第15話 山梨③ スペシャルライブ

バーベキューの後は、
楽しみにしていた
スペシャルライブ！

バーベキュー会場でそのまま、
しかも、私たちの座っていた
テーブルの目の前がステージだった。

一段高くなっているわけではない。
しかも…めちゃくちゃ近い。

私の座っていた席は、
けんちゃんのすぐ近くだった。

ギターのネックが
自分に刺さるんじゃないかというくらい
(さすがに刺さらないけど笑)

初めて聴く4人での演奏は
この曲だった。
「ハッピーラッキーデイ」

♪みどりの アーチをくぐりぬけて

歌い出しのこのハーモニー！

これだけで掴まれた。
真に、ニコルズの虜になった瞬間だった。

私はだいちゃんが好きで
今日ここに来た。

でも、素敵なのは、
だいちゃんだけじゃないんだ。
4人が奏でる、「D.W.ニコルズ」の音楽。
4人にしかつくれない、この空間。

だいちゃん
まなんちゃん
けんちゃん
あいちゃん

4人がつくる、「D.W.ニコルズ」の世界。

そして
それを愛し
それを求めて集まった
ファンの人たち。

両者がひとつになる場所。

それがライブなんだ。

平凡かつストレスだらけの日常とは
真逆の時間。

幻を見ているかのようだった。

※後日、この幻の時間を録画した
DVDが郵送されてきた。
幻ではなかった！笑

おねだりアンコールでは
「はるのうた」

ここでもやっぱり私は、
このうたと出会えた。

感慨深くて涙が出た。

♪庭の花咲いたよ 今度見においで
いつでもいいから

「いつでもいいから」
この一言のあたたかさで
私はだいちゃんのことが好きになったのだ。

張り詰めていた心の糸が
フッと緩んだのがこのフレーズだった。

なんだか、
救いの手を差し伸べてもらえて、
心がスッと軽くなるような。
そんな気がした。

そしてその、うたを盛り立てる
3人のメロディーやリズムも、
とても大事な役割を果たしている。

そんな当たり前のことを
それまでどうして気づけなかったのだろう。

この日のライブは私にとって
特別な意味を持つものとなった。

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