Blender ビューレイヤーとコレクションの理解
Blenderの、シーンとビューレイヤーとコレクションの関係について、改めてお勉強してみました。忘れないうちに記録しておきます。間違いがありましたら教えていただけると嬉しいです。
シーン
Blenderの用途によっては、シーンの存在は普段気にしないと思います。画面右上に切り替えるUIがあります。
シーンは、用途的には文字通り「場面」です。空間的に違う場所です。家とお店。森とお城。鎌倉時代と江戸時代。これらを同じBlendファイルで表現したいときに、シーンで分けます。
Blenderで作る物が画像だとあまり恩恵感じませんが、ストーリーのある動画の場合必須だと思います。
機能としてのシーンは、出力単位です。シーンごとにPNGやAVIファイルが生成されます。この画像や動画は、1つ以上のレンダーレイヤー(レンダリング結果)を画像合成=コンポジットした結果です。素材となるレンダーレイヤー(レンダリング結果)を作るのがビューレイヤーです。
なので、シーンの違いはビューレイヤーの違いであり、ビューレイヤーの違いはレンダリング対象の違いであり、オブジェクトの違いです。オブジェクトが変われば違う「場面」を表現できます。
ちなみに、シーンごとに使用カメラは決まっています。同じ「場面」を違うアングルで写したいときは、別シーンにするしかないかもしれません。
ビューレイヤー
ビューレイヤーは、シーンの一部です。画面右上に切り替えるUIがあります。
ビューレイヤーの概念を直観的に捉えるには、こういう言葉で言い換えるとピンと来るかもしれません。いわば「レンダリング枠」「レンダリング単位」です。
ビューレイヤーごとに、3Dのレンダリングが実施され、その中間結果を2Dで合成(コンポジット)して、それがBlenderの最終出力となります。
ビューレイヤーはどのオブジェクトをレンダリングするかの情報を持っています。これはオブジェクトを個別に設定するのではなく、グループで設定します。このグループがコレクションです。
ビューレイヤーはシーンに埋め込まれた存在で、シーンの一部です。同じビューレイヤーを複数のシーンで共有するようなことはできません。
コレクション
コレクションは箱の形をしたアイコンで表されます。
コレクションはオブジェクトをグループ分けするためのものです。OSのフォルダのようにオブジェクトを入れるようなイメージです。ただ、1つのオブジェクトを複数のコレクションに追加できたりするので、フォルダというよりはタグ付けのような性格です。
コレクションは互いに親子付けのようなことをすることができます。公式の用語だと、ネストです。例えばコレクションBとCをコレクションAに含めると、コレクションBとCを、コレクションAの一部として一括で管理することができます。1つのコレクションを2つ以上のコレクションに含めることもできるので、厳密にはツリー構造ではありません。
コレクションには2つのタイプがあると思います。ひとつはシーンコレクション、もうひとつは自作のコレクションです。
シーンコレクションは、シーンに必ず1個だけ存在するコレクションです。シーンと一体化していて引きはがすことはできません。
自作のコレクションは、ユーザーが自分で作ったコレクションです。自由に名前を付けられます。他のコレクションにつなげることができます。大体の場合は、シーンコレクションから繋がってるはずです。
シーンコレクションの最大の特徴は、そのシーンのビューレイヤーの描画対象に必ず含まれているということです。除外することができません。なので、そのシーンでどんなビューレイヤーからも必ず描くオブジェクトは、シーンコレクションに入れておくといいはずです。
各オブジェクトに対するコレクション設定の操作は、いろんな方法があります。オブジェクトを選択してMキーとか、アウトライナーでドラッグ&ドロップするとか。
個人的におすすめなのが、プロパティエディターのオブジェクトタブ、「コレクション」からアクセスする方法です。わかりやすくて確実だと思います。(ただし、シーンコレクションへの追加だけは、この画面ではできないっぽいです。)
例
ここまでを踏まえて、ビューレイヤー&コレクションの構成例を考えてみます。あえて複雑な設定にしています。
ビューレイヤーAXは、カメラNを使って、オブジェ0、1を描画する。
ビューレイヤーAYは、カメラNを使って、オブジェ0、4を描画する。
ビューレイヤーBWVは、カメラMを使って、オブジェ4、5を描画する。
ビューレイヤーBVは、カメラMを使って、オブジェ5を描画する。
オブジェ2とオブジェ4は、シーンA、シーンB両方に含まれている。
カメラMはシーンAに含まれていて、シーンBには含まれていないが、シーンBのビューレイヤーで使われる。(カメラはどのコレクションにあってもいい。)
オブジェ2とオブジェ3はどのビューレイヤーでも描画されない。
さらに、オブジェ3はどのコレクションにも属していないので、アウトライナーにおいても、通常の表示モード(「シーン」と「ビューレイヤー」)では表示されなくなる。
ゲーム制作などをやっていてBlenderをモデル作成のために使っていると、シーンやレンダリング周りの機能はあまりなじみが無い感じになると思います。でも知っておいた方がトラブルに強くなるし、なんのかんのプリレンダの画像や映像も作れた方が、ゲーム作りに役立つし楽しいので、覚えておいて損はなさそうです!
以上です~~
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