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100分de名著"アイヌ神謡集"第4回を見てずっと考えてること

道民なのに、アイヌの文化や歴史にまったく踏み込む事なく大人になってしまった。知ろうとしてこなかった自分もまぁ大概だけど、それにしたってあまりにも誰も教えてくれなかったよなぁとも思う。

私には政治信条も信じるものも特に無いけど、日本は自国の加害の歴史を自国民に教えなさすぎるとは常々思っていて、アイヌ民族に対して和人がしていた事も学校でもっときちんと教わりたかったと思う。郷土史の学習はあったけどそこまで詳しいものではなかった(今の時代がどうなってるのかは分からないけど)。名前がついてる事柄だけサラッと履修するだけでは何も伝わらないし心に残らない。
それでも漫画『ゴールデンカムイ』を通じて興味を持てた事はありがたいと思っている一方、知る事で自分の中に生まれた感情をどうしたらいいかわからないでいる。

知れば知るほど、自分は和人の子孫なんだなぁと思う。自分の先祖がその当時どんなふうだったかなんて知らないけど、先祖が北海道に入殖したから私は道民なわけで、てことは先祖はアイヌとどんな関係性でいたんだろう、アイヌにとっては侵略者だったんだよなぁとか、私が住む土地も元は和人がアイヌから取り上げた土地だったのか…とか、今までまったく意識してなかった事にたくさん気付く。自分の今の暮らしが、そういう歴史の上に成り立っている事を知る。それを意識せずに生きてきた事にどこか取り返しのつかなさも感じる。

でも加害の歴史教育ってそれはそれで難しいよなぁとも思う。ある程度色んなことを経験した大人だから受け止められるけど、それを判断力がまだ未熟な子どもに課すのには抵抗がある。子どもの心に、自分がした訳ではない事の罪悪感を刷り込むことにならないか。
でも知らない事も良くないこと。歴史と向き合うことで、これから先の未来を作っていくための自分なりの指針がうまれる。
きっと大事なのは、加害を「知っている」うえで、それを理解したうえで「良くない事だと思う」と言えることなんだろうな。何も知らなければ何もうまれない。
けど、子どもは何からも完全に自由であってほしい、とも思ってしまう。過去の大人の罪を背負わせる事にならないか。
そう考えてぐるぐるぐるぐる、結論は出ないままずっと考えてる。結論はきっと出ない。

〈追記〉
漫画『進撃の巨人』でガビが受けたのは加害教育の極端な例。"私たちの先祖は最低最悪な事をしたので子孫である私たちが償わなくてはいけないのです"、を叩き込まれたのがガビ。でもカヤの言う通り、ガビやファルコが謝るのは違う。マーレで生まれただけなのに。
そして結局またぐるぐるぐるぐる考える。

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