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消えたアクティブラーニング〜効果的な学習方法とは?

「愚者は教えたがり、賢者は学びたがる」とはロシアの作家、チェーホフの言葉。耳の痛い言葉ではありますが、周りを見渡しても人の特徴、気性を上手く言い表している感じがします。
 確かに「お前そんなことも知らないのか?」「特別にいいこと教えてあげようか」・・・等々の台詞が多い人に賢い人のイメージはあまり湧きません。逆に人の意見を静かに聴いてゆっくり頷き、多くを語らないような人は如何にも賢そうな印象を受けます。

 そこでふと気づきます。この言葉が真理を表しているのなら、この文章を書いて読んで頂いている皆さんに教えたがっている私自身は愚か者の範疇に入るのだと。残念!

 しかし、一方でこんなこともよく言われます。「最も効果的な学習方法は‟人に教える“ことだ」と。
 この方法は経験的にも確かな手応えがあります。人に教えるという状況では、その教える事柄を正確に理解し記憶しなければならならないことは勿論、想定される質問に対処するために教える事柄の周辺事情についても事前に調べておく必要があります。人前で認められたい、また恥をかきたくないという人の社会性に根ざした動機は学習効果を大きく高めます。
 アメリカ国立訓練研究所が提唱したラーニングピラミッド理論によると「講義」「読書」「視聴覚」「デモンストレーション」「グループ討議」「自ら体験する」「他の人に教える」という7つの学習方法では後ろに行くほど学習定着率が高いことが確認されています。「講義」では定着率5%程度、「読書」10%、「視聴覚」20%、「デモ」30%と徐々に上がり、「グループ討議」では50%、「自ら体験」で75%、「他の人に教える」では90%にまで学習定着率が跳ね上がります。

PHOTE BY Eugene Tkachenko

 従いまして人に教えるという動機は愚かだとしても、その行為の結果賢くなるとは言えそうな気がします⁈

【まとめ】
‟無知の知“を自覚したうえで、臆することなく覚えた内容はどんどん人に教えましょう!また常に人から学ぶという姿勢を大切にしましょう!
そうすることで教える人も教わる人もお互い賢くなるというwin-winの関係を築く良好なコミュニケーションに繋がって行く気がします。

2022.8.23