勝手な評価をしてくる無邪気な人々

性行為未経験女性の婦人科受診記から続く内容です】

その時の診察で異常は見つからなかったので、服薬などの治療はありませんでした(というわけで、現在も市販の鎮痛薬を飲みつつ毎月寝込んでいます。その後子宮筋腫が見つかるのですが、また別の記事で書きます)。
婦人科の医師にPMSの症状を訴えたところ、別の病院の精神科に紹介状を書いてくれました。 そこでわたしは大きな衝撃を受けることになります 。

精神科の診察室に入ると中にいた30代ほどの男性医師は、わたしの持ってきた紹介状に目をやったまま「彼氏はいないんですねぇ〜」と言ったのです。え…?なに?かれし?なんの話?患者が部屋に入ってきた時に医者が発する第一声がそれ?
なにがなんだかわからずぽかーんとしてしまいましたが、とりあえず「はい」と答えました。頭の中にたくさんの?マークが浮かんだまま診察が始まりいろいろな質問をされましたが「いまのはなんだったんだろう…」という戸惑いが募るばかりで、内容はほとんど記憶に残りませんでした。

ちなみにその医師の後方には若い女性が座っており、診察を終えるまでまったく言葉を発しませんでした。研修医なのでしょうか。その女性が誰なのか、なぜそこにいてきわめて個人的な診察の内容を聞いているのか説明はいっさいありませんでした。
すべてにおいて意味がわからないというもやもや抱えたまま診察は終わりました。精神科の受診は初めてではなかったので、今回のことがあきらかに通常とは違うのは明白でした。

つまるところ医師はわたしの診断書に「26歳・性交経験なし」とでも書かれているのを見て「彼氏はいないんですねぇ〜(26にもなって処女www)」と言ったのです。紙面をじっと見たまま相手の顔も見ずに。はっきり言って気持ちが悪いです。生理に伴う気分の落ちこみについて相談するつもりで来たのに、開口一番「へぇ〜。処女なの?(意訳)」は完全におかしいとおもいます。合コンでもあるまいし(行ったことはありませんが)。

嫌な気分にさせられたあげく肝心の治療もされないというのになぜお金を払わなければならないのかと憤りつつ、わたしはいやいや会計をすませて帰宅しました。
ちなみに数年後、他の症状でこの病院を再び訪れた時には別の医師にあたりました。あの時と同じ人物ではないことに心底ほっとしたのもつかのま、彼は初対面にも関わらずなぜかわたしを追い返す気まんまんで「なんの薬が欲しいの? (ಠ_ಠ) 」と言ったので驚いてしまいました。医者も人間ですからどうしても相性はありますが呆れてしまいました。

こうしたことがあったので、今後も極力婦人科では男性医師の世話にはなるまいと考えています。単なる身体の一部にすぎないその部分に勝手な意味づけをされ、好奇心に満ちた視線を受けるのが嫌だからです。
女性は特に見た目や行動に対し、他人から勝手なことを言われやすいとおもいます。目が小さいだの料理が下手だの子供を作れだの(ちなみにわたしはこの作るという表現がとても嫌です)、人の見た目や生き方に対して勝手な評価をするという失礼なことがどうして堂々とできるのでしょうか。おそらく失礼であるという自覚もなく“無邪気”なだけなのでしょう。

わたし自身も子供の頃は背が高いことを男子たちにばかにされました。大きくなってから気づいたのは、それが「でかい」と「女のくせに男よりでかい」というふたつの意味での侮蔑だったということでした。
今おもうと平均身長より大きいという誰でも見てわかることをわざわざ指摘する意味がわからないのですが(“メガネ”とか。その通りとしか言えません)、子供だったから仕方ないのでしょうか。

とおもいきや、大人になってもそれは続きます。「身長大きいね!何cm?バスケやってたの ?バレーボール?じゃあお母さんが大きいんだ」そこで肯定することによりやっと質問攻めから解放されます。これまでに何度も経験しました。
そんな“無邪気”な人たちと同じように精神科の医師も、おもっていることを“素直”に口にしてしまったのでしょう。

ちなみにそれ以降もわたしは順調に無交渉状態継続中です。さいわい黒船も来ないのでおそらくこのまま鎖国を続けるとおもいます。年齢を重ねて多少は図々しくなった今ならあの時の男性医師に言える気がします。彼氏?いません。わたしはPMSの相談に来ました。そのことと恋人の有無は何の関係があるんですか?