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小林由依卒業コンサート

由依ちゃんの卒コンDay1に参戦してきました。
夏鈴推しである事実と1期信者である事実を抱えていたために、初めて誰にも言わずにひっそりと行って、ひっそりと帰ってきた。

少し時間を空けて、気持ちを落ち着けてから書いています。思えば私は、普段のライブに付随する卒業セレモニーには何度も立ち会ったことがあるけれど、卒業コンサートというものが初めてで、こういうものかぁと、もちろんその日の主役によって雰囲気は全く違うだろうけど、どんな気持ちでそこにいたら良いか分からないまま、色々な想いを巡らせた結果、無に近い感情で代々木までたどり着いてしまい、それが災いして若干の葛藤を抱えたまま会場を出たことを、一日経った今少し後悔している。

まず私がどのようなスタンスでこのグループに向き合ってきたのか、以下の櫻坂46東京ドーム公演のブログを読めば少しわかると思いますが、この延長で代々木にいました。

ただあの頃と違うのは、今回の主役が由依ちゃんだということ。

私は欅坂のドキュメンタリーで、由依ちゃんがグループについての本音を聞かれた時、「私は他のみんなと考えていることが違うからここでは言えない(ニュアンス)」と、静かに言ったシーンがかなり印象的で、あの日から私の中で由依ちゃんは、私たちや、私たちと同じように欅坂に縋っているメンバーとは少し違う想いを抱いている人だと認識するようになっていた。改名を発表する時も泣かずに真っ直ぐ前を見ていたし、欅坂に必死にしがみついている私には、欅坂というグループに必要以上に肯定もしなければ否定もしない由依ちゃんのことを、少しだけ怖いと思うこともあった。私だけ置いていかれてるみたいで、ずっと由依ちゃんのことが分からなくて。だから今回の卒コンでも、由依ちゃんの意志に私がついていけるだろうかって不安で、そこが上手く消化できなかった理由なのかもしれない。でも、3rdアニラの日、由依ちゃんの表情が今までに見たことのないくらい吹っ切れていて、すがすがしい表情で、それを見た時に私は、この人は近々ここからいなくなってしまうんだろうなぁと悟った。実際にその4日後、卒業発表がありました。

本編
3rdツアー初日ぶりの代々木第一体育館。誰にも言わずに来たから、誰と話をすることもなく会場に入って、1時間以上自分の座席で静かにしている時間があった。そのせいで気持ちはそれなりに仕上がっていたと思う。無に近かったけど。

影ナレは由依ちゃんと莉菜ちゃん。莉菜ちゃんの影ナレを聞けるのもあと何回かなぁと思いながら楽しんで、Overtureで過去の映像が流れて、欅亡霊の私は、欅坂終わりの地であり、櫻坂始まりの地である代々木ですでに涙目になった。

Overture終わり、由依ちゃんのシルエットが見えて、その姿が何とも映えていて、やはり姿で魅せるカッコイイ女性だなと思った。1曲目はジャマビで、夏鈴推しとして一度は生で見たかったから嬉しくて、一度きりのジャマビを目に焼き付けた。

摩擦係数は優ちゃんが凄くて、私は3期なら村井推しなので、バチバチに踊る優ちゃんを見て、やっぱりこの子だなぁと思った。続く断絶は好きな曲だし、保乃のビジュが仕上がりに仕上がってたから、その美しさに釘付けになった。

思ったよりも寂しくないは、ライブの中でも特に好きな曲。オレンジのペンライトで会場がぽかぽかと、3度くらい空気の温度が高くなるような雰囲気がとにかく好きだから、特別な想いを背負いながら見るそんな日に、ぽかぽかなおもさびにかなり救われたりした。なんか楽しくて、由依ちゃんがやりたいのってこういう、ただ楽しくて幸せなライブなんだろうなって、彼女の意思が伝わるようだった。

