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3bettorの彼がCHECKした!?とき

はじめに


ポーカーをしているときに、3bettorなのにチェックするの!というシーンはありませんか?そんな時の対処法をチェックします。
今回の記事では、3bettorにチェックされたときのフロップアクションを紹介します。

一般的に、次のBTN vs BB,SBの3bet-potは学習優先度としてかなり高く評価をされています。
次の棒グラフは学習優先度をまとめているものです。BTN vsSB 3bp、BTN vs BB 3bpが上位に来ていることも確認できますね。

BTN vs SB 3bet-pot


BTNからオープンレイズをし、SBが3bet、BTNがCALLしたとします。

設定:NL50,General,2.5x,GTO、使用しているソフトはGTO wizardです。

まず最初に3bettorであるSBの3betレンジを確認します。

SB vs BTNopen

こちらのプリフロップレンジはSBの 「vs BTN オープンレイズ」レンジです。A5s〜A2sを混ぜたリニアレンジをしていることが確認できますね。
一般的にSB 3betレンジはリニアレンジになることを覚えておきましょう。

リニアレンジがわからない方はこちら

次に、SBのチェック頻度が高いボードをヒューリスティックを用いて確認しましょう。

SBのフロップ ヒューリスティック

上図はハイカード毎のアクション頻度を棒グラフにしています。
Aハイ、Kハイが非常にCB頻度が高くBETサイズはBET20%,BET33%をメインとして使っています。
一方、Jハイ以下(特にTハイ以下)に注目してください。Jハイ以下のボードではチェック頻度が非常に高く9ハイ〜3ハイに至っては約70%頻度でチェックを行っています。しかし、Jハイ以下はチェックが高頻度の分、ベットサイズが大きいということが特徴的です。
では、SB戦略をハイカード順にし、具体的な数字を覗いてみましょう。

数字で見るハイカード順

9ハイ以下のチェック頻度が非常に高く、そのベットサイズはPOT 75%を使っています。9ハイ以下ボードはペアボードを除いて、Dynamicボードになることが多く、CALLER側にセットコンボ、2ペアコンボが多いため3bettor側がCHECK or 大きいベットサイズという戦略を使うことが多いでしょう。

非常に興味深い点としてKハイ〜TハイにかけてBET50%頻度が高いことです。本記事の趣旨とは少し異なりますが、BET50%の使い方を184subset(フロップボードを184に絞ったもの)を使って見てみましょう。

184subset:BET50%降順

BET50%頻度が多いボードを高頻度順に表示しました。
上から観察するとKKX、QXX、JJXボードが多く、ペアボードでベットしていることが観察できます。
ここまでのことから、BET50%を使うにあたり次の仮説が立てることができます。

  1. K〜Tハイボードである

  2. ペアボードである(Notペアボードもあるので優先順位は低め)

ペアボードにソートし、昇順にします。
すると、QQXのみ大きいベットを否定していることがわかります。

このことより、K〜Tハイのペアボード(Qペアを除く)BET50%をメインとして使うことができるとなります。

さらに、追加研究によりBET50%をある程度の頻度で使えるボードの特徴はこちらです。(調べたい方はこちらのリンク)

Notペアボード

K〜Tハイかつ、非コネクトボード
K〜Tハイかつ、Rainbow

ペアボード

K〜Tハイのペアボード(Qペアを除く)BET50%をメイン

では、ここから本題であるSBがチェックした時のBTNアクションを見ていきましょう。

BTN戦略 ヒューリスティック


ハイカード順 BTN

ハイカード順にBTN戦略を見ると、一定頻度以上ベット頻度があることがわかります。加えて、ベットサイズは小さくメインサイズとしてPOT20%、POT33%を使用しています。このことから、3bettorがフロップでチェックした場合のベットサイズはBET20-33%で良いと覚えるのも良いですね。
しかし、Aハイを見てください。Aハイのみ大きいベットサイズがベット頻度を占めていることに気づきます。

ハイカードを数字で見てみましょう。

基本的にベットをするのであればBET20-33%をしていますが、Aハイのみ、ベットサイズがポット50%であるということがわかります。この理由としては、Aハイボードでは、相手SBのチェックレンジはアクションが止まるようなポケットペアに対して、プレッシャーをかけ、CALL or FOLDのIndifferentレンジにするためと考えれます。

AハイのみBET50%

では実際のボードを2つピックアップし比較しましょう。
今回は、Aハイボードと8ハイボードの2つとします。

A❤️J♦️8❤️ Aハイボード

フロップA❤️J♦️8❤️が開かれ、SBがチェックをしたとします。
BTNの戦略はこちらです。

まず、BET50%をメインとして行っています。
そのベットする具体的なレンジは、上図右下を見てください。それぞれの役、ドロー、EQによって戦略をフィルタリングしています。

役ごと

Set〜No made Handまでを見てください。
2ペア〜Setのような強力なハンドはBET50%をしていることが読み取れます。Topペアも30%ほどの頻度で行っており、左のレンジを見るとそれは、キッカーの良いAQ,AJであることが言えます。

一方、No made Hand〜Lowペア(22s〜77sのような)はブラフとしてベットをしているのです。
左図レンジの22s〜77sにおけるEQを見てください。22sはEQ18.9%であることがわかり、ブラフを行っています。

