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適法性をイメージして働きましょう

次のイメージは、私が現役時代いろいろな企業で仕事をしてきたときのイメージだが、ソニー子会社を除けば、多くの企業が規制レベルすれすれで仕事をしていることが多かったと思う。
経営者の姿勢といってしまえば、それまれだが、なんとかしたいと一人でもがいていたことを思い出す。

適法性のイメージ by nsaccountstaff


・企業の永続的成長のために社会的基盤が不可欠
・法律は、最低限のルールを決めているだけ
・人間の行動が先行し、法律が制定されるのが常
・良い企業は、法律で定めた以上の社内ルールを適用しながら企業運営を 
 おこなう努力をしている

リーガルマインドとは、「法的に意味を伴った社会的常識」とされる。
世の中には、法律で規律するルールがあるが、企業活動にも一定のルールが社会的に課されている。
会社法、金融商品取引法、独占禁止法、不正競争防止法、法人税法、消費税法労働法、労働基準法、食品衛生法など沢山の法律に囲まれて事業をおこなっている。
このような規制は、企業が事業をおこっていく上で企業活動の公平性を担保している。

脱法(法律違反)するれば、それだけ簡単に利益を上げることが可能だ。
その一方で社会に対して弊害や損害を与えるケースが発生する。
独占禁止法違反では、談合などで公共工事に税金がよけいに流失する。
食品衛生法では、人の健康や安全に被害を生じさせる。
労働基準法違反では、人の健康安全、さらに金銭的な損害を与えたりする。
社会には、企業に限らず人を含めて安定した社会を維持し生活を営むために、一定の規律が最低限課されている。
企業活動は、これらの法律に最低限合致した運営をおこなっていく義務を伴っている。

経営者の中には、勝手に自分で法律を作って運営するものが結構いる。
この点、入社する企業によってかなり差があるのでしっかりと意識をもっておいて欲しい。
とにかく適法性や社会性の欠落した考え方に絶対に染まらないことだ。
このような企業運営を行えば、結果は知れている。
身内意識の経営で脱法当り前経営をおこなっていれば、倒産、M&Aなどの結果になった。

良い企業は、社会が定めた規律以上の経営管理をおこなっている。
過去に話題になったJSOXなどより、遥かに高いレベルで事業活動をおこなっている。
内部統制など、当たり前だ。
経営管理の改善に、経営トップから末端の平社員まで、日々努力を継続している。
企業継続のために、お客様に認めていただく製品の開発と販売をおこない、日々の実務では、正しい会計処理や従業員管理から、良き利益の確保を目指している。
そうしてできた正しい決算を世の中に報告している。

決算書はどれも同じように見えるが、経営管理レベルが高い会社の内容は、決算内容が良くても悪くても真実を表している。
簡単に書けないが、日々の努力たるや並大抵ではない。適法性など関係なく経営している企業ほど決算内容も悪く、事業の成長が図れない。
当り前である。
事業は社会があって成り立つものだ。
厳しい言い方をすれば、社会から人や金をくすねているのである。
そなん簡単な意味がわかっていない。

毎回、ソニー子会社のことばかりで恐縮だが、入社後、「社員は社会からお預かりしているものだ」と、盛田さんが言っていた、と上司に聞いた。
もっとも、真偽は定かでない。
だが、私は、そのように対応してもらったと思っている。
採用してもらった元社長とは、定年退職するまで、わずか4年ほどいっしょに仕事をしただけだったが、今日に至るまで約30年以上の付き合いだ。
理屈抜きに、人を大切にしてくれる。
私には到底真似ができない。

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