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『バーチャル引きこもり』の話

僕は壁の中に引きこもっています。
ず〜っと引きこもっていて、外から人が来るのを待っているだけの、スーパーパッシブマンなのです。

僕と他人の間には壁が存在していて、それを壊す事ができない。

僕が他人と接するとき、距離感はめちゃくちゃで、言葉はぐちゃぐちゃで、感情表現に乏しく、無口で、口を開いた所で面白くはなく、常にぎこちなさを抱えている。

どうして普通の人はぎこちなく接する事ができるのか、普通に接する事ができるのか、それがわからない。

そもそも経験値が足りてないと言われればその通りで、レベル50のリザードンやカメックスが跋扈する社会の中で、僕はレベル5のフシギダネでしかない。
グチグチ書いてないで外に出て他人ともっと話せ。

英語圏に「Touch Grass」という便利な煽り文句がありまして、これは「ネットばっかやってねえで外出ろ」の意……なはずです。細かいニュアンスに違いはあるかもしれませんが。

さて、そもそも論ですが“別に外に出なくても他人との交流はできる”んです。というか、インターネットはその点において現実を遥かに凌駕しています。

SNSでもチャットでも何でもいいですが、どこかに行けば人がいて、話しかければ会話が始まる(かもしれない)。道具は別に文字だけじゃない、通話の一つでも繋げばよりリアルに近いコミュニケーションを取る事ができる。それこそ今流行りのメタバースなんかは、限りなくリアル寄りのコミュニケーションが展開されている場でしょう。

しかし僕はコミュニーケーションを拒否してきた人間です。傷付くのが怖かったからです。

ポケモンが成長する為には、野生ポケモンのたいあたりを喰らって傷付きながら経験値を貯めなくてはいけません。

でも僕は傷付くのも傷付けられるのも怖くて、SNSでは誰にも話しかけず独り言ばかり、某動画サイトではコメントは一切投稿しない、某便所の落書きでも殆ど書き込みをしない、そんなバーチャル引きこもり状態を続けていました。

最近、流石にこれは不味いとようやく実感して、「Touch Grass」しようと考えています。傷付く事を許容できそうな、そんな状態になっています。

これで私は所持金が底を尽きたので草でも触って生きていきます。

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