総合(主には家庭医療学の要素)」について、濃淡はありながらも重要視し、

  • 幅広い疾患・病態に対応し、必要に応じて適切なタイミングで専門科と連携できる医師

これくらいが総合診療医の最低限かつ重要な要素ではないでしょうか😇
色々思うところはあるかもしれませんが、対外的にわかりやすい、かつ総合診療界隈内で無用の分断を生まないようにこのような形に収まったことをご理解くださいませ😇😇😇

長々と書いてきましたが、いかがだったでしょうか😇
このnoteが、総合診療医って何者?というみなさんにとって理解が進み、また総合診療界隈のみなさんにとって、自分たちの専門性について考えを深めるきっかけになったとしたらとても嬉しいです😇
また、今回のnoteも多くの先生方のツイート、ブログ、論文等を引用させていただきました。ありがとうございました😇
本noteに対するご意見ご感想はTwitterにてどしどしお寄せくださいませ😇
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました😇

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