LowペアのEQが20%になるようなボード→BET50%頻度が高くなる

Kハイも同様にブラフを行っていますが、中途半端なEQを持っているため頻度としては、FDとBDFDのようなKQです。

ドロー

ドローを見ると、No DrawとComboドローがベット比重が高いことがわかります。微妙なドローがある時、特にFDなどはベット過多にならないように必要以上にチェックを意識する必要があります。
なぜチェックをするのかという疑問があるでしょう。
なぜ、チェックバックするかというと、EQの観点から、BTNのチェックバックレンジをプロテクトするためです。

BTNレンジの76sを見てみましょう。

BDFDを持つ7♦️6♦️が一番ベット頻度が高く、ハートのスーテッドはベット頻度が他のスーテッドと比べて変わらないことがわかります。
7❤️6❤️のEQは37.6%であり、FDをチェックすることで、十分チェックレンジを強くすることは可能となるでしょう。

チェックバックレンジをプロテクトするキーはFDである

以上より、BTNベットレンジについてなんとなくですが理解ができたと思います。

では、BTNがBET50%をした時のSBアクションも合わせて見てみましょう。

SB vs BTN BET50%

なんと、KKs、QQs、TTsがCALL or FOLDのIndifferentになっているのです。BET50%をする理由はここにあるのです。


8ハイボード

8ハイボードはBET33%が多く、876のようなコネクトボードはBET50%頻度が多いようです。

8❤️6♦️3❤️ 8ハイボード

次に、863ボードのBTN戦略です。

まず初めに、左図のすべてのレンジにおいて100%頻度チェックしているレンジがないということが特徴的です。
このことから、ある程度の頻度でレンジでBET33%を打つことができると言えます。
なぜなら、SBレンジに対して、BTNレンジが比較的強いからです。
下図は互いのレンジについてです。

BTNはIPのため、EQR、Equityが高く、結果としてEVが高くなっています。
次に、EQ bucketsをみます。

EQ buckets -Simple

BTN側が、BestHand、GoodHandのどっちも3BettorのSBよりも多く持っています。
このことからBTNレンジは非常に良いレンジを持っていると言えるでしょう。

BTN vs BB 3bp


BTNからオープンレイズをし、BBが3bet、BTNがCALLしたとします。

まず最初に3bettorであるBBの3betレンジを確認します。

こちらのプリフロップレンジはBBの 「vs BTN オープンレイズ」レンジです。A5s〜A2s、AXoの一部、(Q4s〜Q2s)、を混ぜた2極化されたレンジで3betしています。特に、LatePositionの相手のオープンレイズには、BBでAXoの一部を使い3betしましょう。
一般的にBB 3betレンジはポーラライズドレンジになることを覚えておきましょう。

次に、BBのチェック頻度が高いボードをヒューリスティックを用いて確認しましょう。

BBのフロップ ヒューリスティック

上図はハイカード毎のアクション頻度を棒グラフにしています。
全体として、チェック頻度が非常に高いです。BBはフロップで比較的大きいサイズを使い、BET20-33%サイズのベットはSBほど頻繁ではないことがわかります。

ではBB戦略をハイカード順にし、具体的な数字を覗いてみましょう。

数字で見るハイカード順

Kハイのみベット頻度が高く、BET20-33%をメインとして使い、BET50%-75%も使っています。
一方、Kハイ以外のボードはチェック頻度は約60%程度あります。Tハイボード以下がチェック頻度が多く、ベットサイズが大きい理由はSBの時と同様でしょう。

SBと異なる点は、Aハイ〜Jハイボードのベットサイズが大きいことです。この理由としては、BB3betがリニアレンジではなく、ポーラライズドレンジであるためです。BB(3betポーラライズドレンジ)とSB(3betリニアレンジ)のフロップ戦略比較を行います。

A❤️K❤️6♦️ボード

BB フロップ

AK6ボードにおけるBBのフロップ戦略は、チェック or BET50%以上という選択になっていることが確認できます。
この理由はEQ bucketsを見ることで説明できます。下のEQ bucketsを見てください。

左:BB、右:BTN

左がBBで、右がBTNです。左のBBハンドレンジは、BestハンドとWeakハンドが相手BTNよりも多いレンジをしているのです。つまり、EQ70%以上のハンド or EQ25-50のハンドを多く持っているため、その戦略は必然的にポラーなベットになるべきです。そのため、BBのフロップ戦略は大きいベットを行っています。これは、プリフロップでの3betレンジがポーラライズドレンジであることから由来しているのです。

SB フロップ

BBの3betレンジがポーラライズドレンジである一方で、SBはリニアレンジであるため、AK6ボードではEQbucketsは、BestHandとGoodHandをBTNよりも多く持っているということです。下図を確認してください。


左:SB、右:BTN

実際に、EQbucketsがBestHandとGoodHandで構成されています。

BTN戦略 ヒューリスティック


ハイカード順 BTN vs BBcheck

ハイカード順にBTN戦略を見ると、vs SB戦略と非常に似た戦略頻度になっています。下の2つが vs BB,vs SBです。

vs BB check
vs SB check

非常に似た棒グラフになっていることが確認できますね。

vs BB check
vs SB check

ここで、上図2つの「IP EQ」に注目してください。驚くことに、vs BBの方が、9ハイ以下の時に非常に高くなっているのです。それでも、戦略が vs SBの時と似ていることは確かでしょう。

vs BBでの AハイはBET50%可能

終わりに


今回の記事はここまでです。
3betの種類とチェックされた時の対処法についてでした。本記事のようなポーカーを理論的に捉えてみるのも1つのアプローチ方法ですね。

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