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死に至る道の途中から。

今日は新幹線の中から。

先週半ばに、家族からコロナ感染者が出て、そこからドミノ倒しみたいに家族全員が病人になりました。
とはいえ若干のタイムラグがあったおかげで、一番最後のわたしが寝込む頃には、最初に罹った夫が家事をできる程度に回復していたのが、不幸中の幸いというやつです。

家族の全員が感染未経験で、「もうこのまま罹らずにイけるんじゃなかろうか?」と甘いことを考えていたんだけど、それがバレたのかもしれません。
最後に罹ったわたしの症状がいちばんヒドく(と、わたしは思っている)、喉が痛すぎて水を飲むのすら辛い。とうぜん、唾液も飲み込めなくて、寝ていても無意識に唾液を飲むことを拒否してしまい、口に溜まった唾液で溺れそうになって目が覚める、を夜中に何度も繰り返し、小刻みにしか眠れないから、さらに治らないという悪循環でした。

気力が削られると、ちょっとだけ死に近づく気がします。後から考えたら単なる笑い話だけれど、誰でも一度は病中に「このまま死んだら…」と考えた事があるのではないでしょうか。

そんな時でした。
義母が身罷ったという連絡が届いたのは。

という訳で、隔離期間を超えた今日、夫の実家である福岡に向かっています。

夏に会った時、母は自身の半生について語ってくれました。
身体は少し辛そうでしたが、笑顔で、

「これが、わたしの人生ったい。
 幸せやったとよ。」

と言いました。

わたしに向かって話しているようで、
隣りでそっぽを向いていた義父に言っているようでもありました。

あの言葉のおかげで
わたしは心穏やかに義母の元へ向かうことができています。

わたしも、死に至る道半ばにいるもののひとりとして、
幸せな人生を歩んできたということを、おりに触れて大切なひとたちに伝えていこうとおもいました。

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