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待ちぼうけ?


たまには、俵万智さんの歌より…


ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気あめ
(『かぜのてのひら』より)







>>愛し合っていても結婚できないという
ふたりの話だという

通常の読み方をすると、愛し合うという
陽光の下にいても、そこで雨に濡れている、そういう妻子ある男性との不倫の恋愛物語だった。

だからこれは、ひかれあっているだけでいい、
結ばれあうことをけっして望まないふたりの話である。

ふたりは未来を描くことを禁じられている。
ただふたりには、思い出だけが許されているのだ。



>>恋愛していて楽しい人と、
結婚して幸せを感じる人は違うと思って、結婚している私。

人によって好きになるタイプも違うし、家庭における幸せの感度も違うから、私のこの考え方が正しいとか正しくないとか言えないけれども、少なくとも、現時点での私における私への考え方はこれだ。

だから、結婚しても、実はまだ好きな気持ちが続いている人がいる。

たぶん、一生好きなんだろう。

彼も私に密かに好意を寄せていたという噂を耳にすると、ほんと、俵万智の歌のような気持ちになる。
これで良かったんだって思っているけれど、
でも心の奥でくすぐったい感じのする、無理に笑っているときの感覚に近い。

この感じを「天気雨」で表現しているところが、この歌のなんとも絶妙なところ。
うん、まさに天気雨みたいな感覚なんだよ。
この気持ちは。

あのとき、ちゃんと真っ直ぐに想いをぶつけていたらどうだったかな。
もし、彼が結婚するなら、相手に嫉妬してしまうな。
ちゃんと夢に向かって邁進しているかな。

あぁ、あのとき彼が飲んでいたお酒だ。
これは、彼が私に読むように薦めた本だ。

あの夏、始めて手を繋いだんだっけ。
今、結婚して幸せにしてるって、なんか言いにくいな。
会いたいな。
こんな想いを抱えているなど、ご主人にはもちろん、友達にも言えず、やきもきすることがある私。

恋愛と結婚が一直線上にあれば、このような秘密の想いを抱くこともないのだろう。
ふとした瞬間に、昔のときめきを思い出しては、胸が熱くなる。
そして、あーダメダメって思いながら、でもまた思い出しては浸ってみたり。
そんなことしながらも
「帰ってくるの待っているね(^-^)v」
なんてご主人にメールをする私。

これがエスカレートすると、きっと浮気になるんだろう。浮気は犯罪だ!と言わんばかりに社会からめちゃくちゃに言われているけれど、 
本当は誰しも、私が今秘めている想いに似たような想いを持っているんじゃなかろうか。
一線を越えていないだけで、浮気予備軍に近い心理状況には誰しもなってるんじゃないか。

一線越えるまい、と自分に言い聞かせるために、
異常なまでに浮気について言及するんじゃなかろうか。 

ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気雨

この歌を思い出して、また健気な主婦に戻る。


>>奪いたいとかいつもいっしょにいたいとは思わない。

人のものだとわかってる
けど惹かれてゆく
今のまま このままいつまでも
別れたくない
別れたくない

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