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あっちとこっちの間

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記事一覧

サロンモデル

「サロンモデルになったんだよね。美容師なりたてのころにさ、カットモデル探すの大変だった経験あったから、後輩に頼まれて断れなくてさ」

ホテルの一室で美容師のだいちゃんが、つるつるになった陰部を見せてきたのだった。
彼が実験台になったのは美容室じゃなくてメンズ脱毛サロンだった。

「そうなんだ、なんか・・・気分じゃなくなったから帰るね」

わたしはそれを目の当たりにして、もうなにもする気が起きずに、

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Hospital 

「彼はね、すっごく雑なんですよ、アシスタントを何だと思っているんでしょう。人間じゃなくて、アシスタントって生き物と思ってるんですかね、すっごくすっごく失礼ですよね。」

脳みそに感情と文字があふれ出て、とまらないため、わたしが数か月前から通い始めたクリニックの先生はカニだった。

彼女はその綺麗な脚とハサミでカルテを眺めながらわたしの話を聞いてくれる。

「そうよねえ、そんなの腹が立つわよねえ」な

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Numbers

「ハロー。きみに嫌がらせしていたあいつが、いまジムに来てるよ」

ひさしぶりに晴れた土曜日に、そんな連絡が来たのだった。
連絡してきたのは、ジムで知り合った男1。
こっちはただの近所の知人くらいの気持ちで関わっているつもりだけれど、彼にとっては違うのかもしれない。
確認のしようがない。彼は日本語が使えない。
最近、英会話教室に通い始めたわたしだけれど、まだそんな不快な気持ちを伝える力はない。
伝え

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今日のできごと

おはようございます、今日も良い1日を。

そうやって、送り出される。
白い扉を開けて外に出ると、そこは想像していたよりも、ごちゃごちゃとしていて、灰色だった。

この時期特有の湿気と気だるい気温で、自律神経がおかしくなる。
満員電車に乗ると、とがったヒールパンプスの踵で指先を踏んづけられた。
痛みで思わず声が漏れる。

結局、電車を降りるまで、踏みつけられた指先は痛いままだった。

電車を降りて歩

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50歳になったら

「50歳までに結婚してなかったら一緒になろ」

酔った31歳のわたしは、彼のモノを咥えながらそんなことを口走ったのだった。酔った時の「好き」なんて信用できない、なんてセオリーを真に受けて、答え合わせは19年後にすることにした。

あんたはそのとき「いいよ」って笑ってペニスを私の膣内に埋めたけど、わたしとあんたは8歳くらいの年の差があった。それに気づいたわたしは、どっちが50になったら?って聞いてこ

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穴の魅力について

「ねえ、いつだったら空いてるの?お尻、いじめてよ」

いま流行りの若手俳優に似た自由業の彼が、俺の尻を責めろと連絡してくる。

わたしはそんな生活に若干嫌気がさしてきていた。自分の尻の穴くらい、自分で管理してほしい。

でも元はと言えば、わたしが酔っぱらって彼の尻穴に指をつっこんではしゃいでしまったからそうなったんだろうと思う。いつもそうだ、わたしは人と酒を飲めば楽しくてはしゃぎすぎるし、それをそ

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おしり屋さん

「へい、イラッシャイ!!今日はいい尻入ってるよ!ぴちぴちなのからバァーンとでかい熟したの!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!」

ひさびさの平日休みで、昼間から清潔感とはかけ離れたおじさんたちに混ざって立ち飲みで一杯ひっかけてから商店街を歩いていると、威勢の良い商人がおしりを叩き売りしていた。

おっぱい派のぼくだけど、たまにはおしりもいいかもしれないと思って見てみると、そこには色んな尻が並んでい

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1番の価値

「ねえ、なんであれが1番だったんだろうね」

「そんなのぼくは知らないけど、みんなわかりやすいものがすきなんじゃない」

そう、みんなあれの何がよくて1番にしているのかなんてわからないものなんだ。とくに感性を必要とするジャンルでは。

「だって、わたしたちのグループは、機能性もコストもちゃんと考えてつくったのに、おかしくない?なんにもわかってないよ」

「そうだよね、でも、ぼくはぼくたちのグループ

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いつものバー

カランコロン・・・

見かけによらず、軽い木の扉を開ける。今日はだれがいるだろうかと、わたしに戻るためのあの扉をゆっくり開ける。

「こんばんわ」

「あっ、こんばんわ」

マスターはわたしがいつ行ってもびっくりした反応で、わたしが来るなんて予想してなかったみたいなリアクションをする。それは、わたしが決まった日や時間に行かないからなんだろう。

薄暗い店内には長いカウンターが何席かと小さなボックス

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ミーティング

「おはようございます、今週もよろしくお願いします。」

日常の中に飲み込まれてつねに睡眠不足で、なにも考えたくない。このひとは、どんな人間だったっけ?敵なのか味方なのか。部長の生え際を見つめながら考える。

毎週のミーティングに出るとすぐに頭がボーっとして意識が朦朧として自分が何者なのかわからなくなる。そういえばこの間寝た彼はどんな顔だったっけ、わたしのパンティを嬉しそうにしゃぶっていた彼の、唇は

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トイレはこちらです

ここのところ寒いせいか、トイレが近くて堪らない。30分ないし15分に1度は尿意に襲われているかもしれない。

ほら、そう言っている間にもう行きたくなってきた。さっき目一杯我慢しながら目的の居酒屋に入って、ビールを一気に飲み干した。途中から漏れそうだったけど、限られた時間の中で酔いたかったわたしは我慢してそのまま次の予定のために電車に乗った。

出がけにトイレに行ってから出たらよかったのに、その日の

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