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<未来をになう子どもたち> ~NTS博士ちゃんとの出会い~

 それは一昨年のこと。弊社の生物の科学遺伝』を定期購読されている方から娘に読ませたいと、代替プロテインによる食品素材開発の注文がありました。この書籍は大学の研究者や企業の開発者など、いわゆるプロ向けに企画編集したものです。そのため大学生くらいの娘さんかなと思い、何気に尋ねてみると、なんと小学6年生のお嬢さんとのことでした。たっての本人希望で誕生日に欲しいということに正直驚きました。
 ただ、まだ誕生日には少し日があるため、それまでは親子の約束事を守り、しばらくお預け! ということも聞きました。なんと微笑ましい親子でしょうか。こちらとしても何かしらプレゼントをという気持ちになり、少し軽めの書籍とTシャツなどを誕生日にお送りしました。するとお母様からご丁寧なお手紙と子供らしいお嬢さんのお手紙のご返事がありました。このご縁をきっかけに何度かのメール交換などさせて頂き、春休み愛知県から上京の折、弊社事務所に立ち寄ってもらうことに致しました。
 
 また相前後して、人工心臓に興味がある小学6年生がいるという記事が目にとまり、この小学生が妙に気になりました。そこで記事に掲載されていた会社に連絡を取り、NTSの書籍がお役に立つなら贈呈したい旨を伝えました。人体の用語集単シリーズを送るなどし、この少年とも交流が始まりました。時期は前後しますが、やはり昨年春休みに上京の機会があり、弊社訪問となりました。その時、少年のお母さまの紹介で同席したのが当時、灘高校2年生の林慶一郎君でした。新たな出会いは、また新たな出逢いを生むものです。
 彼は、書棚に並ぶプロ向けの理工学書に興味津々の様子でした。特に量子センシングハンドブックには首っ引きで、本のページにざっくりと目を通した後の感想が、「この本、僕のど真ん中です!」とつぶやいたのが、大変印象的でした。
 ジャーナリズムにも関心を持つ彼に、NTSジャーナルヘの投稿を誘いました。その結果、今回のブログ「Red Lock」がスタートします。ブログ名の由来など、彼から紹介があるでしょう。19歳の彼のこれからの成長を垣間見ることができるのは、とても楽しみです。
 


 NTSは創業期以来、長年、サイエンス・コミュニケーション(SC)活動を続けてきました。そのSC活動の中で分かってきたことの一つに、子どもの想像性(imagination)は、時に現実を変える力があるということです。大人が現実で発揮する創造性(Creativity)との出会い方次第では、地域づくり、地域創生など社会を変革する大きな力にもなるだろうという実感を持つに至っています。
 若い彼らが発表する、新鮮で斬新なステージが未来をになう力となることを願う次第です。

2023年4月30日 吉田 隆