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読書感想「宇宙への秘密の鍵」 ルーシー・ホーキング、スティーブン・ホーキング


この本は「読書って本当に必要なの?」という子供の質問に対しての回答の中でおす
すめされていた一冊。

ちなみに読書が必要な理由として、「新しいことを知る事ができる」とか「人の気持
ちを推し量ることができるようになる」などいくつかの項目が挙げられており、その
項目ごとに何冊かの本が紹介されていた。
そしてこの本は「新しいことを知ることができる」という項目の中にあった一冊。


私は以前から児童書、YA図書侮るなかれと主張してきた。この本も侮ってはいけない
。子供だけではなく私のような宇宙とは縁遠い大人にも新しいことをたくさん教えて
くれた。


著者はあの有名な「宇宙に一番近い男」、ホーキング博士の娘さん。そんな彼女が書
いた児童書というだけでも興味をそそられる。


電気は自家発電、食べ物も着るものも自作という徹底した環境運動家の両親を持つ主
人公の少年。彼は宇宙や科学に興味津々。パソコンが欲しいけれど親には買ってもら
えるとは思えない。

そんな彼の家の隣の荒れ果てた空き家にあるひ誰かが住み始めた。
科学者のエリックと娘のアニーだ。
そしてそこには最新モデルのコンピューターコスモスが!!


少年少女の冒険話の中に宇宙の謎がぎっしり。読み手も一緒にバーチャル宇宙旅行を
楽しむことができる。しかもたびたび挟まれる開設で宇宙トリビあも補強される。
一粒で二度おいしいグリコ構造だ。


私は苦手分野は子供向けの本を読むことで少しは克服できるのではないかと考えては
いたけれど、これもなかなか難しい。お話の筋は追って行けるけれど、物理や天文の
詳しい説明のところになると脳がフリーズする。

今回も苦手な理科に少しは近づけるかと思ったけれど、宇宙があまりにも壮大すぎて
早々にドロップアウトした。

太陽の100倍くらい大きい恒星とかもうよくわからん(汗)
相対性理論のE=MC二乗という公式、Cが光の速さでその値が大きいから少しの質量で
も莫大なエネルギーを生み出せる。だから核爆発も起こせるとの事だったが、光の速
さが想像できない。一体どんな数字なのか。

そして物理はいつも赤点だった私が今回学んだことは、質量と重量は違うという事。
説明されればそっかと納得できるけれど、考えたことすらなかった。
惑星でも衛星でも大きさにより重力が変わってくるそうだ。だから月の上だと地球の
上より軽くなるし、高い山の上だと地面より離れているから体重が少し軽くなるらし
い。


そして冒険の山場、最大のピンチを迎えるブラックホールの話は興味深かった。これ
もホーキング博士の発見なのかな。SFアニメとかを見ていてもブラックホールに落ち
たら存在すらもなくなってしまうという認識だったがどうやらそうでもないらしい。


最後に環境運動家のお父さんと科学者のエリック、この対極にあるはずの二人が地球
を守っていくにはどうしたらいいか何が地球にとっていいのかを考える。
対極にあるはずの二人が実は地球を守るという同じ目標を持っていたのだ。
アプローチが違っても実は目指している方向は同じだったなんてことは実社会でも少
なくないはずだ。対立する前に歩み寄る努力ができればなんてのは理想論だとは思う
けれど、その理想は忘れないでほしい。


もちろんこう言った冒険物語にはもれなく出てくる悪役も登場する。
近所の悪ガキたちも巻き込んでスーパーコンピューターコスモスを狙ってあれやこれ
や画策してくる。


ストーリーは単純明快だけど、大人も子供も宇宙のアドベンチャーに夢中になれる事
間違いなし!!

とは言えやはり私は理科の類は脳が受け付けないという事を再認識させられた。

以前読んだ子供向けの科学本も読んだはいいけれどほとんど頭に入りませんでした(
涙)
どうして昆布は海の中でだしが出てしまわないのかという質問にも回答があったので
すがその発想の面白さだけが頭に残って、理由はすっかり忘れてしまいました(獏)


この質問もそうだけれど、空気があるのが当たり前、物が上から下に落ちるのは当た
り前そんな当たり前になぜだろうという視点が持てる事が発見の始まりになる。

「子供電話相談室」には時々目からうろこな質問が飛んでくる。
回答者も答えに四苦八苦してたりもするけれど、脳が固定観念で固まっていない若い
人たちにはそんな当たり前を不思議に思う感性をぜひ大事にしてほしい。
そしてその感性をより研ぎ澄ませるために本は大きな助けになるはずだ。

子供も大人もみんな本を読もう!!

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