見出し画像

凡人のためのゾーン inポーカー

お久しぶりです。最近はライブポーカーに夢中で、更新が全然できていませんでした。さて、今回のnote記事では、「テーブル外の技術」について取り上げていきたいと思います。新しいジャンルに挑戦していきます。
※この記事では、GTOチャートが一つも出てきません。


はじめに


「プレイの調子がいい!」「勝てる!」
このようにすこぶる調子のいい時はありませんか。その時は、大抵どんなプレイをしても勝てるもので、全能感を覚えるプレイヤーも少なくないでしょう。
この状態をいわゆる「ゾーンに入っちゃてる」と表現されることが多いです。極度の集中状態といったニュアンスで使われるこのフレーズですが、スポーツ以外でも、将棋、芸術などの幅広い分野におけるプロフェッショナルたちが経験するものでしょう。
「プロフェッショナルでない凡人には無理なのでしょうか」
いいえ、あなたも立派なゾーン体験者です。
それでは、ゾーンとは何か、ゾーンに入るとどうなるのかを紹介したいと思います。

ゾーンとは


「ゾーン」とは、ミハイ・チクセントミハイによって提唱された概念であり、時間の感覚や自我を失うほど目の前の作業に没頭している状態で、体験者がこの瞬間について、物事が自動的に進む流れ(Flow)の中にいるようだと語ったことによって「フロー状態」と名付けられました。
このフロー状態は、非常に充実感に溢れた体験であり、スポーツにおいては最高のパフォーマンスが発揮される状態であるとされています。
 例えば、野球では、「ボールが止まって見えた」、サッカーにおいては、「上から俯瞰して見えた」というような体験です。知覚体験以外にも、チェスや将棋、今回のテーマであるポーカーにおいても、我を失うほどの集中を発揮していれば、それは立派なゾーン体験なのです。

ここで一部の人は
「ゾーンに入れば、界王拳2倍くらいか?」
と思った方もいるでしょう。
そう、我々凡人は、ゾーンという武器を手にいれ、n年後に現れるインフレした戦闘力の相手にしないといけないのです。

では、ゾーンに入る方法を解き明かしていきましょう。


「フロー」状態が進み、一時的な極限の集中状態が「ゾーン」という

ゾーンへ至る3つの条件


ゾーンに入る条件は以下の3つであるとされています。

①難易度の設定

自らの能力と課題の難易度が相補的でない場合、ゾーンに入ることが困難とされます。つまり、課題設定は難しすぎず簡単すぎない適切なものである必要があります。

では、ポーカーにおいてどのように設定するべきかということが重要な点でしょう。

まず、難易度設定としては、テーブルにFishだらけというよりも、Fishとレグが混ざっている(Fishの方が多い)環境がベストです。

これは、レグに対して警戒しつつ、FishからMaxバリューを取るというような考えです。
では、昨今、「上手い人とプレイする必要がある」という議論が度々見受けられます。これに対する「フロー的観点から」いうと、「ゾーンに入りベストパフォーマンスができる確率が上がるから」という考えが源泉であると考えられます。

②目標が明確であること

明確な目標や課題に取り組んでいる際に、それがうまくいっているのか駄目なのか直ちにわかる環境が必須なのです。

ポーカーでプレイへの目標設定はどうするべきでしょうか。

「大型大会で優勝したい」「インマネしたい」「FTへ残りたい」

このように言うのは、フロー的観点から言ったら非常にナンセンスと言わざるを得ないでしょう。なぜならば、目標が明確でなく、確率に左右されてしまうからです。

トーナメントプレイ中における目標設定の仕方としては、
・「このブラインドで生き残ること」
・「EVを最大化する」
・「ハンドレンジを上位x%にし、それまで我慢する」

というような具体的な目標設定をするべきです。ですので、「Patientする」と使われるのは、明確な根拠がありそうですね。

では、キャッシュゲームであるとどうなるのかということですが、
これは、
「EVの最大化」
「このプレイヤーをMaxエクスプロイトする」

というような設定が一番効率的かつ明確です。

③明確なフィードバックを受けれる環境

例えば、サッカーでシュートを外してしまった、それに対する反省ができます。このように、フィードバックができる環境である必要があります。

以上の3つが重なるとゾーンへ突入できることが増えるでしょう。
このチーティング武器ゾーンのメカニズムを掴みましょう。

メカニズム


ゾーンに入ると脳のドーパミン作動性報酬系と呼ばれる領域が強く活性化します。これにより充実感と幸福感が増すという体験ができます。
また、ゾーン状態の被験者の脳波を調べたところ、前頭葉のシータ波が強くなる傾向が確認されました。これによって、集中力が極限に高まるとされています。
さらに、脳の一部(内側前頭皮質など)の活動が非活性化されます。これにより、感情が希薄になり目の前のことに没入できるようになるとされています。

ゾーンへ至る方法


①マインドフルネス(ボディスキャン瞑想)

マインドフルネスは、注意力や集中力を上げることに役立つと言われています。瞑想をすると、前頭前野という部分の活動が活性化されることがわかっています。前頭前野は、注意力や集中力、意思決定などを司る場所なので、活性化することで注意力や集中力が向上すると考えられています。2010年の研究では、瞑想を行ったグループは、行わなかったグループよりも注意力や集中力の測定で優れた結果を示しました。また、2012年の研究では、8週間瞑想を行ったグループは、行わなかったグループよりも雑念に惑わされにくくなることがわかりました。

今回、筆者がお勧めする方法はマインドフルネスの中でも簡単に行える「ボディスキャン瞑想」です。
ボディスキャン瞑想とは、身体のさまざまな部位に意識を向け、まるでスキャンするかのように身体感覚を「ありのまま」感じ取ります。
方法としては、頭のてっぺんから足のつま先まで、各部位に順番に、スキャンするように丁寧に行います。
10分程度でも良いので、ポーカーを始める前や集中力が切れたら行いましょう。

※参考文献
論文名:The effects of mindfulness meditation on attention: A systematic review and meta-analysis
著者:Chiesa, A., Calati, R., & Serretti, A. (2011)
雑誌名:Clinical Psychology Review, 31(1), 160-174.

②ゲーミフィケーション

ゲームのように卓にいる誰かを攻略する(Crsuh)すると考えましょう。エクスプロイト対象にしてもいいですね。ロードマップを立て、ゲーム式に進めるのもいいですね。

③テトリス

テトリスを行うとゾーン状態に入ることができます。卓について暇な時間にテトリスをするといいかもしれません。
私は、稼働前にGTO wizardのトレーニングモードを使っています。


使用した参考文献・論文一覧

[1]Nakamura J, Csikszentmihalyi M: The concept of flow. In Snyder, C. R., & Lopez, S. J. (Ed.). Oxford handbook of positive psychology. O
Rankin, K., Walsh, L. C., & Sweeny, K. (2019). A better distraction: Exploring the benefits of flow during uncertain waiting periods. Emotion, 19(5), 818–828

https://amzn.asia/d/6lkjXHt


今回の記事はここまで。
気に入った方がいましたら、いいねお願いします。
次回は、「トーナメントにおけるBB-CHECK RAISEを分析」します。

POKER GYMという新たな選択肢


コーチングの受付はLINEにて承ります。
LINEの友達登録をすることで、限定配信の記事を見ることができます。
ぜひ、登録してください!!

GTOwizardの購入はこちら

GTO wizardの公式パートナーとして活動しています。

限定配信の記事一覧

翻訳記事を中心にデータベースを作っています。更新頻度が高いため追加必須です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?