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エシカルな服に衣替えしよう!アメリカ発のサステナブルアパレルブランド5選

みなさん、こんにちは。NY在住MBA学生ライターのユカです。

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現在、「持続可能な」という意のサステナビリティという言葉は、私たちの衣食住に深く浸透しつつあります。CSR (Corporate Social Responsibilityの略で、企業が社会に対して責任を持って、社会と共に発展していくための活動) を重視し持続可能であることは、実際に社会貢献をし問題を解決するだけでなく、ブランドとしての評判を向上することにも繋がります。ファッション業界も少しずつではありますが最近はエシカルであること、そして循環ファッションを意識することが「当たり前」となってきているのです。

以前、ご紹介しましたヴィーガンアパレルとも似た方針だと思った方もいるかと思います。今回の記事では、アメリカベースのサステナブルなアパレルブランドをご紹介しようと思います。

1. 100%廃棄の出ない服作りをNYで -zero waste daniel-
2. プラスチックが服に生まれ変わる -Everlane-
3. オーガニックコットンの下着や部屋着なら -pact-
4. 生分解性のあるパッケージで包装廃棄の問題を解決 -Alternative Apparel-
5. 100%カシミヤ製品をリーズナブルな値段でお届け -NAADAM-

1. 100%廃棄の出ない服作りをNYで -zero waste daniel-

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(出典:TripAdvisor)

zero waste daniel (以下ZWD)は、Daniel Silverstein氏によって創設された服の廃棄物を一切出さないNYベースのアパレルブランド。INSIDER、BuzzFeed、NowThis Newsといった著名なメディアにも取り上げられたり、ジェニファー・ハドソンやクリステン・ベルのようなセレブがレッドカーペットイベントに着用したりと、知名度の高いサステナブルブランドの1つです。

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(出典: Zero Waste Daniel)

ZWDの特徴は、その製造過程と使用される生地。一般的な服の製造過程では、大量の水や生地の廃棄、また余剰在庫が多く排出されます。服のゴミは今や社会問題の1つにもなっていて、様々なブランドが服のリサイクルを行なっているものの解決への道のりは見えてきていません。
ZWDでは、何トンもの余った衣類廃棄をReRollという名の特殊な技術を使い、寿命がきてしまった服の端切れを縫い合わせることによって新たな生地に再生。完成した生地は他ブランドに卸しているほか、自社で商品開発も行っています。
ZWDの服は全てユニセックスで、ブルックリンの工房で生まれます。

廃棄を出さないアパレルブランドのパイオニアとして名を馳せたZWDは、実は2019年5月に阪急うめだ本店で期間限定のNYフェアでポップアップストアをオープン。そこで最先端の循環型ファッションを人々に広め、日本での知名度向上に貢献しました。

2. プラスチックが服に生まれ変わる -Everlane-

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(画像:everlane

毎日着るようなベーシックな商品を販売しているエシカルブランドがEverlane生産とビジネスの透明性を重視し、商品の製造コストを細かく公開しているユニークな企業でもあります。2010年にサンフランシスコで設立されたブランドで、高品質のアパレル製品を公正な賃金を払うなど労働環境の整ったエシカルな工場で製造しつつ、低コストで販売しています。

Everlaneで注目すべきはReNewコレクション及びRe:Downコレクション。

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(出典: Everlane)

ReNewコレクションは、ペットボトルをリサイクルした繊維から出来たアウターウェアのコレクションです。Everlaneでは、廃棄されたペットボトルを工場に集め、仕分け・洗浄した後に融解し、繊維に加工します。本コレクションでは、合計で1400万本ものペットボトルがリサイクルされ、新たなアパレル製品に生まれ変わりました。

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(画像:everlane

Re:Downコレクションは、不要になった布団やダウンジャケット、枕の羽毛を再利用した商品のコレクションです。ヨーロッパ中の収集場から集められたダウンは、洗浄・除菌されたのちに品質チェックを経て、新たなダウン商品として市場に戻されます。Re:Downコレクションでは、2万円以下の比較的リーズナブルな価格でダウンジャケットを購入することが可能です。

Everlane自体も、2021年までに製造過程でのプラスチック廃棄ゼロを掲げ、製品にも化学繊維ではなくリサイクルされた繊維のみを使用するとしています。また、オフィス内でも使い捨てプラスチック製品をゼロにするという取り組みを掲げ、会社総出で環境に良いインパクトを残すべく本気で取り組もうとしているのが分かります。

