Numbers
「ハロー。きみに嫌がらせしていたあいつが、いまジムに来てるよ」
ひさしぶりに晴れた土曜日に、そんな連絡が来たのだった。
連絡してきたのは、ジムで知り合った男1。
こっちはただの近所の知人くらいの気持ちで関わっているつもりだけれど、彼にとっては違うのかもしれない。
確認のしようがない。彼は日本語が使えない。
最近、英会話教室に通い始めたわたしだけれど、まだそんな不快な気持ちを伝える力はない。
伝えられるようになったら、何が嫌だったのかをめいっぱい伝えてやりたいという気持ち。わたしの原動力は基本的に負の感情みたいだ。
「そうなんだ、スタッフの人には連絡したよ」
翻訳機能を駆使して連絡を返す。
ただでさえ、気分が落ち込んでいる週末なのに、やめてほしいよ。
こっちからしたら、嫌がらせの男2も、連絡してきた男1もさしてかわらず迷惑なんだから。わたしにかまわないでほしい。
「ねえ、もうちょっと右側をそっと舐めてよ」
イライラした気持ちで、わたしの股に舌を這わせていた彼に伝える。
何か言いたそうにこっちを見上げるから、スイッチをすこし強くしてあげた。
「・・・ああっ・・!!」
嬉しそうに声を上げたので、すこしイラついた気持ちが収まってきた。
「ねえ、ちゃんとご奉仕できないのに気持ちよくなってるんじゃないよ。」
「ごめんなさい」
尻にバイブが入っている男3は、膨張していまにもはじけそうな陰核からガマン汁を垂らしながら、わたしの小陰唇を丁寧に舐め続ける。
「あ、良い感じ、上手・・・」
ーとぅるるるるる
すべて忘れて、イクことに集中しようとしたときにケータイが鳴った。
「もしもし?うん、どしたの?うん、起きてたよ」
ーなにしてる?今日さー、飲みに行かない?
「うん、もちろん行く!!」
大好きなジョージから連絡がきて、わたしは女1になったのだった。
おわり
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