Lavieenroseは、土生ちゃん卒セレの思い出の曲だから、かなり泣き曲。夏鈴ちゃんは、ゆっかちゃんの卒セレの時はほとんど笑わなくて、それはたぶん自分の感情のコントロールがまだできなかった頃のことだからだけど、じゃあ感情のコントロールが効くようになってきた3年目以降で、土生ちゃんの時はどうだったかなぁと思い返すけど、それでも今回、緩やかにアイドルスマイルを浮かべる夏鈴ちゃんは新鮮だった。ここでも由依ちゃんの意思が見えた気がした。メンバーにもとにかく楽しんで欲しいのかなって。この後のドローンもそうだね。ただ楽しかったというより、そのコンセプトに心から夏鈴が共鳴してあふれ出た笑顔のように見えた。

Anthemtime ここが一番泣いた。3期楽曲に由依ちゃんが加わるスタイルで、まず欅坂初期の映像と3期加入当時の映像がスクリーンに流されて、時代を超えて欅坂1期と櫻坂3期の感情はリンクしていた、その流れでの3期+由依ちゃんによるAnthemtime。

“その汗がいつの日か花開くまで” “まだまだ種でしかない君が芽を出して蕾をつけて大きな花咲かせると信じてる” “こんなメンバーがいたと記憶に残してくれ” “いつか卒業する遠いその日まで僕に全てを見届けさせてよ”

加入したばかりの未来あるキラキラした3期と、全てをやり切って去っていく由依ちゃんがこの詩を歌うのズルかった。あの頃の不安げな由依ちゃんと今の3期が重なったし、キラキラした3期の目指す先、想像する“遠いその日”が“今日”の由依ちゃんであるその構図と切なさに涙がぽろぽろこぼれて止まらなかった。3期生があまりにキラキラしていて、すごく楽しみになったからこその対比で、由依ちゃんはどうしたって今日(明日)が最後なんだよなぁっていうどうしようもない苦しさが急に襲ってきて。

偶然の答えは久しぶりだった。全ツでは入った3回とも見事に引けなかったので笑。久しぶりに見たこの曲での夏鈴は、1stツアーの時ほど苦しそうでは無かった。苦しいとは違う、もう少し穏やかで、でも何かに想いを馳せるような本当に良い顔をしていた。今回メンステから最も遠い席で見ていた私は、3rd全ツの時よりもバクステが長かった(気がする)こともあって、バクステで切ない表情をする夏鈴がよく見えたし、この日の主人公が由依ちゃんだったのも良かった。

ひとりメンステに向かって歩いていく、この日の桜月の“君”は間違いなく由依ちゃんで、センターの麗奈と向かい合わせで踊る構図がかなり良かった。“大好きだったあの花”が由依ちゃんである切なさを強調させてたね。

この後のダンストラックでは由依ちゃんソロが森田ソロにバトンタッチしたけど、その時の森田があまりに凄くて、このグループの主人公は森田なんだなと改めて思ったし、一生櫻坂にいてくれと思ったし、たった一人で、ダンスだけで、あの人数を惹きつけてやり切る森田の実力を実感した。そこから演出に気合が入って達するノバフォはいつも通り素晴らしかった。この日森田が覗き込んだ三角形は“再生”を意味する左目でした。

ここから怒涛のセンター森田楽曲3連続、ここのパートでは卒コンであることを忘れさせるかのようなただただ魅せる櫻坂のパフォーマンスだったのがさすがだった。このグループは今でこそ楽曲が増えたけど、卒コンに不向きな曲が多すぎるからね(笑)、そこが好きですが。

BANのラストで森田と由依ちゃんが二分割でスクリーンに映し出された瞬間はめちゃくちゃかっこよかった。最近は3期がフューチャーされがちだけど、私は今でも森林の関係性が大好きですよ。

承認欲求は演出も凝っていて、レーザーを会場に当てる感じとか、あの心臓にも耳にも大きく響く音響とか、めちゃくちゃ代々木を感じた。最新シングルだし、仕上がりと熱の揃い方が凄くて、最高としか言いようがない。あとは衣装だけ変えてくれると尚良い。