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(画像:everlane

3. オーガニックコットンの下着や部屋着なら -pact-

部屋着や靴下もエシカルに!筆者も実際にpactから下着を購入して使用しているので、自信を持ってオススメできるブランドです。

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(画像:pact

pactは、2009年に設立されたオーガニックコットン製品を販売する企業部屋着、下着、靴下などを中心としたラインナップを展開しています。商品は100%オーガニックコットン。オーガニックコットンは、洗濯の過程で従来のコットン製品に比べて95%も使用する水の量が減らせることから、環境にも優しい素材なんです。また、pactはオーガニック認証の中でも世界的に認められた国際基準GOTS(Global Organic Textile Standard)認証を受けているので、信頼のおけるブランドです。
加えてpactでは、フェアトレード認証も受けているので、自社商品がエシカルな労働環境で製造されている保証をしています。

PACTの下着は、柔らかいのはもちろん、丈夫でもあります!毎日肌に触れるものなので、ぜひとも良い生地の製品を使いたいものです。

4. 生分解性のあるパッケージで包装廃棄の問題を解決 -Alternative Apparel-

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(画像:Alternative Apparel

1995年に創設されたエシカルブランド Alternative Apparel (以下、AA)は、新たなゴミ問題として昨今話題になっている包装や梱包材を生分解性のある素材に変えた企業です。
Amazonなどの従来のオンラインストアで物を購入すると必ずついて回るこの包装問題。段ボールや緩衝材はゴミとしてどんどん溜まっていき環境に多大な負荷を与えます。

AAでは、oxo-biodegradableと呼ばれる酸化型生分解性プラスチックの梱包材を使用することで、1年に2000本の木を保全し、86万ガロンの水、そして120トンものCO2を減らすことを可能にしました。

その他にも、AAでは商品が製造される工場がWRAP(Worldwide Responsible Accredited Production)という合法的・人道的・倫理的な製造に関するコンプライアンス認証を受けていたりとエシカルな労働環境であることを保証しています。

5. 100%カシミヤ製品をリーズナブルな値段でお届け -NAADAM-

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(出典: adweek)

興味をそそる広告とNY市内の地下鉄中の広告で注目を集め、一気にその認知度を上げたのは低価格で100%カシミヤの製品を販売するNAADAM

カシミヤというと、動物保護の観点から議論の的になることの多い素材でもあり、偽装カシミヤや、死骸毛と呼ばれる低品質なカシミヤ製品の流通、製造過程での有害物質の混入など、カシミヤ製品製造の裏側には常に数々の倫理的問題が隠れていました。

NAADAMでは、製造過程の透明性とサステナビリティに重点を置くことで「カシミヤの民主化」を掲げています。つまり、どのような生産工程を経て製品が出来上がるのか、流通経路をお客様に明確にしているのです。
モンゴル産のカシミヤは、ほぼ全てがオーガニック製品。NAADAMでは、非営利活動を通して現地の遊牧民の生活支援をしたり、25万頭以上のヤギに獣医によるケアを提供したり、ヤギの飼育プログラムを導入したりと、エシカルな環境でカシミヤが取れるようにブランドとして取り組んでいます。

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(画像:NAADAM

また、NAADAMは仲介業者を挟むことなくお客様に商品を届けています。高価なカシミヤ製品を、D2Cという形で販売することでコストを下げ、動画などで効果的にPRをすることでマーケティングに成功したブランドです。

いかがでしたか?

ファッションブランドが環境を意識していることは、まずブランドとしての価値を高めるだけでなく、実際に世界規模で環境に対して良い足跡を残すことにも繋がります。また、少なくとも欧米では、消費者のニーズが環境に配慮のあるものに変化していることもあり、グローバルな市場で衣類を販売する場合は、製造過程のみならず輸送・梱包もサステナブルになるようブランドとして最大限の配慮を施さなくてはいけません。
サステナブルとはほど遠いファストファッションの王道ブランドForever 21の破産からも分かるように、最近は「ファストファッション」そのものも衰退気味。マーケットシェアと消費者のニーズに対応しながら、ブランドとしてよりサステナブルな商品を開発していくことがこれからのアパレル業界に求められるのではないでしょうか。

<ライター:ユカ> 何となく旅行とか、洋画とか、読書とか、瞑想とか、健康的な食事とか、世界情勢とか、環境保護とか、人間のこととか、心理学とか、アートが好きです。いまのところ20代、いまのところNYC在住のトリリンガルの女の子です。

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