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見えなくてもバカだと思われたらそこで試合終了

どうやら重度視覚障碍者は世間的には「何にもできない人」認定されているようだ。

全盲の人が、自宅で冷蔵庫の中から飲み物を出して飲んでいたらヘルパーさんに驚か
れたという話を聞いてこちらがびっくり!!。
ヘルパーさんなら障碍者や高齢者とは普通の人よりは付き合いがあるだろう。一体今
までどんな視覚障碍者と出会ってきたのだろうか。

銀行に一人で行った時も私は働いていないという前提で対応された。会社の名刺を見
せた時には担当者がえらく驚いていた。
障碍者の法定雇用率を求められるのは大きい会社。そんなわけで障碍者は大手企業に
勤めている人が多い。私ももれなくその一人なので、背景を知らない人は私が勤めて
いる企業名を見てびっくりする。一方、それを勘違いして自分が優秀だと思ってしま
うおまぬけ障碍者も少なからずいるのはまた別の話。

落とした社員証をヘルパーさんと取りに行った時も、落としたのが社員証と聞いて、
ヘルパーさんが驚いていた。
「大事なものって聞いていたからお財布かなんかだと思っていた」と言われた。彼女
は普段から視覚障碍者を家に招いたりして交流があるらしいが、その中に働いている
人は一人もいないとのことだった。杖を持つのが嫌なので、杖なして来る人もいるら
しく、暗くなって視界が悪くなると彼女に家まで送って行けと言うらしい。私はとり
あえずそういう人は外に放り出せと言っておいた(獏)


確かに見えている人がいきなり目隠しされたら何もできないだろう。それで「目が見
えなくなったら何もできない」と思うのは仕方がない。
でも、多少視覚障碍者と交流がある人にさえ無能認定されるのはどういう事だろうか



見えない人がガイドヘルパーをお願いするのは権利だとは思うけれど、飲み物をカバ
ンから出してもらったり、「おかんか?!」みたいなことまでやってもらうのはどうか
と思う。ガイドヘルパーの仕事はあくまで外出支援とそれに付随する読み書きであっ
て何でもかんでもやってくれというのはお門違い。

確かに見えないと何をやるのも見えている人の5倍は大変なので、頑張ればできるこ
ともヘルパーさんにやってもらう方が楽だし失敗もない。しかしあくまで他人は他人
である。何でも丸投げの人はそこでお財布からお札を抜かれたり、クレジットカード
の番号を盗まれたりする可能性だってないとは言えない。

そして、こんな何でも丸投げの人がいるから、視覚障碍者は、自分で判断することが
できない、自分の管理すらできない、つまりバカだと思われてなめられてしまうので
ある。


先日視覚障碍者の友人が別の視覚障碍者にスマホの使い方を教えに行ったときの話。
教わる方はガイドヘルパーと来ていた。寒いので駅の近くにあるカラオケルームに連
れて行ってほしいと言ったらしいが、面倒だったのか、なんか適当にごまかされて誘
導してくれなかったらしい。仕方がないので近くの公園のベンチで教えたらしいが、
飲み物でも買ってきてもらおうかと思ったら、そのガイド、どこかへ行ってしまった
そうだ。それから、頼まれていた2時間が過ぎたころにちゃっかり戻ってきたとか。
その間にトイレに行きたいとか、何かアクシデントがあったらどうしていたのだろう


スマホの先生をやっている友人はかなりあきれていたが、習いに来ていた人はあまり
ピンと来ていなかったらしい。友人は自分のヘルパーではないので何も言わなかった
そうだがそのヘルパーの質の低さに驚いていた。

しかしこのような事はヘルパーの質の低さだけが問題なのだろうか。私にも身に覚え
があるが、、「なめても大丈夫」認定をした相手には手を抜きがちになる。こいつ、
どうせわからないからいいか。


障碍者サイドも全部丸投げにするのではなく、自分の目的は何で、どのような援助が
必要かは明確に伝えなければ、いけない。
少なくとも自分の持ち物は自分で管理しなければ、お金を取られても文句は言えない
だろう。


また別の視覚障碍者が一人で外食をしていたら、突然知らない人が前に座って解除を
すると言い出したらしい。その人はヘルパーの資格を持っているという事だった。い
やいやだから何なのだ。
障碍者の方は一人でゆっくり食べたかったのでお断りしたところ、逆切れされ、「か
わいくないと損をする」と捨て台詞を言って去っていったらしい。

その人は格下の人間に対して施してやることにカタルシスを得るタイプなのか、それ
ともヘルパーだなんて言って油断させて、宗教に勧誘したりなにか売りつけたりしよ
うと思ったのか。

その人が本当にヘルパーの仕事をしているなら、関わってきた障碍者たちの多くが丸
投げタイプの人だったのではないかという背景がうかがわれる。

私だったらどこで訓練を受けたか、所属している事務所はどこだと根掘り葉掘り聞き
、その事務所にクレームを入れるだろう(笑)

とにかく必要以上に警戒することはないけれど、人にお願いする限り、障碍者サイド
もなめられないようにしなければいけない。
そして相手が悪いと被害者面する前に、相手に付け入るスキを与えてしまった自分
に反省しよう。

実際、見えないと大変だけど、結局自分を守るのは自分。物価は上がっても年金は下
げられる。必要なのはお金と人材。福祉の上に胡坐をかいていられなくなる日も近い
かもしれない。
いろいろできないし面倒だしやってもらった方が楽だけれど、せめて気持ちだけでも
人任せにしないよう強くありたい。

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