Start over!今回のチケ代は全てこの一曲のために払ったと言っても過言ではない。優ちゃんの煽りから始まってイントロを溜めたのが良かった。会場の期待値をマックスまで上げて、赤いペンライトの海に不気味に光る紫と青のレーザー、爆発音とともにスタオバの世界に生きる夏鈴がそこにいて、私の人生を変えた3rdアニラのスタオバが重なった。サビで夏鈴が由依ちゃんの手を引きながらセンステに向かって全力で走り出したけど、あんなに本気で走っている夏鈴を初めて見た。MVの演出をステージでも再現する形で、この時間を噛み締めるように由依ちゃんを抱きしめる夏鈴が印象的だった。その後のMCで「小林さんと踊ると、楽しいともまた違う、感情が揺れ動くことが多くて、そう感情を動かされる人は初めてで」と言っていたけれど、まさにそんな感じの、まるで由依ちゃんと二人きりのスタオバの世界を生きていて、言葉でうまく表現できないけれど本当に本当に良い顔をしていた。
“今さらはダメかい?”って言う夏鈴の瞳が切なくて、何か訴えかけるようで、それに続く由依ちゃんの“僕は君の未来になるよ”は、少し含みのある笑顔で鳥肌ものだった。そのまま全員が合流したサビの熱量は物凄くて、この空間にいれて良かったなと思った。この楽曲は、自分がたとえ欅坂の記憶を消しても櫻坂を好きだと胸を張って言えるようになったきっかけの、特に思い入れのある曲で、認識としてはどうしても夏鈴の曲だったけど、あんなもの見せられて、最後の最後に夏鈴ちゃんと由依ちゃんの曲になってしまったよ、あなたって人は、今日で去っていくというのに、、、

隙間風よの歌詞は由依ちゃんそのもので(強い無気力感や希死念慮は少し違う気がするが)、あの頃由依ちゃんが抱えていた想い“僕しか感じない微かな風”の真意を、時が経ったところで私たちが知ることは無いけれど、孤独とも違う彼女にだけ見えていた本質的な部分があるんだろうなと思わされる。過度に欅坂を宗教化すべきではないって思っていただろうし、もっと私なんかには想像のつかないような部分まで考えていただろうし、でもそれを口に出すことはグループにとって特にプラスでは無いから、あの場面では口をつぐんだってきっとただそれだけ。表のよく見えるポジションに立ち続けた人ではあるけど、誰よりも陰で支え続けた人にも見える、そんな彼女が初めて代理ではなく自分のポジションとしてセンターに立つ姿にはやはりくるものがあった。ここで涙を必死にこらえる大園が映ったのもダメでした。

1期生3人でのMC。広いステージに3人、去っていった同期17人の顔が脳裏に浮かんできた。
アンコールはスタトロ曲で、懐かしいあの曲!って振りがあったから、何やるのかなぁと思ったら、大好きなイントロが流れて思わず叫んじゃったよね。個人的に風吹かは、欅坂を人生で初めて生で見た時に披露してくれた3曲の中の1曲で、あれが私にとって最初で最後の欅坂だったけど、その時のセンターも由依ちゃんだったから、あれから4年半ぶりに生で聞くことができた風吹かが由依ちゃんの卒コンだったのは、なんか感慨深くて、この先二度と聞くことは無いかもしれないし、ありがとうの気持ちも込めて全力でコールしました。とっても楽しかった。

最後をBuddiesと櫻坂の詩で締めるのは由依ちゃんらしいなと思った。きっとね、何とは言わないけど期待してきた人も多いと思うし、私もその一人なのが本当に悔しくて情けないけれど、それでもこの人は全編櫻坂楽曲のみにするくらいの人だってことも心から分かってはいて、どこまでも小林由依としか言いようのないライブだった。

8年半お疲れさまでした。
ずっとずっとありがとう。


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